3月18日、新しく誕生した障害者の生活支援施設の内覧会に参加。身体に麻痺などの機能障害への対応だけでなく、重度化にも対応。知的障害も併せ持つ方への配慮も満載でした。現場の英知が生きた施設はすごい!と感じたので、紹介したいと思います。
肢体不自由児者父母の会から発展した社会福祉法人あいのわ福祉会の「花畑あかしあ園」です。
施設の外側の避難スロープの傾斜は緩やかで、車いすでも安心できます。
1階は、地域交流スペースにもなり、登録して借りることもできます。通常は、カフェになり、通所する障害児者と職員が運営。職業体験・授産事業にもなります。
厨房スペース、カウンターも車いすで利用できる高さ。これぞ「合理的配慮」。みんなに優しいキッチンでした。
災害時の避難施設としても機能も備えており、備蓄倉庫も十分なスペース。二次避難所(福祉避難所)になります。
4階は、比較的軽度の肢体不自由児者が通う施設です。机は麻痺の状況に合わせてフレキシブルに形を組み合わせることができます。ちなみに職員の椅子は、移動しやすいようにキャスター付きでした。
おそらく区内初、23区でも数少ないスヌーズレン室。
スヌーズレン (Snoezelen) とは、重度知的障害者を魅了する感覚刺激空間を用いて彼らにとって最適な余暇やリラクゼーション活動を提供する実践であり、またそのプロセスを通して構築されてきた理念です。スヌーズレンという用語は、オランダ語でスヌッフレン「クンクン匂いを嗅ぐ」、ドゥースレン「うとうとする」という用語を組み合わせた造語で、外界を探索することや心地よくまどろむ状態を示すものです。
光をいれず、リラックスできる専門の部屋が誕生しました。「こういう部屋が強度行動障害の方も、パニックになった方も落ち着けるね」と参加者で語っていました。
もう一つ、現場職員の英知が生きているのがこのリフト。今までトイレに行くときなどは、職員が二人がかりで、車いすに乗せ、車いすからトイレに移動していたそうです。通所者1日に数回トイレに行くので、とても重視したとのこと。通常のリフトは電動ですが、電動だとかえって使いにくいとのことで、手動にこだわったとのことでした。後ろには、座位が保てない方などの場所(実際にはマットも敷く)。
乗り心地を心配しましたが、ゆりかごのようだそうです。ここからレールが鉄道のように天井にあり、ポイント切り替えも行いながら個室のトイレに直接行きます。
障害児者に優しい施設は、誰にでも優しい施設でした。