優しい人

2022-06-03 23:51:28 | 日記
スーパーへ行く途中で
向かいからやってくる知った顔。

「あ、お疲れ〜。あれ〜仕事は?」
と声がかかります。

かつてはお互いの子どもが同じ幼稚園へ通い保護者として知り合ったNさん。
小学校 中学校は別で
この半年あたりに私の務める保育園の給食室で働きだしました。

ママ友とまではいかなかったけれども、
オトが幼稚園だった3年間私にも気さくに話しかけてくれるNさんでした。

「あ、私、今日有給やってん」

「え?休みやったん。」

「うん、まぁね。色々あってね。
定期的に休みもらってるねん。」


ずっとオトのことは内緒にしていました。

でも、同じ職場になって、なんだか心苦しかったんです。
道端で会って子どもの話になったりすると変に緊張してしまい逃げたくなっていました。
でも内緒にするようなやましいことではないといつも心の中で葛藤していたんです。

そんな想いから
へんに勘ぐらせるような言葉を言ってしまったわけです。
『色々 あってね』って。

「どーしたん。どーしたん?」

優しいNさんは、誰かに言いふらすような人ではありません。

私はついに今まで話せなかったことを話しました。

「ずっと言えなかったんやけど、うちのオトは不登校やねん。
だから、定期的に有給もらってオトとお出かけしたりしてるねん。
通院って職場には言ってるんやけどな(笑)
今日は、進路相談を区役所でしてもらって、その後頑張ったからカラオケに行ってきたんよ。」

そう精一杯気持ちを明るくして話だしたのに、
途中から目には涙が溜まって
声も変になっちゃって
それでも必死で眼球に涙を留めて話しました。


「そうかぁ。いいよいいよ。休んじゃいなさい。有給だもの。
カラオケ行けてよかったね。

そうNさんが言ったあと
「あ、あかんわ。泣いてしまうわ。」
と涙目になったので

私も堪えきれず

道端で自転車持ったおばさん2人が向かいあって涙をふきながら
お互いがお互いの涙を早く止めようとひっしになっているという
変な状況になってしまいました。

「なんで泣くん」と私。

「いや、なんかさぁ、
オトちゃん辛かったんやなーっておもったらさー。泣けてきてー。」

そう言ってくれたらさらに私は泣けてしまいました。

「ゆっくりしたらいいよ。
ゆっくりしたらいい。元気になるまで。」

そう言ってくれました。


そんな風に人に言えるNさんは
素敵な人だなぁって思いながら、
2人が笑顔になるまでずっとお喋りをしました。



※他の方の迷惑にならないような場所で立ち話をしましたm(_ _)m