随思録

日々思うことを記す。

7/11 バーリ(アルベロベッロ)

2011-10-24 03:29:14 | italia

朝8時半、バーリ着。
バーリに来た目的であるアルベロベッロの情報を集めるために、バーリ駅前にあるツーリスト・インフォメーションへ向かうが、まだ開いていなかった。
周囲を見渡すとベンチがあったので、座ってパパンにもらったお菓子(ウェハース)と水をとりつつ、9時のOPENを待つ。

まずツーリスト・インフォメーションで聞いたのはバーリYH「La Nuova Arca」について。
YHリストには4番バス利用とあるので確認したら、間違いないとのこと。
ついでにバス停の名前をたずねたら、デスクの女性に逆ギレされる。
「そんなの知らない。だってバス停はいっぱいありすぎる。なんで名前を知ってなくちゃいけないの!」
これだからイタリアは……
本題であるアルベロベッロ行きの列車の時刻を教えてもらい、ツーリスト・インフォメーションを出る。

バーリ駅から大通りまで歩いて、4番バスに乗る。
運転手にここで降りたいと「La Nuova Arca」の名前を示していたら、そばにいた妙にテンションの高いオッサンが話しかけてきた。
ドイツ人だというそのオッサンは、私がgiapponeseだときくと、日本語で挨拶を教えてくれなど、興味津々な様子。
近くの老夫婦なども絡んできて、なごやかに会話していたが、オッサンのテンションがMAXになってしまい、映画シーンの再現を始めたり、ペンライトを取り出して渡そうとしてきたりしたので、笑顔のまま微妙に距離を取る。
すると横の座席に座っていた女性が、「Next Stop」と声をかけてくれた。

バスが停車し、運転手が前扉を開けてくれる。
礼を言って降り、そのまま道にそって歩き出すと、車内から「ジャーマニー!」と呼ばれる。
中年の女性が、反対方向を指で示してくれていた。
手を挙げて応える。
南イタリアはほとんど英語通じないけど、情があるなあ。
おれドイツ人じゃないけど。

バス停から駅方向へ少し戻る。
信号があり、このあたりのはず……と周囲を見渡していたら、通りの向こうでお年寄りが手招きしている。
渡っていくと、指でひょい、と一本の道の奥を指した。
教えられたとおり行ってみると、人工芝で整備されたグラウンドがあった。
どうやらこれは、フットサル・コートのようだ。
4~5面はある。

フットサル・コートを迂回し、さらに奥へ進むと、突き当りに近代的な建物が。
おそらく日本で言う青少年会館のような施設で、宿泊も可能、ということなのだろう。
宿泊施設の入り口がわからず、うろついていたら、職員らしき中年男性が教えてくれた。

予想に反して、着いた11時の時点で、チェック・インが可能だった。
初めてYH会員証を提示。
部屋と施設の鍵を渡される(夜間不在のようだ)。
部屋に行ってみると、ルームクリーニングが終わっていない。
普通はこの時間帯、入室禁止なのだ。
ゆるいなー、と苦笑したが、渡りに舟、と勝手にシャワーを浴びさせてもらう。

シャワー後に着替えているとき、そんなに汗が出ないことに気づく。
冷房の名残があり、壁を見ると、エアコンがあった。
普通YHで冷房が効いているのはロビーのみ。
加えて4人部屋だが、ベッドも2段ベッドではなく、普通のシングルベッドだ。
実は大当たりかもしれない……バーリYH。

外へ出ると12時。
暑さのなか今度は駅へ戻る。
バス停のそばのタバッキで切符を買い、ひたすらバスを待つ。
30分ほど待ち、バーリ駅へ。
……この駅への移動時間がバーリでのネックになってくる予感。

バーリ駅でアルベロベッロ行きの切符を買おうと窓口に行ったら、「下りて先」と言われる。
地下道の先にある10番線は私鉄で、ホームにある窓口で切符を買う必要があった。
改めて地下道を抜けて10番線ホームへ行き、往復の切符を買う。

次の列車は13:45。
小1時間あるので、手持ちの現金が減ってきたし、駅前にある銀行でTCを現金化することに。
しかし、2軒ある銀行の1軒は断られ、1軒は発行元の証明書を求められ、現金化できなかった。
TC、イタリアでは本当に使いものにならない。
昼食をとる時間がなくなり、私鉄のホームに戻り、残っていたソイジョイと売店で買ったゼロコーラで腹ごしらえ。


列車に揺られ、1時間半ほどでアルベロベッロ駅へ。
以前、世界遺産に住む人々を紹介したノンフィクション番組を観て以来、いつか訪れたいと願っていた。


アルベロベッロ駅から長い坂(ヴィットリオ・エマヌエーレ大通り)を上り、トゥルッリのある歴史地区へ。
ここで悪癖が暴発。
案内表示やガイドブックをろくに確認せず、メインストリートの1本隣の坂から歴史地区(リオーネ・モンティ地区)に入ってしまい、なにか違うなあと高台を1時間近く彷徨う。
結局元の場所に戻ったら、そのすぐ近くが思い描いていたアルベロベッロだった。



トゥルッリ、かわいいです……
いつまでも眺めていたいところ。
ただいまはもう完全に観光地となり、土産物屋が並んでいるので、立ち止まっていると店員の視線が気になる。
以前テレビで観たときは、もっと閑静な印象だったのだが。
日本の白川郷と同じような経緯を経ているのかもしれない。


ところでこのアルベロベッロ、妙に日本語の表示が多い。
駅前からしてそうだし……日本人が好んで訪れているのだろうか。
(※ちなみに「トゥルッロ」となっているのは単数形だから。)


極めつけはこのお店。
なんと日本人の「陽子さん」か経営していた。


屋上へ上がらせてくれるというので、見せてもらう。
(日本人向けの商法とわかってはいるが)礼を兼ねて、食料品を実家向けの土産として購入。
試食したトマトペーストやトリュフペースト(ペーストばっかりかい)はとてもおいしかったし。
加えて、緩衝材を使った丁寧な梱包は日本人ならでは。
また、特筆すべきは、この「陽子の店」は私がイタリアで唯一TCで買い物ができた店だったことだろう。

会計しているとき、一組のカップルが店に入ってきた。
なんと、お二人は世界一周旅行をしており、いま半年たち、あと1年かけて旅をするのだという。
(このお二人とは、後ほどバールで顔を合わせたり、駅のホームで会ったりする。)


店を出て、そろそろ頃合いなので、駅方面へ歩く。
17:36の列車でバーリに向かえば、食事をしたあと明るいうちにYHへ着けるだろう。
すると日本人のツアーらしき中年女性のグループが、こちらへ向かってきた。
どうやら撮影スポットがあったようで、彼女たちがいた場所に上ってみると、ここがガイドブックにあった「ポポロ広場の先の教会のテラス」らしい。
最後にトゥルッリ群を一望できたし、よかった。

駅に行くと、時刻表で確認してあった、17:36の列車が待っていなかった。
先ほどのカップルがいらっしゃって、駅員から聞いたところ、7月・8月は運行していないそうだと教えてくれた。
イタリアの夏期スケジュールは曲者だな……
次の列車は18:26。
1時間はあるし、ここはいつもの宿の予約だ。

バーリのあとは、ナポリ経由でローマに戻ろうと考えていた。
ナポリの宿を取ろう。
駅前の公衆電話からガイドブック片手に電話したところ、安いホテルに空きがあった。
予約のため名前を告げようとした瞬間、度数がなくなり電話が切れる……

新しいテレホンカードを買わなくてはならない。
まず目の前にある駅前のバールへ(雑貨屋を兼ねているバールもある)。
扱っていないとのこと。
ここでカップルと再び遭遇(ここで時間を潰すつもりのようだ)。

ここからが大変だった。
界隈全てのタバッキや商店をたらい回しにされる。
「うちにはない。あそこならある」
「うちにあるわけないだろ。あそこへ行けよ」
タバッキ、くじ屋、バール、スーパーマーケット、携帯電話ショップ、本屋、電器屋……

とくに3軒目に寄ったバールは親切にしてくれた。
疲れ果て、諦めようと坂を下っていたら、おかみさんと従業員が店の前で輪になってタバコを吸っていた。
私を見ると「あったか?」、ないと答えたらスタッフで相談。
「あそこのガス・ステーションならあるんじゃないの?」と道を教えてくれる。
私が道を間違えそうになったら、わざわざ従業員の1人が駆け下ってきて、そっちじゃないよ、と教えてくれる。

しかしながら……ガソリンスタンドにもテレホンカードはなく、アルベロベッロには1枚もテレホンカードが売っていないことが証明できただけだった。
申し訳ないが、おかみさんたちに見つからないよう、頭を低くしてそっと駅へ歩く。
それにしても、いま何時なのだろう。
携帯電話の電池は切れっぱなしなのだ。

駅に着くと、時計は18:28。
あのカップルの姿はない。
時刻表を再確認すると18:26……しまった、逃したか。
次は最終列車の20時台だ……肝を冷やしたら、2人が出てきて「来ないからどうしたのかと思いましたよ」と言われる。

列車は10分ほど遅れて到着。
一緒にバーリまで戻ることにし、改めて自己紹介。
お二人はご夫婦(よしたけさんとさちこさん)。
なんと旦那さんはwebデザイナーで、ノートPC経由で仕事を続けながら旅をしているのだという。
たしかに、いまはどこの宿泊施設も、無料の無線LANが設置されてインターネットは使い放題だし、そういう旅もあるんだなあ。

旅の話で盛り上がるうちにいつのまにかバーリ駅着。
夕食をともにすることになり、駅近くのリストランテへ。
(その前にタバッキでテレカを入手したものの、ホテルにつながらず、結局さちこさんの国際通話可能な携帯電話を借り、ナポリYHに電話させてもらった。)

リストランテでは、給仕がかなり上から目線でイタリア式の注文法を伝えてくるが、敢えて無視してサラダ、ピザ、リゾットを1つずつ注文し3人でシェア。
ビールも飲んだが計29ユーロですみ、お得な夕食となった(味は普通)。
お2人は食事後、なんとバス停まで送ってくださった。
街が変わり、初めての夜だったので、とても心強かった。
お2人はこのあと、夜行でカターニアに向かうとのこと。

*

4番バスでバーリYHに着く。
(このバスの運転手はとても親切な人で、降り際に全身を使ってYHの方向を伝えてくれた。)
フットサルコートは夜間も営業しているようで、煌々と照明が人工芝を照らしていた。
何組かがゲームをやっている。
しばらくボールを蹴っていないので、混じりたい気分。
子どもの声援も聞こえるので、子連れの人もいるのかもしれない。

フットサルコートを迂回し、再び奥の施設へ。
YHの鍵を使い中へ入ると、もちろんレセプションは無人だが、人の気配自体がない。
部屋に入ると、やはり4人部屋にも関わらず、誰も来ていない。
夏のせいか、YHのせいか、人気がないのかもしれない。
部屋はきれいなのにもったいない……と思ったら、シャワールームの電気がつかない。
扉を開けっぱなしで浴びたが、1人じゃなきゃどうすりゃよかったんだろう。

シャワーを浴びたせいか喉が乾き、手持ちのミネラルウォーターを飲む。
飲み干したが、なんだかまだ水分補給が足りない感じ。
部屋を出て自販機を探す。
YHなら大抵は置いてあるのだが……見つからない。
誰ともすれ違わないし、話し声も聞こえない。
まさか……宿泊者は私1人?

仕方ないので部屋に帰ってベッドに入る。
そうだ冷房をつけよう……とリモコンやスイッチの類を探すが、見つからない。
え、どういうこと?
別料金なの?
確認しようにもレセプションが無人。
リモコンをなくしてエアコンを買い換えた先輩の話を思い出す。

ともかく寝よう、と照明を消すが、汗が止まらない。
喉の渇きもおさまらない。
起き上がって、開けてある窓の外を眺める。
フットサル場はまだ営業している。
……フットサル場なら、水くらい売っているのでは?
23時を回っていたが、外へ出ることを決心。

Tシャツ、短パン、ビーサンの軽装で表へ。
まずYHの周辺で自販機を探してみる。
誰もいないし、なにもない。

フットサル場の入り口は、バス停から歩いてすぐの辺りにあったはず。
こちらからは入れないので、やはりフットサルコートを迂回していく必要がある。
照明が消えないうちに行こう。
ゲームをしているコートがあるようだ。
まだ子どもの声もするし、比較的安全と判断。

道路では一度車両とすれ違うが、ほかにはなにも起こらず。
(施設は行き止まりにあるので、宿泊客か?)
5分ほど歩いて、入り口にたどり着く。

すると目の前に自販機が……しかしそれはチケットの自販機。
しばし呆然としていたら、横の扉から老人が出てきた。
とっさに伊語で、すみません、水がほしいんですが、と話しかけると、早口でなにか返されるが、扉を指したのでそこに入ってみる。
するとそこは付設のバールだった。

店員らしき若者がレジの紙幣を数えていたので、営業時間外なのかもしれない。
ショーケースにミネラルウォーターがあったので手に取り、隣にビールまで冷えていたのでこれも2本つかむ。
老人を見ると頷いたので、3本購入。
足取りも軽くYHへ戻った。

この暑さにビールはありがたい。
ミラノといい、最近、ビールのためなら夜の外出も厭わなくなっている。
ビールのためなら命がけ。
本当です嘘です本当です。

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おきらくご夫婦のこと

さて、バーリで食事をご一緒したよしたけ&さちこご夫婦。
ゆったりと構えた旦那様と、反射神経のよさそうな奥様がとてもいいコンビで、楽しそうに旅をしているのが印象的でした。
お2人はこのときアジア各国を巡り、トルコ、ギリシアを経てイタリアに入国されたばかり。
カターニアに行かれたあとも、元気に旅を続けていらっしゃいます。
その詳細をBlogで発表なさっていますので、興味を持たれた方はご覧になってみてください。


おきらく夫婦のネットで稼ぎながら世界一周!

7/10 ミラノ→バーリ(ICN:夜行列車で移動)

2011-10-20 15:46:50 | italia
朝食・支度を済ませ、YHから歩いて行けるという、サン・シーロを目指す。
ACミランと、長友のいるインテル・ミラノがホームにしているサッカースタジアムだ。
いまは夏季で試合はないが、外から眺めてみようかと。

レセプションで聞くと20分ほどで着くらしいが、ザックを背負っての移動は、暑くて、朝からかなりの汗をかいた。
途中表示がわかりにくく、判断を迷ったが、おそらく同じくサン・シーロへ向かう旅行者が何組かいたので、跡をついていく。
すると競馬場が。
すぐ横にいた父子がと目が合い、「Horse race」と坊やのほうから声をかけてきた(小学校低学年くらいか)。
父親が言うには、もう少し奥にサッカースタジアムはあるようだ。

2人はイングランドから来たそうなので、私はプレミアリーグをTVで観ていることを伝えた。
アーセナルファンだと言うと、息子さんはマンU、お父さんはリバプールファンだとのこと。
息子さんはバルサも好きと言っていたが、チームスタイル全然違うぞ。
強いところが好きなのは、男の子の常なのか。


スタジアム前で記念撮影(父子のショットも撮ってあげた)。
私は最寄の(といっても結構あるが)Lotto駅へ。
2人はスタジアムを見学するらしく、そこで別れた。
(※この時点では知らなかったが、サン・シーロは試合のない日、スタジアム・ツアーをやっているそうだ……行けばよかった……)

実はファマルたちとの会話のなかで、ミラノに行くなら、湖に行くといい、と言われていた。
ファマルはやはり自然の景観が好きらしく、ベルガモからバスで1時間ほどかけて「La Primula Menaggio」というところに行ったという。
写真を見せてくれたので、地名をメモしてもらった。
タヴァによるメモ書きによれば「Lake Como」とあるので、これはコモ湖のことではないか。
そこで午後はコモ湖を観てみることにする。

いま、ミラノのツーリスト・インフォメーションは移転しており、昨日ドゥオモ周辺を散策したときに、ガイドブックの位置にはなかった。
そこでミラノYHで場所を再確認したところ、地下鉄Cairoli Castello駅のそば(スフォルツァ城の前)に移転しているとのこと(2011年7月現在)。
Lotto駅からCairoli Castello駅に移動。
ところが駅近辺に、それらしき建物は見つからない。


仕方ないのでスフォルツァ城の案内所に行ってみるが、観光案内はやっていない模様。
かわりにスフォルツァ城からツーリスト・インフォメーションへの行き方を教えてくれた。
しかしどうも見当たらない(写真はスフォルツァ城門前の噴水)。

ザックのせいで、暑い。
いったんザックを預けにミラノ中央駅に地下鉄で向かうことにする。
(昨日移動前に24時間券を買っておいたので、正午までは乗り放題。)

ミラノ中央駅で荷物を預けたあと、駅にもツーリスト・インフォメーションの出張所があるようなので、行ってみる。
ファマルのメモ書きを見せると、トリノに行ってそこで改めて聞け、との返答。
ファマルの言っていた場所と違うような気がする。
この人の言っていることが本当かわからないので、やはり正真正銘のツーリスト・インフォメーションを探すしかない。


もう一度Cairoli Castello駅前の交差点まで行き、最寄りのタバッキで水を買ってたずねると、城を出てすぐ右にあると言われる。
何度も通ったあたりだが、もう一度行ってみると、城の前の広場の手前にあるビルの1階に、黄色で「Information」の表示が。
仮設なのか、通常の表示色と異なっており、見落としていた。
一見普通の店だ。
わかりづらい(↓このあたり)。
http://maps.google.co.jp/maps?q=milano+ufficio+turistico&hl=ja&ll=45.468921,9.181306&spn=0.001232,0.00327&view=map&cid=16267172051574619534&brcurrent=3,0x0:0x0,1&t=h&vpsrc=6&z=19

入ってデスクにファマルのメモを見せると、列車で1時間ほどだという。
Milano Cadorna駅から、Como Lago Nord駅。
Milano Cadorna駅はスフォルツァ城から歩いて5分ほどの場所にある。
現在、時刻は12:50。
列車はだいたい30分に1本の間隔で、次は13:40。
コモ湖の観光パンフレット(時刻表つき)をもらい、Milano Cadorna駅へ向かう。

まずは切符を購入。
パンフレットの時刻表を示すと、早口のイタリア語でまくし立てられる。
英語はできないようなので、「切符はここで買えるのか?」と伊語で確認したら、買える、と往復券を発券された。

Milano Cadorna駅は構内に店舗が併設されており、ファストフード形式のピザ屋があった。
3点セットで7~8ユーロという感じ。
マルゲリータ、サラダ、ゼロコーラを頼み、素早く食べ終わる。
味は推して知るべし。


Regionale(普通列車)に乗り、Como Lago Nord駅へ。
着いてみると、たしかに湖がある。
ただファマルに見せてもらった写真と違うような気もする。
あの写真はどこの写真だったのだろう。
スイスとの国境近くだと言っていたが……



せっかく来たので湖畔を散策。
レンタルボートの店や、カフェなどがあり、地元民の観光名所、という印象。
芝生にビニールシートを敷き、水着で寝そべる人たちも。
アウグストゥスが別荘を持っていたという逸話もあるし、古代は風光明媚な土地だったのだろう。
その名残は感じられた。

ケーブルカーで山の中腹まで登れるとガイドブックにあるので行ってみると、乗り場は閉鎖されている。
ツーリスト・インフォメーションでたずねると、7月・8月はやっていないらしい(確認するとガイドブックにも記述あり)。
なぜ書き入れ時に休みなのか、理解に苦しむ。

ざっと観光して1時間弱。
時刻表によれば、そろそろMilano Cadorna行きの列車が来る。
ミラノに帰ろうと駅まで戻ったら、その時刻の運行がない。
どういうことなのだろう。
休日ダイヤか。
おそらく切符を買ったとき、売り場の人が伝えたかったのはこのことだったのだろう。
待合室で時間を潰す。


17時半、コモ湖からミラノに戻る。
ドゥオモ内部の見学ののち、屋上に上ることにする。

ドゥオモ内部は“聖堂の完成形”といったところ。
すごい。
なぜなら人間の手で造られたからだ。。
このころはまだクレーンもトラックもないはず。
ただ比較的完成が新しい(ナポレオンのころ)ので、いまひとつ好みではない。
また、綺麗すぎて、FFなどのRPGで登場する3DCGのように感じ、自分の目の危うさも悟る。

ちなみに内部ではミサが行われている上、撮影禁止なのだが、みんなお構いなしにフラッシュ。
ミサの様子を撮影している人もいた。
信仰心と撮影はまた別なのか。



屋上も個人的にはいまひとつ。
装飾の多重構造が確かめられたのはよかったが。

時間が余ったので、最終日のローマの宿も押さえてしまうことにする。
最後はひとりでのんびりしよう。
ローマで初めて自力で予約したYWCA DOGに電話すると、シングルが空いているとのこと。
50ユーロなら許容範囲。
最後の宿が確定。


まだ列車の時間まで随分あるので、スーパーマーケットを見たり、散策したりして過ごす。
リストランテでミラノ風リゾットなるものを見つけ(9ユーロ)、気になって食べてみたが、ただのチーズリゾットで残念だった。
食事後、ミラノ中央駅で荷物を引き出したあと、構内でICNを待つ。

*

2等の寝台車は側方に通路のあるコンパートメント式で、コンパートメント内は座席2つに、天井近くの寝台2つ、さらに座席の背もたれをスライドさせて2つの合計6つ(3段)の簡易寝台となる仕様だった。
最初誰も来ないから座席でのんびりしていたら、フランス人とおぼしき男性がやってきて英語で「君予約してる?」と驚いていた。
5人家族で予約したが、寝る場所が4つしかないと思ったようなのだ。
続いてママンと3兄弟(高校生、中学生、小学校低学年?)がやってきた。
長男と背もたれを動かして寝台をつくる。
一家はコンパートメント内に、スーツケースをどんどん運びこむ。
かなりの荷物だ、足の踏み場もなくなる。
パパンと話してみると、同じくバーリに向かうと判明。

寝るのはどこがいい、と聞かれたので「anywhere」と答えたら、一番上で寝てほしい、とのこと。
パパンとママンが一番下、2段目に弟たち、3段目に長男と私が寝ることに。
もちろん寝間着に着替えず、そのまま横になる。

まだ眠れそうになかったので、寝そべって通路越し、車窓から見える夜景を観ていたら、次男が「あなたはあそこへ行きたいの? 行きたいなら僕も行くよ」と通路を示す。
下りて行って、二人で流れていく夜の車窓を眺める。
開け放たれていたので、夏の夜風がすごい勢いで入ってきて、心地いい。

20分もそうしてぼんやりしたろうか。
ママンと末っ子はすでに目を閉じていた。
窓が開けっ放しだと車輪の音がうるさくて、寝付けないかもしれないと感じ、次男に「enough?(十分?)」と声をかけた。
これは用法として間違っていたようで、次男は理解できなかったようだが、私の意をくんだらしいパパンがそろそろ寝ろ、と次男に説教。
パパンが窓を閉め、私たちは寝台へ戻った。

隣の寝台では、長男がノートPCを開いて、どうやらメールチェックをしているようだった。
耳栓をし、念のためベルトを寝台の金具につなぐ。
目を閉じる。
眠るつもりはなく、体を休めるだけのつもりが、断続的に4時間ほどは睡眠をとっていたようだ。

ICNに乗ってから知ったのだが、この列車は驚いたことに途中で停車し、人を乗降させている。
しかもバーリ止まりではなく、さらにその先まで進むようだ。
寝過ごしたらたいへんだ。
そう感じて目を覚ますたび携帯をチェックしていたら、携帯の電池が切れた。
時間を知るすべがなくなる。
パパンたちが同じ到着駅でよかったー

翌朝、パパンたちとバーリ駅へ降り立つ。
するとお腹空いてないか、水はあるのか、とお菓子とミネラルウォーターをくれて、本当にいいご一家だった。

ホームで別れ、ツーリスト・インフォメーションを探す。

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本日のトピック

・朝、枕元に手紙が
寝汗がすごかったので、朝シャワーを浴びたのだが、その間にKORIAN GUYからのメッセージカードが置かれていた。
日本人のメル友がほしいので、よければメールしてくださいとメルアドが……
もちろん英語のメッセージ。

・通りでイタリア人に「ニイハオ!」と挨拶される
昨日は昨日で中国人に話しかけられた。
フィレンツェから髭を剃っていないからかも。

・ついにミサンガ売りに引っかかる
夕刻、地下鉄に乗るためドゥオモ駅に向かっていたら、若い黒人にドゥオモ駅そばの交差点で「アフリカン?」と声をかけられた。
今度はアフリカンかよ……「No」と答えると、拳を突き出してきたので、合わせてたら去っていった。
信号を渡り、駅への階段を降りようとしたら、そいつが階段の前で待ち構えていた。
「どこから来た? おれはセネガルだ」と握手のために手を差し出してきたので、握り返すと、すごい力だ……しかも離してくれない。
「日本」
「日本? ナカタ、ナカムラ、ナガトモ……みんないい選手だな。そういや昔、ワールドカップ、日本で戦ったな」
「おー、セネガル、覚えてるよ!」
しまった……盛り上がってしまった。
「じゃあ、おれたちは友達だ。これは友達への贈り物だ」
右手が引っ張られ、ミサンガが巻かれる。
「なあ友達……アフリカのために寄付してくれないか?」
うまい。
これは相手が一枚上手だ。
お前が全部使うんだろう、とは言えない。
ままいいや。
小銭入れを引っ張り出して、示す。
それを全部やるよ、という感じで逆さにして中身を右手に空けると、1ユーロ10セントしか入っていなかった。
小銭を突き出すと「サー、紙がほしい。両替できるよ」と言って、ポケットから札を取り出した。
しかし「No」と強く言い返すと、「オッケー」と受け取り、「これはお前のファミリーのためにもう1本だ」とミサンガを巻いてきた。
「じゃあな友達」という感じで別れたが、気の弱い人なら紙幣を払っていたかもしれない。
意外と悪質だ。
ミサンガはそのままドゥオモ駅のゴミ箱へ。
短い友情でした。

7/9 ヴェネツィア→ミラノ

2011-10-04 13:29:19 | italia
今日はASでミラノへ。
朝、7時起きで8時にはサンタ・ルチア駅へ。
駅のバール(セルフ式)でクロワッサンとカプチーノ。
ついでにクリームドーナツも買ったが、おやつにとっておく(昼食がいつになるかわからないし)。
車内でおやつ。


列車は予定より30分ほど遅れ、11時50分ミラノ中央駅着。
中央駅は立派で、思わず撮影。

ミラノは1泊、と決めていた。
(あまり見所がないらしい……ミンちゃん情報が主だが。)
また、ミラノでは結局、ミラノYHに宿泊することにした。
(バーリYHのついでに問い合わせてみたら、ベッドは余っているので予約不要だそうな。)

ミラノYHの受付は15時半まで開かず、荷物も預かってもらえないとYHリストの解説にあるので、駅の預かり所に荷物を預ける。
続いてICNの切符を買いに窓口へ。
6人乗りの寝台車(2等)が1席空いていたので、予約してもらう。
23時発なので待合室について確認する。
窓口も店もすでに閉まっている時間だからだ。
待合室はないが、22時ごろには列車は準備できるし、駅は明るいので問題ないとの返答。

そうこうするうちに13時を過ぎる。
まず「最後の晩餐」を予約しなければならない。
直接行って予約できるかどうかはわからないが、ともかくサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会(以下SMDG)に行ってみよう。
午後の開場は15時からのようなので、それまで観光が可能だ。


まずドゥオモを観よう、と地下鉄でドゥオモ駅へ移動。
階段を上がると目の前がドゥオモで、その美しさに興奮していたら、いきなり妙な男が近づき手を差し出してきた。
反射的に受け取ってはいけない、と感じ、No! No! Don't touch! と大声で言いながら移動。
どうやら鳩のエサを渡そうとしているようだ(受け取ったら金銭を要求される)。

せっかく高揚した気分が台無し。
ドゥオモ前の広場を見渡すと、ミサンガ売りも複数いて、いつやってくるか気になって落ち着かない。
ドゥオモ前からは早々に退散することにして、隣接するV.エマヌエーレ2世のガッレリアへ。


このあたりは150年前の街並みをそのまま利用しているそうだ。
高級店(プラダ等)が並んでいる中に、マックがあるのはご愛嬌。
ドゥオモ周辺には、さまざまな洋服の店や、リストランテなどがあり、日本でたとえるなら銀座のような感じ。
デパートもある。
観光客と買い物客が入り混じっている。
いったん地下鉄ドゥオモ駅のほうへ戻り、セルフ式の店が並ぶ一角(ロッテリアやキングバーガーもあった)で、サンドイッチとアメリカーノをスタンドで食べる。
探索途中にうまそうな店があったが、お値段もそれなりだったので。


そろそろ15時なので、SMDG向かう。
ガイドブックの地図を頼りに、人が集まるほうへ歩く。
すると、城のように大きな建造物が。
こんなに大きいの? SMDGって……と思ったら、城でした。



スフォルツァ城。
スフォルツァ家の城だ。
いきなりテンション上昇。
城を見ると血が騒ぐタチなのだ。

名残おしいが、ダ・ヴィンチの傑作も重要。
どうやら道を間違えてしまったようだ。
通りの名前を頼りに進むと、SMDGの標識が。


それほど大きくない教会が見える。
ガイドブックによれば、その脇の建物が「最後の晩餐」の受付だという。
確かに「Cenacolo Vinciano」と看板が。

入って受付に予約したいと英語で聞くと、電話番号の書かれた紙を渡された。
「Non posso prenotare?」(予約できないの?)とイタリア語で重ねて問うと、しつこいやつだ、と思われたのか、1人か、と聞かれる。
Siと答えると、17:15に来られるか、という。
Si,va bene.と返事をしたら、発券してくれた。
1人だと滑り込みやすいのかもしれない。

17:15は約1時間後。
1回25人、15分の見学。
教会のほうを見学したり、コンデジの写真を整理したりして時間を潰し、ようやくご対面。

「最後の晩餐」は三重隔壁で、外気にさらされないようになっていた。
修道院の一室で背後の扉が閉まると、次の扉が開く。
長方形の部屋(食堂)の短い一辺に、「最後の晩餐」が描かれていた。

観るまで、「汝らの一人、我を売らん」とキリストが弟子の裏切りの予告をした直後の場面とは知らなかった。
(ヨハネによる福音書13章のエピソードは知っていたが、その場面だとは知らなかった……不覚。)

推測するに、ダ・ヴィンチのことなので、遠近法など斬新な手法を駆使し、美術史的には着目すべき点がいろいろあるのだろう。
が、そこはわからない。
ただ、描かれた人間の躍動感や、構図の斬新さに心を奪われる。
キリストの「だってそうなんだもん」といった表情や、気色ばむフィリポとトマス、それをなだめるヤコブなど、その瞬間の空気が伝わってくる。
ユダの顔はよく見えないが、ペトロをいさめるふりをして、平静を保っているようにも見れる。

大満足で、あとは充実感とともにミラノYHへ向かうつもりが、所持金が20ユーロしか残っていないことに気づく。
このまま順調に終わるわけがないと思っていたが……20ユーロでは、YHの精算すら危うい金額だ。
ドゥオモ駅から地下鉄でミラノ中央駅まで戻る。
たしか構内にATMがあったので、国際キャッシュカードを使い下ろすつもりが、なんと18時で終了していた。


仕方ないのでミラノ中央駅を出て、駅前で銀行を探す。
中央駅周辺はオフィス街のせいか、土曜に人気はない。
(ドゥオモ周辺が銀座なら、中央駅周辺は日本橋みたいだ。)
その反面、駅前にはホームレスとおぼしき連中がたむろしている。
……ちょっと怖いぞ。
その脇を抜け、駅からまっすぐ伸びているメインストリートへ。
さすがミラノには金融機関がたくさんある。
PLUSの表示があるATMから現金を引き出し、一安心。
帰りはルートを変え、裏道を通りミラノ中央駅まで戻る(ひったくりとか遭いそうで怖かった)。

よし、ようやく宿だと地下鉄に乗ったら、今度はザックを預けっぱなしだったことに気づく。
ミラノ中央駅まで引き返し、荷物預かり所でザックを引き取る。
再び地下鉄へ乗り込む。
19時を過ぎている……日没前にはYHへ着きたい。

Q.T.8駅から歩いて、ようやくミラノYHへ到着。
6人部屋で韓国人の若者4人という部屋に割り当てられる。
気心知れた下宿みたいな雰囲気を壊してしまい、なんだか申し訳なかった。

近所にスーパーがあるとガイドブックにあったのでレセプションで聞いてみると、21時までだという。
いま20:55ですよ?
走れば間に合うかも、と地図を渡してくれたので、行ってみるが、それらしき建物が見つからない。
夕食の調達に失敗。

戻る道すがら、ジェラテリアを発見。
洗濯、シャワーを済ませたのち、行ってみることに。
ジェラートのほかに飲み物を売っていて、ビールも扱っていた。
しかしそのほかはtorta(ケーキ)、pane(パン)と並ぶ……
つまみはなさそうだ。
ビールと水を買い、YHへ戻る。

こんな食生活イタリアにいる意味ないかも??