父 入院 2

2023-03-09 10:25:58 | 
病院に着くと、1番奥の診察前にて待つよう告げられました。

11時までに来て欲しいと言われ10時すぎには到着。

すぐに処置室に呼ばれた父。
身長や体重や血圧など測っているようでした。

処置室の奥の方から父の声がします。

「生きてますか」と謎の質問。

「はい 生きていますよ」と優しい看護師さんの声がしました。


父は不思議な人ですので時々よくわからない冗談を言うのですが、
そんなやり取りを『父らしいな』と待合室のベンチで聞いていました。


それから間もなく入院の診察案内があると思いきや
それから1時間半以上の長い長い待ち時間がありました…。




じっと診察前にて
父を真ん中に
右に私
左に母

長すぎる待ち時間に
父がとうとう怒りだしはしないかと気にしながら待ちました。




頭の中では、いざ入院という言葉を聞くと
父から

“怒鳴られるかもしれない。
手をあげられるかもしれない。

母を守らないといけない。
私が頑張るしかない。“

そんなことばかり考えていた私。


フンッ と父が鼻で笑って言いました。

「そんなに緊張せんでもええよぉ。」




私が父の検査結果を
緊張して待っている

そんな風に思ってくれたんでしょうか。





時間は12時前になりやっと診察室に呼ばれました。




診察室に入ると、ガッチリした身体つきの先生が今回は対応してくれました。


「最近 調子はどうですか?
困ったことないですか?」



「うーん…困ったことはありません。
足がねぇ、ちょっと痛かったんやけど、それは打ち身やったみたいでねぇ。
大丈夫ですぅ。」



「そうですか。
あのね、今日はね、入院してもらおうと思って呼びました。

困ったことはないって今聞きましたが、やっぱり少し入院したほうがいいから今日から入院しましょうね。



そう告げられると
父は借りてきた猫のように素直に首を縦に振りました。




予想外でびっくりしました。





あまりにも素直に連れていかれた父を見送って


「これでよかったのかどうか」


また新たな気持ちに揺さぶられそうになりました。