ネバダ滝~ハーフドーム手前
さてネバダ滝の落ち口の景観を楽しむのは帰りにして、私達はジョンより先に出発した。
ここから30分程はほぼ平坦な道のりをマーセド川に沿って歩く。少し先にキャンプ場があり、ここに来る間にも大きいバックパックを背負った人達とすれ違い挨拶を交わした。
山での挨拶はどこにいっても世界共通のようで、そこには国、習慣、人種、宗教を超えた共通の言語が存在するかのようである。
この30分間の風景は透明感があって仏教でいう極楽浄土のような(実際は知らないが・・・)イメージを想像させる静寂さを感じさせる。日本では北海道の東大雪のトムラウシからヒサゴ沼に抜けて行く時の日常とはかけ離れた景観と似ているなぁと感じた。
そう、そう言えばスイスのマッターホルンをトレイルした時も・・・・
ラグビーボールかと思うような松ぼっくりにも驚いた。
こんなところでキャンプが出来るアメリカ人は幸せだなぁと思う反面、日本でもこういう場所を大切にしなければと強く感じた。
そしてトレイルはまたハーフドームに向けてその高度を上げていく。
その姿を時折見せては、そこに挑む者に好奇心を煽りながらも最終的にその頂に挑む覚悟を試されているかのようにも見える。
「ここからならまだ引き返せるぞ」と・・・・・・・
しかしここまで来てその姿を見せられておめおめ帰れるはずがない。
それもそのはず。ここまで来ると、すれ違う人達は口を揃えて「素晴らしい」を口にして行く。
恐怖心よりも好奇心が、征服欲がそれを勝る。
次第に周囲の景色は開けて、空とハーフドームを取り囲むシェラネバダの山々、そして目の前の頂だけとなって行く。いつの間にか新調した登山靴の下はやわらかい土から灰色の岩を踏みしめていた。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます