随思録

日々思うことを記す。

ホリエモンは裁判員制度の試金石となるか?

2006-04-26 22:34:06 | Weblog
堀江被告3億円で保釈決定、東京地検は準抗告 (読売新聞) - goo ニュース

ふと考えたのだがこの堀江の逮捕劇は、2009年の5月に始まるという裁判員制度の大きな欠陥を指摘してくれるのではないだろうか。

この公判に裁判員が出廷するかどうかは未定だろうが、明らかに「社会的な影響が大きい」事件である。となれば、出廷が妥当ということになりはしないか。
そうなってくると、このような社会的な評価が定まることのない事件についても、裁判員は判定を求められる機会が出てくるということだ。

堀江を蛇蝎のごとく忌み嫌う人間もいれば、神仏のように崇める人間もいる。
どちらにも中庸を求めたところで、玉虫色の結論であればいままでと変わらないわけだし、民意が反映したとしても人員の偏りによる一方的な判決となる。
つまり、いいことなど何一つない。
「参加することに意義がある」という、小学生の訓示ような結果は目に見えている。

こういうときこそ、法解釈を漸進させながら、きちんと現状における最善の裁定を下すプロに任せたいと思うのは私だけだろうか。
堀江は下品な飛び上がり者だと侮蔑しているが、正直どんな刑が適当なのかはわからない。この逮捕や保釈が正当なのかどうかも、わかりはしない。
そういうことを考えるたび、自分の知見の狭さを思い知る。
それでも人を裁かなければならないのだろうか。

決まってなかったのかよ!

2006-04-23 22:46:28 | cinema
ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女 - goo 映画
観終わったとき、3時間以上は座っていたと思ったが、そんなにたっていなかった。(実際には140分。)
ひどく上映時間を長く感じる演出だった。
原作に忠実にやっているということなのだろうが、もっとテンポよくやってくれればよかったのに。子どもも飽きるぞ。

展開はもともと童話なので、大して期待していなかった。そのあたりを承知して観れば、つまらない映画ではないだろう。
ただ動物が喋ったりするのはおはなしの中ではとてもメルヘンチックなのだろうが、実際にCGでやってしまうと、最近の技術はすごいと関心はしても、どうも陳腐だ。
なんでアニメにしなかったのだろう。「ロード・オブ・ザ・リング」の成功に触発されたためか。

ちなみに一番驚いたのは、「第2章制作決定」というCMだった。
決まってなかったのかよ!
……個人的には別につくらなくてもかまわないけど。
それが感想です。

ジャイアンツ愛の「愛」は、愛国心の「愛」

2006-04-06 20:01:12 | Weblog

ジャイアンツの原辰徳監督がNumberのインタビューで、誤解の多い「ジャイアンツ愛」について詳細な説明をしていた。

「若い選手に、ジャイアンツ愛なんてわかるのかという人もいます。でも、難しいことを言ってるわけではないんでね。ぼくが若い選手に言うのは、チームがあって自分があるんだということ。自分がやりたいことをやりたいだけやる。そういう考えなら、ほかのチームに行っていただいて結構だ。ジャイアンツにいる以上、チームがあって、自分があるという考えに立ってもらう。多少窮屈と思えるような規制やルールも、ジャイアンツだからこそと考えれば受け入れられると思う。逆にそれが理不尽と感じられるようなら、チームにいる必要はない」

 「ジャイアンツのユニフォームを着ていることの誇り、先輩たちが作り上げてきた伝統への感謝。オレはそれを感じてプレーしたし、先輩もそうだった。だから、キミたちもそのことを感じてくれと。そのあたりは、最初に話したことですね」(Number650号 別冊付録より)

さすが原監督、いいこと言ってる。
これは「愛社精神」などのときに用いられる「愛」だろう。
そして感じたのは「ジャイアンツ」=「日本」、「チーム」=「国」と言葉を換えれば、そのまま「愛国心」についての説明になるということだった。
いささか単純化している上、こんなことの引き合いに出されるのは原監督には不本意かもしれないが、これほど簡潔な説明もないだろう。

世界は広大で、無法である。そこで生きていくためには、頼りになる仲間や組織が必要だ。現時点では、もっとも大きい「チーム」が「国」である。
愛国心とは一体なんのなのか。学習指導要領にも盛り込まれ、一部迷走する議論もあるようだが、根はこの感覚ではないだろうか。


「緊急結婚特番」を観る

2006-04-04 02:32:29 | Weblog
そろそろ風呂入って寝ないとなー、と思いつつもテレビのチャンネルを切り替えながら眺めていたら、スピードワゴンの小沢と小野真弓が記者会見をやっていた。妙につくりものっぽい印象の記者会見だと不思議に思って切り替えるのをやめた。
記者会見が終わると、場面は一ヶ月前のスピードワゴンの控え室に戻っていた。そこで相方の井戸田に結婚を報告する。井戸田の驚きようったらなかった。それから密着取材のかたちで、カメラが結婚式当日までの二人の様子を追いかけていく。

もしかすると、これは芸能人同士に結婚の準備をさせ、その成り行きを見守るという新手のバラエティなのかなと考え、観始める。小沢は注目する芸人のひとりだ。「甘い」のを聞かせてくれるのだろうか。
それが、だんだん「これはノンフィクションなのではないか」という気持ちに変わっていった。
二人の表情が自然で、とくにいさかいを起こしたときの意識のズレを非常にリアルに感じたからだ。

引き出物の打ち合わせを二人で行う最中、小沢の態度に、小野の眼が怒る。この怒り、演技には見えない。また、結婚に不安を感じる小野がそれを訴え、その小野に対して小沢が「うまく伝えられないけど、気持ちは同じなんだ」と言い、小野が小沢の手をつかんで、すがりつく。この小野が小沢を信じる態度は、やはり演技には見えない。
ほかにも「らしい」雰囲気のシーンがずっと続く。小沢が衣装合わせで照れたり、小野が式場にほれこんだり。
また、挙式で感極まって二人とも涙するシーンは、むしろ情熱的に結婚に至った結果なのだろうかと推察した。

疑問点は多々あった。しかし、自分で考察して解消していってしまう。噂にならないのはおかしいが、式場選びや、ドレス選びなどは、逆にカメラがついていたほうがいいのではないかと想像してみたり、「結婚したら……」という言葉をやたら繰り返し使用するが、これも短期間の交際で結婚に至ったからなのではないかと結論づけたり。
観ながら今日の新聞のワイドショーの欄を確認してしまった。
芸能人の式を中継するって番組はあったが、挙式までの経過を撮影するってまだどこもやっていないよなあなどと感心し、この無茶な企画を立てた人間を末恐ろしく感じた。

カットの声がかかった瞬間、すごいものを見たって気分と、無駄な時間を過ごしたという徒労感が襲ってきた。
「ほぼフィクション」だそうな。
小野の演技力をなめていた……
実は、キスシーンが小沢の肩で隠れていたり、きちんと映さないので、不審には感じていたのだ。(2カットあったが、どちらのアングルも口をつけないキスシーンのものだった)
でも8割信じてしまった。

小野の天真爛漫な魅力は、すごい。
これだまされた人どれくらいいるんだろう。