風と光と大地の詩

気まぐれ日記と日々のつぶやき

詩(レクィエム1)

2019年06月19日 | 
                   I       

           短い夏の
   一日が暮れて 
   不意に消えた 
   君の姿 
   小さなひとつ星

   君の死を超えて
   否 むしろ
   超え
られないで
   わたしたちは どうやって 

   生きていくのか
   なぜ そこに
   たちどまるよりは むしろ
   歩き続けなければ
   ならないのか
   わたしたちには
   答えるすべがない

   深い闇を前に 

   すくんでいる小鳥たち
   濁流にのまれる
   立枯れの木
   わたしたちの希望の灯は
   消えて久しい                 

                 

     

     Ⅱ 

   つめたい風が 
   頬を打ち 
   あかい夕日が落ちかかると 
   失われた神々の 
   ひそやかな時がはじまる

   夭折した子供らは 
   コスモスの蔭で 
   ふるえている

   蕩尽と壊滅をしか
   もたらさなかった
   不器用なわたしたちに
   もう二度と
   見つからないように
   そっと隠れている

   暮れ残った空に
   真珠色の光が満ち
   さびしい わたしたちが
   もっとさびしくなるように
   かなしい調べが
   静かに流れてくる
   しずかに
   ひそやかに
   空のかなたから