随思録

日々思うことを記す。

7/5 フィレンツェ→タヴァルネッレ(タヴァルネッレ・ヴァル・ディ・ペーザ)

2011-08-26 11:01:48 | italia
6時過ぎに起床。
素泊まりなので、朝食を調達しなければならない。
開いているバール(bar)を探して近所を歩くと、駅近くのホテルに併設されたバールが6時半から開店するようだ。
看板に書かれたメニューを確認すると、英語が併記され「Itarian Breakfarst」が6.5ユーロとある。
早速開いたばかりの店内に入り、注文してみる。
メニューに内容は1コーヒー+1バケット&ジュースと説明が書いてあった。

コーヒーはカプチーノを注文。
パンはbrioche(甘いクロワッサン)。
ユースホステルなどとは違って、プロが淹れたものなのでカプチーノもうまいし、パンも焼きたてで格別の味。
ジュースはsucco d'aranca(オレンジジュース)を頼むと、その場でオレンジを半分に切り、生搾りした果汁が運ばれてきた。
これが……うまいんだ。
朝から贅沢な気分。

バールを出て、いったんホテルに戻り、荷支度。
ザックをレセプションに預かってもらい、身一つでアカデミア美術館へ。


開館15分前にもかかわらず、かなりの行列ができている。
予約して出直すという選択もあったが、並び具合から1時間待ちと見積もり、最後尾に並ぶ。
結局、2時間待ち。
入り口まで1時間という読みは当たったが、入り口前で30分、手荷物検査等で30分待った。
予約した人間が優先的に入っていくので、仕方のないことなのだろう。

ようやく中に入って、念願の(?)ダビデ像。
あれ、瞳があるんだね。
正面からの写真だと瞳が見えないけど、左を見ている。
ちょっと怖い。
せっかくなので裏側をよく見てきました。
ダビデの尻……ゲイバーの名前みたい。

イタリアの美術館、自分たちの都合で結構部屋を閉めます。
今日も彫刻の部屋に入れず、実質見たのはダビデ像の30分程度。
あとは絵画を少々。
もうアカデミア美術館はダビデ美術館に名前を変えたほうがいいんじゃないかな。

アカデミア美術館を出て、公衆電話からフィレンツェYHに電話。
事前に組み立てておいたイタリア語で用件を伝えると、イタリア語で返ってきたうえ英語がうまくない人のようで、なんだかよくわからないがワイシャツ(camicia)ならあるらしい。
午後取りに行く旨を返答。

その前にメディチ礼拝堂に寄るつもりだったのだが、肝心の礼拝堂が修復中(2011年7月現在・ミケランジェロの彫刻は見られる)なのでパス。
そのままフィレンツェYHへ。
行ってみるとたしかに見覚えのあるワイシャツが。
名を告げて、引き取り、笑顔の別れ。

SMN駅に戻り、ガイドブックで目をつけていた、ランチ10ユーロの店「チェントポーヴェリ」へ。
ここが大当たり。
2皿(パスタと肉・魚)をそれぞれ5種類の料理から選ぶことができ、しかもワインか水までついてくる。
手書きのイタリア語のメニューを読めずにいたら、給仕が英語で「コメントが必要ですか?」とやってきて「おすすめはトマトソースのパスタと鮭のソテーです」と教えてくれた。
じゃあそれで、と早速注文。
ワインを勧められたが、断って水をもらう(気を利かせたのか、一人客の私には500mlのペットボトルとコップで出てきた)。

トマトソースのパスタは、スパゲティより太く、細いうどんみたいな食感。
初めて食べたが、近くのテーブルの日本人客の会話によると、ブカティーニというものらしい(聞こえてしまった)。
鮭のソテーは、おそらく鮭をオリーブオイルと塩・コショウで焼いたものだが、実に香ばしくてうまい。
付け合せの焼き野菜もさっぱりとしてうまい。
ここ近所にあったら通うな、きっと。

ホテルでザックを引き取り、駅西口にあるSITA社のバスターミナルへ。
(長距離バスを走らせている会社が何社かあったので、事前に窓口を探し、タヴァルネッレ行きのバス有無と時刻を確認しておいた。)
チケットを買うと、次は4番ターミナルから発車と言われるが、バスの行き先はタヴァルネッレではない。
聞いてみると、タヴァルネッレには行くと返答があった。
どこかに行く途中、タヴァルネッレにも停車するということなのか……
14時半発、15時25分着と印刷してもらった時刻表にはある。
これを目安に降りるしかないだろう。

ともかく乗り込み、前のほうの席を陣取る。
半分ほどの入りで、2座席を1人1つずつ使うような埋まり方。
バスは、停留所名も表示されなければ、アナウンスもない。
小1時間経ち、何回か停留所に停まった。

仕方ないので、15時25分ごろ、立ち上がって運転手に「タヴァルネッレ?」と尋ねてみた。
「No」と返事。
でもそろそろのはずだ。
また一つ停留所を過ぎて不安になり、イタリア語で「すみません、ここはTavarnelleですか?」と再度質問してみる。
運転手は「No」そして「Next」と返答。

すると次は何もない(畑しかない)停留所。
数人の客が乗り込んでくるが、ここがタヴァルネッレとは思えなかった。

さらにバスは走り、次のバス停に停まる。
ここは少し拓けた場所で、乗り降りする客の数も多い。
かなり長い停車時間だ。
運転手はすぐ後ろにいる客と会話している。
立ち上がって運転手に「タヴァルネッレ?」と聞く。
すると話し相手の乗客のほうが「Tavarnelle」と答えた。
慌ててザックを背負って降りる。

普通、旅行者が何度も「Tavarnelle」について質問したら、着いたとき声ぐらいかけるだろ。
本当に、この運転手だけは許さない……


降りたところは“郊外”だった。
自然の中というより、“田舎”。
Ostello Del Chiantiを探して歩き始めるが、周囲には見当たらない。
バス停の近くだ、とSITAの案内所では言っていたのだが……

仕方ないので観光案内所に行ってみることに。
すると16時まで休憩中で職員がいない。
20分ほど周辺をふらつきつつ時間を潰す。

観光案内所に戻ると、職員がいて、場所を教えてくれる。
行ってみると、さっき前を通っていた。
なぜ気づかなかったのか~


ここでも予約されていたのは、やはりドミトリー。
6人部屋で、2段ベッドが3つ。
しかも珍しいことにミックスドミトリーだという。

部屋に荷物を置いていたら、早速若いイタリア人のカップルが入ってきた。
ヴェネツィアの近くに住む2人で、バイクでここを拠点にあちこち回っているそうだ。
男性はKawasakiのバイクに乗っていて、日本に関心があるようだ。
(YAMAHAはIwataにあるなど、有名メーカーのマニアックな知識を持ったナイスガイ。)
Tunamiの被害について心配される。

まずは洗濯だ、とレセプションにランドリーの場所を聞いたら、洗濯機が壊れているとのこと。
少し歩くとコインランドリーがあるので、そこを利用してくれと、地図に書き込んで渡されるが、この地図が手書きの観光地図で大雑把すぎる。
洗濯物をつめたユニクロの袋を片手にYHを出て、地図で示された方向へ進むが、一向に見つからない。

このままでは住宅地を出てしまう……すると反対方向から住人らしき中年女性がやってきたので、地図を見せて「ここに行きたいんだけど」とイタリア語で聞いてみる。
英語は話せない模様で、イタリア語でたくさん質問される。
結局、うまく返答できない私に「ついてきなさい。ランドリー(lavanderia)なら知ってるから」という感じで、連れて行ってもらったら、そこは日本でいうクリーニング屋だった。
店主らしきこれも中年の婦人が出てきて、私の洗濯物を覗いて、店員さん(この人も中年の女性)を呼び、女性3人でなんだか大会議。
結局、よくわからないまま物別れに終わりそうだったので、私が店主に詫びる。
案内してくれた女性はすまなそうにするので、こちらも礼を伝えて、別れる。


元の道に戻り、さらに住宅地の外れに進んでいくと、車から男性が降りてきて前方を通り過ぎようとした。
声をかけ地図を見せると、地図の場所とは違うが、近くにコインランドリーがあるという(この人は英語ができた)。
教えられたとおり行ってみると、コインランドリー発見。
入ると常駐の管理人なのか、奥の扉から女性が出てきて、動かし方や会計方法を教えてくれる。
洗濯している間ひまなので、周辺の見所などを聞いてみると、快く相手をしてくれた。


電子辞書がないので、お互い不自由な英語を中心としたやりとりだったが、周辺にある見所は2か所で、1つは4キロ、もう1つは6キロ離れているそうだ。
車か自転車がないと6キロのほうは難しいだろう。
4キロのほうは景観がすばらしく、6キロのほうは古い教会などが見られるという。

YHに戻り、インターネットでヴェネツィアのホテルについて調べる。
ここにはレセプション脇に無料で使用できるデスクトップPCがあったからだ。
それを借り、フリーメールを使ってヴェネツィアの宿泊施設の空き情報をメールで問い合わせてみる。
もちろんIMEがインストールされていないので日本語が表示されず手探りだが(ボタンとかすべて文字化けしている)、メールの作成自体は英文Eメールなのでなんとかなった。

そのあと暗くならないうちに夕食の買出しへ。
(洗濯物の中にハンカチが1枚足りず、もう一度ランドリーへ行ってみるが見つからず。)


中心部に行くと、屋台が立ち並んでいた。
どうやらお祭りのようだ。
広場に設置されたステージでは、ビンゴをやっている。
ざっと屋台を見て回り、パニーニとフライドポテトを買い、YHに帰る。

部屋では残りの3ベッドをイギリスの大学生3人組(男1女2)が占めていた。
(あとでわかったが、マレーシア系イギリス人男性と、マレーシア人女性2人の組み合わせ。)
私は窓際のベッドの上を取ったのだが、どうやら女性のうち1人が下に来るようだ。
男の子は昔日本に観光で来たことがあるらしく、部屋を出るとき「サヨナラ」と挨拶された。

シャワーを浴び、レセプションでビールを購入。
(ここはロビーに冷蔵庫があり、レセプションに持っていけば購入できる。ビールもワインもある。)
食堂でパニーニとポテトをつまみに飲む。

ついでにレセプションにヴェネツィアYHへ電話してもらったが、案の定すでに満室。
(曰く「Venezia is Venezia」だそうな。)
ヴェネツィアは人気の観光地だし、YHは地元高校生の合宿にも使われ、すぐに埋まってしまうとYHリストの解説にもあった。

明日はヴェネツィアでの宿泊の手配で1日が終わってしまうかもしれない。

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おすすめの店「チェントポーヴェリ」

フィレンツェで昼食を食べるときは、ぜひここに行ってみてください。
お得なお店です。
ワインもついて10ユーロは破格。

店内もおしゃれだし、店員さんも親切。
味もよかったです。

Osteria dei Centopoveri
Via Palazzuolo 31r
055-218846
http://www.centopoveri.it/

7/4 フィレンツェ

2011-08-16 15:02:46 | italia
粗忽者の迂闊な旅。

ジョットの鐘楼から見たドゥオモ(大聖堂)のクーポラ(丸屋根)

フィレンツェを去ることを決め、サンタ・マリア・デル・フィオーレ教会(ドゥオモ・カテドラーレ)内部とアカデミア美術館、もし時間が余ればメディチ礼拝堂を今日見学して、最後にすることにしていた。
ところがガイドブックによるとアカデミア美術館とメディチ礼拝堂は、月曜が休館日だという。
今日は月曜日です……

午前中はサンタ・マリア・デル・フィオーレ教会に行くとして、午後はどうするか。
半日空いてしまった。
昨夜別れるとき、今日まではタケムラさんとミンちゃんは一緒に行動し、ジョットの鐘楼に上ると話していた。
鐘楼につきあおうか。

朝食のとき、タケムラさんを探したら、食べ終わったころ彼女がやってきた。
こちらの事情を話し、今日同行したい旨を伝えると、快諾してくれた。
ミンちゃんとはSMN駅前のマクドナルドで10時に待ち合わせ。
9時にロビーで落ち合うことにする。

身支度をすませ、シーツと枕カバーを廊下のかごに放り込み、ビル達と別れの挨拶。
チェックアウトののち(なんと、このYHはTCでの清算が可能だった!)、ついでにTCの両替もしてもらう(手数料なし!)。

それから昨日のうちに、例の田舎のYH(2人が泊まっていたというYH)の情報を入手していたので、そのメモ書きを見せながら、レセプションに「同じ州のYHに予約をとってほしいんだけど」と聞いてみる。
Tavarnelle(タヴァルネッレ)というところにある“Ostello Del Chianti”というYHらしい。
当初はヴェネツィアに行く予定だったが、観光を忘れ、すこし田舎でのんびりしてみるのもいいかもしれないと考えたからだ。

レセプションの男性が、ネットで検索して、電話をしてくれた。
すると、まだ受付時間ではないらしく、返答がないとのこと。
9時にならないと、開かないらしい。
YHの受付時間にもいろいろあって、24時間OKというところもあるが、たいていは朝の数時間+夕方から深夜、というパターンが多い。

30分ほど待つうちにタケムラさんがロビーに。
結局9時になっても電話はつながらず。
ミンちゃんとの待ち合わせがあるので、タケムラさんは先にタクシーで出発(タヴァルネッレでワインを6本買ってしまったそうです。ちなみに自分用。)

タケムラさんとは……間に合うようなら10時にマクドナルドへ行く。
間に合わなければ、ランチを一緒にとるという約束に変更。
12時~12時半の間にサンタ・マリア・ノヴェッラ広場へ行き、もし現れなければお互いなにか事情ができたと察することに。

明日の宿を決めてから行動したいので、9時半ごろ、レセプションに再度電話してほしいと頼む。
するとレセプションの男性が「あそこは部屋余っているから、予約しないで行っても平気だよ」と言い出すので、思い切り不審げな顔をしてやると、「わかった。あんたは信じてないようだ」ともう一度電話してくれた。
ようやくつながって「明日、ジャポネーゼが行くから。うん」みたいな感じで軽く言って切る。
本当に予約とれているんだろうな。

ザックを背負いバス停に行くと、いまから出かけるのか、ビルの姿が。
バスの中で話しながらすごす。
実はアカデミア美術館を見ていない、でも明日は次の街に宿を取っているんだ、と話すと、「明日の朝、早起きして見に行けば?」と言われる。
なるほど。
ガイドブックには8時15分開場とある。
タヴァルネッレでは観光をするわけではないし、明るいうちにYHに着けばいいのだ。
「You are a genius!」とほめたら、ちょっとうれしそうだった(ビル50歳独身/でも結婚間近の恋人がいるそうだ)。

駅でビルとお別れ。
ホテルに荷物を置いて(階段は荷物アリだと結構きつかったかも)、10時半。
まだ待ち合わせまでは2時間あるので、サンタ・マリア・デル・フィオーレ教会に行く。
長い列はあったが、どうやら後ろ半分はクーポラに上る人の列で、つながって見えるだけのようだ。
30分ほど並んで入場。


フィレンツェで最も楽しみにしていた瞬間だったが、広いなあという印象くらいで、感動はない。
サン・ピエトロがすごすぎたのか。
典型的なゴシック様式(だと思う)で、ルネサンス建築の嚆矢という意義は理解していても、それだけで地味な内装が化けるわけでもない。

12時まで時間があったので、教会を出てから、ホテルの位置を再確認。
フィレンツェは斜めに走る道が多くて、行く道と帰る道では景色がまったく違って見える。

12時にSMN広場へ。
12時半ごろ、タケムラさんとミンちゃんがやってきた。
タケムラさんおすすめのトラットリア「13Gobb」へ。

「13Gobb」ではコース料理などを無視して、3人ともポルチーニ茸のパスタのみを注文。
ここで水かワインかと聞かれ、水と答えたら、ミンちゃんに「お金かかるけどいいんですか?」と確認される。
ヨーロッパではどこもそうなのだとか。
なんと2人は手持ちのペットボトルで済ませるようだ。

パスタはタリアテッレで、ポルチーニ茸とトマトソースであえたものだった。
やっぱりポルチーニ茸はうまい。
日本ではポルチーニ茸をこういう味付けで食べたことがなかったので、興味深かった。

水は3ユーロで、大きな瓶(たぶん1L)。
半分以上残ったので、会計後、「Posso portare?(持ってっていい?)」と聞いたら、店員さんがポケットから抜いた栓を取り出して瓶に乗せ、「アチョ~!」といいながら空手チョップ。
栓をしてくれた。
この店員さん、ちょっとジャン・レノ風の風貌の男性で、とてもいい対応をしてくれたが、気さくというか、気さくすぎて……注文などで訪れるたびタケムラさんの手を握ったり、肩に撫でたりと、少々困った人でもあった。

食事後、2人につきあってジョットの鐘楼に上ろうとすると、ミンちゃんに「そんなに気を遣わなくていいですよ」と言われる。
お言葉に甘え、2人とは別れ、クーポラへ。


クーポラくらい階段が急で長いと、上りきったあとにスポーツ後みたいな爽快感を感じる。
風の気持ちよさは、フィレンツェ1だろう。
瓶が重く、かさばり、水もたれてかなり邪魔だったので、ここで一気に飲み干す。


途中、クーポラ(丸屋根)の内側にある通路を通るのだが、祭壇はもちろん、内部の全体を上から眺めることができて、巨大さを体感できおもしろかった。

降りてきたら、教会内部を見学する人の列の中に2人を発見。
再度挨拶して別れ、クーポラの待ち時間にガイドブックを読み見つけた、月曜でも開館しているサン・マルコ美術館へ向かう。


が、閉まっていた。
改めてガイドブックを確認すると、13:50までしかやっていない。
現在14:40。
また迂闊なことをやってしまった。
外観だけ写真に収める。


仕方ないので、これも月曜に開いているサン・ロレンツォ教会へ。
展示はいろいろあったが、いい加減飽きてきて、疲れもあり、長椅子でうたたねしてしまった。
タヴァルネッレでは教会と宗教画は見ないことにしよう。


まだまだ明るいので、散策ついでに買い物をすることに。
イタリアも夏のセール(saldy)の時期。
今後、YHで必要となるであろうビーチサンダルを探す。
携帯スリッパは持ってきているが、水に弱いのが難点。
きたないシャワールームが出てきた場合、対応できない。

一応、ブランドショップらしき店で、気に入ったビーチサンダルを購入。
(19ユーロ→13ユーロ。ちょっと高い。)
ホテルでビーサンに履き替え、ついでにジーンズから七分丈のカーゴに着替え、いきなり軽装化。
その勢いで、近所のトラットリア「Marione」へ行ってみることにした。

ガイドブックには「お財布の心配がいらない一軒」とある。
いつも満席らしいが、19時という開店直後のため、あっさりと席に通される。
とりあえずbirra alla spinaを注文し、メニューとにらめっこ。
家庭風(casalinga)という響きが気になり、そのパスタを注文。
量がわからないので、まずはそこまで。

ここの生ビールはジョッキで、ジョッキを傾けつつ待っていると、ラザニアが出てきた。
ラザニアはローマで食べてひどかったな……と口に入れたらうまいんだこれが。
おそらくコース料理の一品として供されるので、量が少なめ。
もう一品くらい入るなあとメニューを要求し、野菜のスープ(zuppa di verdere)を注文。
注文の品とか順番とかおかしいのはわかっているが、野菜を摂りたかった。
卓上の粉チーズをたっぷりかけて……うまい。

ビール1杯、パスタ、スープで21.5ユーロ。
この質ならまた来たい。
ローマではケチったから、こういう普通にうまい店に入れなかったんだね。

気持ちよくホテルに戻り、食休みを兼ねてこの手記をつける。
今夜は一人だし、冷房もあるし、熟睡できるだろう。
そうだ、洗面台があるんだから、洗濯しようかな、なんてリュックから薄手のワイシャツを取り出そうとしたら――ない。
忘れた。
あんなにチェックしたのに?
そうだ、ロッカーだ。
初日、ロッカーを試しに開けたとき、ハンガーが掛かっていたので、着ていたワイシャツをそれに掛けたのだ。
ビルが言っていた“Someone use, someone no use”。
こういう意味か?

ともかくフィレンツェYHに電話だ。
公衆電話用のテレホンカードを買わなくては。
ホテルを出てすぐのタバッキへ。
ここにはない。
駅方面に歩き、途中のタバッキで聞くと、あったので購入。
そのままSMN駅へ行き、電話をかける。

イタリア語と英語を織り交ぜ、電子辞書を駆使し、112号室のロッカーに忘れ物をしたことを伝える。
確認しておくので、明朝電話してくれとの返答。
どちらにせよ、もう一度訪ねる必要があるだろう。

駅からホテルに戻る途中、歩道で立ち話しているタケムラさんとまたしても遭遇。
(ミンちゃんは17時の列車でローマに向かったはず。)
白人のカップルと英語で話していたので、軽く言葉を交わして別れる。
フィレンツェが狭いのか、すごい奇遇なのか。

それから手記の続きに取り掛かる。

本日の教訓は「ロッカーは使うな」です。

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おすすめの店「マリオーネ」

旅の醍醐味の一つに、何気なく店に入って地の物を食べたときに、驚くほどうまい、という体験があると思います。
私にとってフィレンツェの「マリオーネ」がそういう店でした。
イタリアのラザニアうまいよ。

“家庭料理の店で、雰囲気もアットホーム”とガイドブックにありましたが、ビーサンで入ってきた謎の東洋人にも、親切に対応してくれました。
私が一品目を待っている間には、ほぼ満席になったので、人気のほどもうかがえます。

Torattoria Marione
Via della Spada 27/r
055-214756
http://www.casatrattoria.com/ristoranti.asp?id=5