I
短い夏の
一日が暮れて
不意に消えた
君の姿
小さなひとつ星
君の死を超えて
否 むしろ
超えられないで
わたしたちは どうやって
生きていくのか
なぜ そこに
たちどまるよりは むしろ
歩き続けなければ
ならないのか
わたしたちには
答えるすべがない
深い闇を前に
すくんでいる小鳥たち
濁流にのまれる
立枯れの木
わたしたちの希望の灯は
消えて久しい
Ⅱ
つめたい風が
頬を打ち
あかい夕日が落ちかかると
失われた神々の
ひそやかな時がはじまる
夭折した子供らは
コスモスの蔭で
ふるえている
蕩尽と壊滅をしか
もたらさなかった
不器用なわたしたちに
もう二度と
見つからないように
そっと隠れている
暮れ残った空に
真珠色の光が満ち
さびしい わたしたちが
もっとさびしくなるように
かなしい調べが
静かに流れてくる
しずかに
ひそやかに
空のかなたから