いろいろと忙しくて、なかなか読み終えることができませんでした。
本日、やっと『街とその不確かな壁』を読み終えることができました。
作者が、31歳に「文學界」に発表し、
71歳にして、その喉に刺さった魚の小骨が取れたという作品。
確かにこの最初の作品には、後に書かれた、作品にその種が蒔かれ、花を咲かせているのを感じる。
この40年ぶりの作品には、その種がちらほらと、あちらこちらに見える。
芽をだしているものもあるような。
読者として、共に歩ませていただいた冥利といいましょうか、感慨深いです。
*****あとがきの最後のほう*******を引用させていただきます
P660~661
それはやはり僕にとって(僕という作家にとって、僕という人間にとって)
大切な意味を持つ小骨だったのだ。
こうして40数年ぶりに新たに書き直してみて、もう一度「その町」に立ち戻ってみて、
そのことをあらためて痛感した。・・・・・・
要するに、真実というものはひとつの定まった静止の中にではなく、
不断の移行=移動する相の中にある。
それが物語というものの神髄ではあるまいか。
僕はそのように考えているのだが。
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物語の面白さ、、、、幼い時からその世界に「想像の翼」でもって昇っていく。
その醍醐味を知ることができた幸いを思います。
図書館は、私にとって大切な、大事な場所(宝庫)です。
夢読みのように、多くの本の中にある物語の世界から学んできました。
ほぼほぼ共感できる作家たちとの出会いにも、感謝します。
夕暮れの光に (高谷さんからお借りしました)
いつもありがとうございます。