higher ground

甘いものと政治の話

全てが遅すぎる

2021-08-22 23:26:36 | 政治

「酸素が下がってもうろうとしている生死の境にいる人を家で治療している時にふと見たら都知事が着物着て(オリンピックの)旗降って、やはりすごく愕然とした」

昨日の報道特集(TBS)で、新型コロナウイルスに感染したが入院できず、自宅療養を余儀なくされる中、在宅治療の最前線でたたかう医師が放った言葉。とにかく印象的だった。これがすべてなのだろう。

東京都は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う医療提供体制のひっ迫に対し、臨時医療施設の設置に向け検討をようやく始めたらしいが…

遅くないか?

都がいわゆる「野戦病院」として検討しているのは、オリンピック・パラリンピックで使用した関連施設。パラリンピックは9月5日まで開催されるため、そこから整備をはじめることになるわけで、施設として使用できるのは、いったいいつになるのか…

こんなことは、国内の感染状況をみても、デルタ株が海外で猛威を振るいはじめた4月には、検討しなければいけないことだったはずだ。そしてそもそもオリンピック・パラリンピックの開催の是非を正面から議論し、こういった施設を「野戦病院」として提供するべきだった。

そんなこと誰でもわかる。野党の共産党やれいわ新選組はオリンピックがはじまる以前から、最近では立憲民主党も「選手村」などの「野戦病院」への転用を呼び掛けていた。

都内の自宅療養者は2万人を超えている。

菅首相は「自宅でいる方であっても適切な医療を受けられる体制をつくる」と言った。しかし訪問治療の最前線でたたかう医師は「これは『療養』という名の『放置』」と断罪した(報道特集より)。