なんだか哲学書のようなエッセイのような、
岡潔さんに通じる本でした。
いくつか書き留めておきたい言葉があったので、引用させていただきます。
****2018.9.1「母語」より P142
「隔たり」の彼方から響く声に耳を傾け、
わからないという緊張のなかで言葉を編んでいくことが「対話」だとするなら、
僕らは生を授かったその瞬間から、
一つの対話に投げ込まれているのではないか。
春の光、風の匂い、虫たちの鳴く声を全身で感じながら
最初の言葉が咲くのを待っている子は、
すでにその対話の入り口にいるのかもしれない。
*******201812.31 「現在 プレゼント」より P152
子どもの住む世界に、はかどりをはかるための基準はない。
物事に単位の物差しを押し当てて、
固定された尺度と比べてはかるという発想がない。
はかのない世界を、はかのないままに、
彼らはすべての瞬間を懇親で生き抜く。
注:はかとは、古来畑の一区画を言ったことば
P154
はかばかしく、はかどることだけでは つかむことのできない、
はかない瞬間の贈り物がある。
そのたちまちに消えゆく光を、
「きえざる中にいひとむ」(芭蕉の句より)ためには、
慎重にはかられた言葉の世界を 丁寧に育んでいく必要がある。
***************引用おわり
コンピュータによる情報の処理、瞬時にニュースが伝わる、
時には、人を傷つける中傷が、拡散される現代社会。
私たちは、静かに自分で考えるという大切な時間を 失くしているのではないか。
数学者の立場からの論理の進め方。
荘子の「胡蝶の夢」や道元、芭蕉の思想の引用もあり、
とても興味深い本でした。
独立研究者(森田真生さん)のライブ活動、、、、機会があればお聞きしたいな。
和風のランプ 伊香保の旅から (親愛なる教え子 杉浦譲治君からお借りしました)
伊香保温泉、、、、懐かしいです。 友達と赤城へ行く途中、寄り道した温泉です。