しっぽなのうつうつ

<宇宙(そら)>に魅せられて・・・
お写真、勉強中♪

無題

2012-11-09 18:23:00 | つぶやき

ここは、公開ブログ。
それは、分かっていますが、心の内をどこかに吐き出す癖がついてしまい、溜めておけずに書き連ねます。
戯言と思って頂きたい。出来れば、読まずに通り過ぎて頂きたい・・・。


一人の人間が、人生を終わろうとしている。いや、もしかしたら、もう、終わってしまったかもしれない。


「肝硬変と胆のう癌で入院した。もう長くは無い。」


たった一人の息子の携帯に留守電メッセージを残し、音信不通となった父親。
病院の名も連絡方法も告げず、何日もそのまま。


それぞれの生活を優先し、絶縁状態となり、ほとんど連絡も取っていなかった親子。

唯一の繋がり、携帯も通じない。
傍には再婚した女性が付いているはず。
でも、彼女は、夫の一人息子の連絡先を聞いていないかもしれないし、連絡したくないのかもしれない。

アドレスから携帯番号は分かるだろうから、亡くなっても連絡しないとしたら、相当の拒絶だ。
財産分与で揉める、とでも思っているのかもしれない。
揉めるような財産など、無い事は分かっている。


住んでいる場所は、知っている。
自宅電話には、誰も出ない。

会いに行くべきか、と思いながら、飛行機で2時間かかる遠い場所。
絶縁状態の父親のところへ行く、社会的、経済的、精神的余裕のない息子。

父親も、来て欲しいなら、それなりの事をすべきだった。
せめて病院が分かれば、直接行く事が出来る。
再婚相手との生活の場に顔を出さなくて済む。

ただ、声を聞かせたかったのか?
もしかして、息子の声を聞けるかもしれない、と思ったのか?
何も言わずにこの世を去るのは、息子に対して失礼とでも思ったのか?

そうじゃない、普通の心理だ。
余命短い事を自分の子供に知らせるのは、極普通のことだ。

けれど、あの二人は、普通の親子では無かった。

息子は10代の多感な時期に親の愛を喪失した。両親はそんなつもりは無くても、少なくとも、彼の心の中では、喪失していた。
二十歳になって、両親が離婚。
「おまえが大人になるまで、待ってやったんだ。」
そんな事を、平気で子供にいう人達だった。

母親はすぐに再婚した。本当は、もっと早く離婚したかったのだろう。その再婚のために。


父も母も息子も、それぞれ別々に生活し、バラバラな人生を歩みながら、それでも希薄な繋がりと微妙な関係が続いていた。

私もその繋がりの一部となった。

いくつか思い出もある。一緒に温泉旅行に行った事がある。
釣りにも連れて行ってもらった。たこを釣り損ねて、大騒ぎした事は今でもよく覚えている。

けれど、繋がりの一部となって10年ほど経つと、その繋がりは急激に細くなり、ついには消え去った。


一度は、義父と呼んだ人。

あなたの息子が少しゆがんだ人生を歩み始めてしまったのは、あなたにも責任があるかもしれない。
けれど、その後、道を失ったのは本人の責任。
人生は、その人、本人に責任がある。たとえ親子であろうと、人の人生を包み込むことなど出来はしない。


パパ。
ごめんね。

あなたが育てきれなかったあなたの息子を、私は支えきれなかった。

最後に息子の顔を見る事が出来るかどうか、それは、分からない。
でも、彼はあなたにそっくりよ。
ママには絶対言えなかった。父親似だね、とは・・・。

会えなくても、悲しまないで。
あなたの息子は、今、自分の人生を精一杯生きている。

いつか、会えるから。
あなたの息子は、あなたと同じ場所にきっと行くから。


冷たい嫁で、ごめんね。
私の方が、あなたの近くに居る。
息子の代わりに探しに行ける。

でも、繋がりは切れてしまったの。
もう、あなたを探しに行く、責任も権利もない。
ほんの僅かに、揺さぶられる「情」があるだけ。

せめて・・・
どうか、苦しみが少なく済むように、祈っています。



パパ・・・パパ・・・



コメント
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