風の詩(kazenouta)2

いつも喜び、たえず祈り、すべてを感謝する
そのような日々を過ごしたい。

森田真生 著 『数学の贈り物』 つづき

2023-08-27 17:09:10 | 思想

なんだか哲学書のようなエッセイのような、

岡潔さんに通じる本でした。

いくつか書き留めておきたい言葉があったので、引用させていただきます。

****2018.9.1「母語」より P142

 「隔たり」の彼方から響く声に耳を傾け、

 わからないという緊張のなかで言葉を編んでいくことが「対話」だとするなら、

 僕らは生を授かったその瞬間から、

 一つの対話に投げ込まれているのではないか。

 

 春の光、風の匂い、虫たちの鳴く声を全身で感じながら

 最初の言葉が咲くのを待っている子は、

 すでにその対話の入り口にいるのかもしれない。

*******201812.31 「現在 プレゼント」より P152

 子どもの住む世界に、はかどりをはかるための基準はない。

 物事に単位の物差しを押し当てて、

 固定された尺度と比べてはかるという発想がない。

 はかのない世界を、はかのないままに、

 彼らはすべての瞬間を懇親で生き抜く。

         注:はかとは、古来畑の一区画を言ったことば

     P154

 はかばかしく、はかどることだけでは つかむことのできない、

 はかない瞬間の贈り物がある。

 そのたちまちに消えゆく光を、

 「きえざる中にいひとむ」(芭蕉の句より)ためには、

 慎重にはかられた言葉の世界を 丁寧に育んでいく必要がある。

***************引用おわり

 

コンピュータによる情報の処理、瞬時にニュースが伝わる、

時には、人を傷つける中傷が、拡散される現代社会。

私たちは、静かに自分で考えるという大切な時間を 失くしているのではないか。

 

数学者の立場からの論理の進め方。

荘子の「胡蝶の夢」や道元、芭蕉の思想の引用もあり、

とても興味深い本でした。

 

独立研究者(森田真生さん)のライブ活動、、、、機会があればお聞きしたいな。

 

 和風のランプ  伊香保の旅から (親愛なる教え子 杉浦譲治君からお借りしました)

  伊香保温泉、、、、懐かしいです。 友達と赤城へ行く途中、寄り道した温泉です。

 

 

 


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