2007・3・24 くもりのち雨
平安神宮周辺と烏丸御池・丸田町界隈の老舗
週間予報でも昨夜の天気予報でも雨模様である。起床後、外に出て確認する。どんよりとした曇り空で空気が生温かい。100%雨になると覚悟する。当初予定していた帰りがけに途中下車しての伊吹山(深Q百名山)は無理である。またの機会にしよう。
雨が降り出す前に歩くことにした。
先ずは宿近くの開門前の平安神宮を1番のりで参拝だ。朝早いと大通りも車の流れがなくど真ん中すら歩けてしまう。赤い大鳥居も独り占めだ。
本日1番で応天門をくぐる。
平安の舞台そのままの大極殿。平安京大内裏の正庁を模して造られたものである。どん曇なので写真では鮮やかな色が際立たないが、目にも鮮やかな朱色である。大きくて、ひろ~~い!しばらくは貸しきり状態である。左近の桜、右近の橘も確認する。
美しい庭園である「神苑」は、時間が早すぎてまだ開いてない。
修学旅行のときは大勢の人、人、人、の中で駆け足で巡った記憶があるが、今日は誰にも邪魔されずに味わえた。早起きは三文の徳である。
すぐ近くには京都市美術館がある。大エルミタージュ美術展をやっている。鑑賞したいものであるが、いざ観賞となると半日以上は費やしてしまうことになる。後ろ髪を惹かれる思いであるが、京都の風情をもっと感じていたいので、歩くことを選択する。
観光地でない街を歩いてみよう。京都らしい老舗もあるので訪れてみよう。雨が降り出せばそこで楽しめばいい。
宿に荷物を置いたままの空身での散歩だ。自ずとチェックアウトまでの近場を歩くことになる。自然と足は、青蓮院へ向いていた。ここも拝観時間前であった。
門前のクスノキの大木は親鸞のお手植えといわれ、樹齢800年だ。
華頂殿で腰を下ろしてゆっくり庭を眺め、歩くことができれば、青蓮院はほっこりした気分になれるところであるが、ここもまたの機会である。
知恩院の前を通り、ちょいと路地裏の道にも分け入りながら、時計を見つつ白川沿いを宿へと戻る。
東山はここでさよならだ。
烏丸御池の駅から、上のような街並みが続く道を行く。訪れたのは、
「永楽屋 細辻伊兵衛商店」本店である。京三条町家手拭の伝統の店である。
品のいいモダンな店構えである。(本店)↑ / ↓下の写真は新ブランドのRAAk。
本店の中はこんな感じ。全部オサレ手拭である。創業400年になろうかという永楽屋が明治初期から昭和の始めにかけて作った手ぬぐいの図柄の復刻版である。
京都の年中行事、カフェ、縁起もの、スポーツに興じる舞妓さんシリーズなど斬新な現代のデザインではないかとさえ思わせる。当時の職人さんのセンスのよさが今も光る。
もちろんオサレ手拭はゲットした。
バッグもある。右の写真=昭和6年の舞妓シリーズ。スキーの「よーすべりますなぁ」ボート漕ぎの「おきばりやす!おきばりやす!」というユーモラスなネーミングは、何度聞いても、思わず笑ってしまう。何とも洒落っ気たっぷりのデザインではないか。
卓球に興じる「さあ、一本!」なんていうのもあった。
ギャザーバッグや巾着もある。
店員さんのスカーフのように見えるのも実は、ここの手拭!オサレ!
ここから下の写真は、併設されているギャラリーの中である。小さな博物館、美術館といった感じである。
蔵出しの元版の貴重な手拭である。案内してくれたのは新人の店員のHさん(山も登るアウトドア派で話も弾む)であったが丁寧な説明で あっという間に時間が 経ってしまった。トークにも影響され思わずハンカチも追加でゲットしてしまった。
また来ま~す!
丸田町方面に向かう。
次はお香の老舗「松栄堂」。宝永2年創業、300年の歴史を誇る。伝統の継承を担いつつ、現代的な新しいスタイルの香も提案している。(都合、外の店構えだけで店内の写真はカット。ここは香りだけ楽しませてもらった。)
茶や華に道があるのと同じく、香にも道がある。香道。炷(た)いた香木の香りを嗅ぎ分け、古典の詩歌や故事を想起するというもの。嗅ぐとはいわずに「香を聞く」(もんこう)というのは、そんな情念の世界に遊ぶことから。
京都ではあちこちの店から香の香りが漂ってくる。それはまさに、「京都」という物語の世界に誘うための舞台装置である。
丸田町界隈である。大通りから中へ踏み込むと面白い。タンスや和机だけ扱う専門店が軒を並べている。
その通りを外れたところに、本日のランチのお店がある。
「はふう・本店」である。大きな看板もなくご覧のような店構えである。(通りにある支店の方が看板が大きい)
肉専科とある。オーナーの実家が上質の肉を扱う肉屋ということで、リーズナブルな値段で極上の素材が味わえる知る人ぞ知るの名店である。
はふうは=波風。心地よい波にゆれ、風に吹かれたいものという主の店作りの思いである。
上はランチメニューである。もちろん、極上和牛ステーキを頂く。しかし、お腹をすかせての美味に写真を撮ることも忘れて食してしまった。
夜は、ディナーコースもあり6700円~9450円で極上の味が堪能できる。
本店は飾らないカウンター席のみであるが、目の前で手抜きなしの技を自分の目で確かめて味わえるのだから間違いない。
しかし、この店の名物はなんと言ってもカツサンドである。¥1800!なり。
コース料理よりカツサンドのはふうで通っている!看板メニューですらある。実はこれが1番食べたかった。
すかさずテイクアウトを頼む。蓋をする前に写真を撮らせていただく。
多くの地方で、カツと言えばトンカツを指すが、京都ではたいていビフカツ。無論カツサンドもビフカツ。見よ、この堂々たる厚さを。レアな揚げ具合を。トンカツだとこうはいくまい。
名前はカツサンドだが、絶対サンドイッチではない。別の食べ物である。
美味なる味といい、食感といい京都に来たらまた食べたくなる一品となること請け合いだ。
雨が降り出した頃京都の駅に着く。昼間でムーンライトは走ってないため快速を交えて6本の電車を乗り継いでの旅であった。
少し遅いおやつとして、はふうのカツサンドを車中で食す。美味絶品である!
米原を過ぎた辺りから強い降りとなる。近江長岡付近からはいつもなら真近に見えるはずの伊吹山がざんざん降りの雨の中である。簡単な山だから、またのチャンスを狙おう。
心地よい揺れの中でまどろみながら、今回の3日間のぶらり旅の想い出が胸に刻まれるのであった。
“京都慕情” 遥か昔のヒット曲らしいが、すっと入ってくる曲と詩である。YHでも流れていた。
あの人の姿 懐かしい 黄昏(タソガレ)の 河原町 恋は 恋は 弱い女を どうして 泣かせるの 苦しめないで ああ責めないで 別れのつらさ 知りながら あの人の言葉 想い出す 夕焼の高瀬川 |
遠い日の 愛の残り火が 燃えてる 嵐山 すべて すべてあなたのことが どうして 消せないの 苦しめないで ああ責めないで 別れのつらさ 知りながら 遠い日は 二度と帰らない 夕やみの東山 苦しめないで ああ責めないで 別れのつらさ 知りながら 遠い日は 二度と帰らない 夕やみの桂川 |
旅の日は 二度と帰らない まどろみの夢の中 <完>
カツサンドおいしそうですねぇ~
たまには、豪勢なお弁当もいいかもしれませんね
食べたい
でも、古い建物がある町並みはやっぱり良いですょね
大切にしたい物の一つです
なにせ基本はお金をかけない旅ですから。
最終日だけ1点豪華主義でリッチなランチandカツサンドでした!
はふうのカツサンド、是非ご賞味あれ!
京都や明日香の古い町並みは情緒があって癒されます。みなみさんも歩こうよ!
「京都の恋」に激しく反応してしまいました。
いいえ、なにか楽しい思い出があったわけではありませんけど・・・
大好きな歌です。
またあとでゆっくり見させてもらいますね。
こちらはまだ1年生ですからあれこれ試しながらのブログ記事です。拙いですがよろしくお願い致します。
“京都の恋”とか慕情とかいう言葉そのものがロマンチックですよね!山男はロマンチストが多いのだそうです。
京都の著名な場所の情景と共にせつない女心ですが、男の私が聴いてもいい歌だなと思います。
たけぱぱさんの方へもまたお寄りします。