泉を聴く

徹底的に、個性にこだわります。銘々の個が、普遍に至ることを信じて。

第45回衆議院選挙

2009-08-31 12:30:18 | エッセイ
 選挙には、行かれましたか?
 僕は20になってから、選挙だけは、欠かさずに参加してきました。
 それでも、自民党に入れたことは一度もない。
 僕らの世代にとっては、目の上のたんこぶ以外の何物でもなかった。
 発言がどれも回りくどく、こちらまで届かない。結局は保身の塊。
 ある女性が、土下座をして「私を助けてください」と国民に頼んでいた。
 なぜ?
 国会議員は国民の代表者。国民の声を聴き入れ、必要に応じて社会の枠組みを変えていくのが仕事なのではないのか。なぜ、議員を国民が助けなくてはならないのか。国民を助けるのが議員の仕事でしょ。国民が議員を助けて、おまけに給料まで支払うなんでばかげている。
 ある男性が、謝りながら、「党を立て直し、国民のためにもがんばる」と言っていた。まず、党ありき。国民なんて二の次、三の次なんだとわかった。党のためではないでしょ。国民のためでしょ。
 ある代表は、おじいに「日本を変えてくれ!」とせがまれ、「一緒に変えていくんですよ」と応えた。私が変えるのではない、あなたたちと共に変えるのだ。一人ひとりの人生の充実のために。希望を育むために。
 僕は、僕だからなのか、やっぱり誰が信頼できるかを選ぶとき、言葉に注目していました。そうだ、と、すとんと心に入るかどうか。約束をしたお題目も大事だけど、ジェラルミンケースで守られた小さな箱に入り、鉛筆を握り、短冊のような白紙の紙を前にしたとき、心に残っていた言葉が決め手になっていました。
 話せば話すほどにぼろが出る。なんて人が日本の代表だなんて恥ずかしくてしかたない。なぜ話すほどに味が出ないのでしょう? イカだって味が出るのに。人間性が豊かではないからだとしか、人間性を大事に育てようとしてこなかったからだとしか、言い様がないです。50年も続けてきた自民党政治。それは右肩上がりの経済成長の時代はそれでよかったのでしょう。働き手もたくさんいて、戦後は何もなくなってハングリー精神だけはありあまっていた。公共事業、新幹線、ビル、高速道路、IT。次々と産まれる産業の拡大に沿った事業を展開すれば、誰も文句は言わなかった。
 しかし、僕が高校を卒業するころにはバブル崩壊。サリン事件にバスジャック、通り魔、引きこもり・・・。失業者は増え、自殺者もまた増えている。社会に対する信頼を持つことの方が難しくなってしまった。毎日のように通勤電車が人身事故によって止まる日々で、GDPがプラスに転じたとか言われても、なんの実感もない。むしろ、やっぱりわかってないなと、失望が膨らむばかり。あなたたちの幸せだった時代とはもう違うんです。僕らは、最初から何も期待なんかしていません。ただ、自分として、生きたいだけなんです。
 民主党の獲得議席の多さは、既存の与党に対する失望、不快、不満、不信の多さだと思う。決して民主党が支持されたわけではないと思う。
 確かに、政権は交代する。でも、ほんとに始まったばかり。
 国民主権。僕ら1人ひとりが、たった一度の人生の主人公。この大原則は、みんなに共通する真実。それでいて、人は1人では生きていけない。姉の赤ちゃんを見ていると、何が自己責任かと、よく思う。おなか空いては泣き、おむつが汚れては泣き、だっこして欲しくて泣き。そもそも、僕がここに生まれたのは、僕の責任なのでしょうか? 僕は望んでこの世に出てきたというのでしょうか? I was born. なのです。
 選挙で投票するのは、まったく自分の人生のためです。後悔したくないのです。不平不満をたらたらと述べたくはないのです。
 やっと自分が投票した人が当選するような時代になった。それは僕の気持ちと社会が接近してきたということなのかもしれない。
 今は、やはりチャンスなのです。限られた時間を、有効に使っていくこと。

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2 コメント

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Unknown (バルーン)
2009-09-01 20:23:03
選挙に行ってきました。
菊田さんと一緒です。20になってから、選挙だけは、欠かさずに参加してきました。
自民党に入れたことは一度もない。
これも一緒!!

今回は、選挙区に投票したい候補がいなかったけれど、どうしても当選させたくない人がいたので、その候補者の阻止のために投票したようなものだった。
それも、自分の主張です。
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否定も (きくた)
2009-09-01 23:54:47
そうですよね。
否定もまた自己主張です。

否定によって産まれた政府が、肯定に変わっていきますように。
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