どんな理由があろうと暴力に訴えることがあってはならない。
安倍元総理の銃撃事件。
犯行動機が明らかになってきた。山上容疑者は「兄が大病を患い、長年治療に苦しんでいた。母は宗教団体への献金や行事参加にのめり込み、一家は借金苦に喘ぎ、兄はついに自殺をしてしまった」「安倍元総理は世界平和統一家庭連合(旧・統一教会)とのつながりがあり恨んでやった」との供述をしている。
そして今日、統一教会側の会見も行われた。「容疑者の母親は教会員。1ヶ月に1度ほど行事に参加していた」「献金問題については捜査中なので言及しない」「安倍元総理からイベントへのメッセージ提供などがあったが関係はない」とのことだった。
実は、自民党と統一教会とのつながりは根深い。ネット上ではもうすでに動画が出回っているが、自民党複数の議員が統一教会のイベントなどで直接、感謝のあいさつをするなどをしている。
統一教会は近年でも逮捕者をだしており、1987年から2019年まで霊感商法などで1224億円余りの被害をだしている。これだけ問題のある団体へ祝電やメッセージを送っていること自体が異常な関係といっていい。
1968年韓国で生まれた統一教会は、岸信介元総理(安倍元総理の祖父)氏の協力を得て反共産主義政治団体「国際勝共連合」を日本に設立させている。自民党との関係はもうその頃から続いているのだ。
ちなみにこの団体は、反共主義のほかにも、選択的夫婦別姓の阻止、ジェンダーフリーの廃止、緊急事態宣言基本法の制定、集団的自衛権の行使容認、憲法改定を活動方針にしており、まさにいまの自民党の政策そのものだ。
話を少し戻したいと思う。統一教会のイベントでなぜ自民党議員が感謝のあいさつをするか?
それは統一教会が集票マシーンとなっている(いわゆる組織票)からだ。
どんな理由があろうと暴力に訴えることがあってはならない。
しかし、こういった統一教会と自民党との関係は当然ながら報道されるべき内容だ。今日、放送されたワイドショーなどでは、「いろんな団体から祝電やあいさつなどを頼まれるので、事務所はいちいち把握していない」みたいなことを述べるコメンテーターもいたようだが、直接あいさつにいっている自民党議員もいるくらいだ。知らないはずなどないのだ。
マスコミはきちんと自分たちの仕事をするべきだ。マスコミは政府の広報ではないのだから。