無事折り返しもできて再度気合の入れ直しです。
折り返した直後だからでしょうか、ペースが上がった気がしました。
心なしか周りのランナーさんの呼吸も荒いような。
後続のランナーさんをチェックしながらすれ違い区間を走ります。
どうらのさんもげんきです。ハーフ地点から左折してくる地点に差し掛かると、にっしーもがんばっているではないですか。
そしてコースは再びパイロット国道へ。
このコースは折り返し地点に向かって往路は上り、復路は下りです。まぁその高低差を感じる事はあまりないですが、やはり折り返しを過ぎると平均して下ります。
ペースがあがったのは下っているからではありません。
女子トップの前田選手が集団から積極的に出てきたのです。これも序章で書いたとおり、監督からの指示です。
といっても指示は30kmからがんばることとあったのですが・・・・・。ちょっと早すぎません?
既に左ハムは悲鳴を上げている状況で、ハーフあたりでも刺激を入れるように叩いたり揉んだりしてました。頭を過ったのは、ゼッケンを留める安全ピンを、ここ数レースは流行りのボタン式のものに変えていた事です。
ピンなら一本はずしてチクリチクリと刺すことで刺激を与え、一時的ですが痛いみを緩和出来ることもあるからです。
ちょっとした後悔でした。
しかし後の祭り。
国道に出てからはペースは3分台に突入しました。
もう数百メートル走るたびにハムは爆発の兆候を見せます。
時間の問題。でもいけるところまで行きたい。だって足以外は元気だから。
前方の集団も心なしか近づいて見えます。その中には少し後方に下がったやーまさんの姿も。
25km通過タイム。 1:40'36"64 5kmラップ 19'44"80(3'56/㎞)
25kmでジェルを補給します。横には前田選手。やはり前半は抑えていました。走りが大きくなってきました。4分ちょっとで走っていた前半とは加速度というか、勢いが違います。
集団はバラけ掛けていましたが、まだ5人はいたでしょうか。
しかし、もう終わりは近づいていました。
左ハムストリングは痛みのピークを迎えていました。脚を上げるともういつ攣ってもおかしくない状態。
そして27.5kmのスポンジポイントでその時はきました。
激しい痛みとともに左脚は前に出なくなったのです。
ここまでです。よくここまで頑張ってくれました。
しんちゃんのテーピングにも感謝です。
ジョグのようなスピードに落とすと、集団からすーっと置いて行かれました。
集団の背中を見るとちょっと寂しい気もしましたが、不思議と晴れ晴れとした気持ちでした。もしかしたらこれから苦しくなるであろう10数キロから解放されたこともあるかもしれませんね。これを書いている今でもよくわかりません。
しかし、脚が治ったら次こそ「いけるっ」という根拠のない手ごたえも感じました。どこにいけるかはわかりませんが。
ペースを落としたあと時計を見て計算すると、5分を超えるペースでなければサブスリ-の可能性が残っていました。
周りの風景を楽しみながら、完全に攣らないようピッチを小さくしてヒタヒタと走り続けることにしました。
後からは次々にランナーさんが抜いていきます。
まずは30km付近でどうらのさん。
力強い足取りで声を掛けてくれました。エールを送ってお別れです。
途中で力尽きたら抜いてやろうと思いましたが、後ろ姿は離れて行き、やがて見えなくなりました。念願のサブスリ-は素晴らしいタイムで達成です。
その後は疲れ切ったランナーさんが必死に抜いていく姿に
「頑張れー!」
「諦めるな」
とエールを送りながら走りました。
抜いていくランナーから応援されるのも変だろうなぁと思いながらも、サブスリ-にかける思いも理解できるので、応援せずにはいられませんでした。
痛い足を我慢してくじけそうになる自分への鼓舞だったのかもしれませんが・・・・・・。
30km通過タイム。 2:01'41"69 5kmラップ 21'05"05(4'13/㎞)
ペースダウン後は痛みを感じながらもジョギングのような気持で走れましたが、35km付近になると痛みは更に増してきました。手でもみほぐすような動作も多くなり、1㎞が長く感じてきたのです。
こんな状態でサブスリ-で走ってもなぁという感じもありましたが、可能性が残っているうちはあきらめたくありません。
ガーミンではないので1㎞表示にいくまではペースを確認出来ませんから、ピッチを落とさないことだけを考えながらひたすら脚を出すだけです。
35km通過タイム。 2:24'08"86 5kmラップ 22'27"17(4'29/㎞)
残り4km付近でしょうか、神戸の☆爺さんがうしろから声を掛けて抜いていきました。しっかりサブスリ-を確保できそうです。元気にスパートをかけている感じにも見えました。
やっと町役場がみえてきて3kmを切りました。
ここまでほとんどペースを落とさずに走ってこれたようです。応援も多くなり元気もでてきましたが、痛みはさらに強くなります。
そして国道を右折。
すると昨年同様強い向い風に。
「またかぁ」と思いましたが、頑張るしかありません。
40km通過タイム 2:47'35"99 5kmラップ 23'27"13(4'41/㎞)
川を渡る手前で残り2km。
正直痛みのせいか呼吸も苦しくなってきた感じです。もう何人に抜かれたかわかりませんがそんなことはどうでもよく、残りを無事に走ることだけでした。
そして最後の右折。
さらに強い向い風に体を押されます。時計を見ると2時間53分台でした。
もう止まることさえなければサブスリ-ではゴールできます。
3月のソウル、そして道マラとサブスリ-から離れて半年。どんな形でも次への自信にもなります。
残り1㎞。応援が背中をおしてくれます。
「サブスリ-間に合うぞぉ」と言ってくれ人も。わかってますねぇ。
トラックへ入るマラソンゲートをくぐると、先にゴールしている仲間が迎えてくれました。
嬉しそうにしているやーまさんやどうらのさんの笑顔がその結果を物語っていました。
サブスリ-も余裕で達成。どうらのさん。
あまり調子が良くないって言ってなかったっけ。やーまさん。こちらもセカンドベスト
まだゴールしていないのに自分のことのように嬉しくて、最後の元気をもらいました。
トラックにはいってもスパート出来る脚はなく、それでもサングラスを外して笑顔でゴールができました。たぶん・・・・。
2時間58分12秒。 ラスト2.195kmラップ 10'36"77(4'49/㎞)
大きいバスタオルがとても気持ちがいいです。
そしてその約1分ちょっとあとにサプライズが!
なんとにっしーがトラックに入ってきたではありませんか!。
今シーズンに入ってからは春からハーフもフルも調子がでず、6月に待望の子供が生まれてからは、さらに練習時間も取れなくなり、厄年も重なって、ここ別海へくる道中では引退の噂も出ていたあのにっしーがサブスリ-達成ぎりぎりでトラックに飛び込んできたのです。
ということはすぐに私のあとにいたというとです。
すでに時計は59分をまわっていましたが、にっしーはトラックを半分以上まわっていました。
ぎりぎりですがサブスリ-達成は確実です。
あまりのサプライズに思わず泣いてしまいました。2時間59分27秒。
引退会見が一転サブスリ-達成祝賀会見に。
お互い検討を称えていると次に気になるのはWAKAMEちゃん。
時計を見ると3時間20分をまわっています。
二人で急いで着替えて、まともに動かない脚を引きづりながらロードへ。
本当は遠くまで応援に行きたかったのですが、一緒に伴走できる脚ではなかったのでマラソンゲートのちょっと先で見守りました。
みくらんのユニフォームが見えました。国際女性ランナーのさっとさんが通過しました。もう23分をまわっています。
まったく見当もつかずずっと後方を目を凝らしてみると、見たことのあるブルーのシャツ。
本日2度目のサプライズ。
あまりにも余裕のタイムで元気にWAKAMEちゃんが帰ってくるではないですか!。
応援してるこっちがパニックです。声をかけながらトラックへ。
元気にスパートをかけ3時間25分台でフィニッシュです。
約1か月前の道マラではアクシデントがありながら、初サブフォーを達成したといえど、3時間53分台でした。
一気に30分近くも自己ベストを更新するなんて。
確かに7月、8月と300kmを走りこみ、メニューもほぼ順調にこなしてきて、9月も270km走りました。目標であるサブ3.5は達成して欲しかったし、可能性がないわけでもなかったです。
それでもフルの経験3回目というなかで、3時間35分を切れれば上出来とも思っていましたが、本当にやってくれました。
本人曰く、ハーフ時点で予定より2分遅く通過したので、後半は必死に上げたとのこと。
詳細データは確認していませんが、ネガティブラップで帰ってきた可能性もあります。
本人が望めば国際市民ランナーの可能性十分ですね。本当に楽しみです。
恐れ入りました。
その後も続々とラン友が自己ベスト更新で帰ってきてくれました。
アミノのまきちゃんも故障をおしての参加なのにしっかりサブフォー達成しました。
本人的にはこれで満足するかなぁと思っていたら、怪我で万全で走れなかったことが悔しかったとのこと。いやはや負けず嫌いも年季が入ってますね。しっかり脚を治してまたがんばって欲しいものです。ちょっと波があるので心配ですが・・・・。
WAKAMEちゃんの活躍で影が薄れてしまったREIさんも、大幅自己ベスト更新で目標のサブ3.5を達成してくれました。
来年はトレラン中心でいくとのことですが、せめてパワーアップするWAKAMEちゃんにリベンジして欲しいと思います。
R.Nutsのチームメイトのまやちゃんも、いつものトイレに悩まされながらも自己ベスト更新。
まやちゃんの完走記はこちら⇒別海パイロットマラソン完走記 まやちゃん on the road!
元気に走るまやちゃん。
Tonyさんも自己ベスト更新。どこまでいく。
そしてテーピングをしてくれたしんちゃんは総合4位。
足にまめできても圧巻の走り。
そして最後にみくらんのチタンさん。
始めての公認大会リタイヤ。体調が思わしくない状態でスタートし、自ら収用車に乗りこみました。
しかしその悔しさを微塵もみせず仲間を応援する姿勢は素晴らしいと思います。あの明るさは本当に周りの人を癒してくれますね。人が集まるわけです。
会場をあとにするころ大きな虹がまたかかりました。
帰りはみんなで夕日に輝く道東のパノラマを見に多和平へ寄ってもう一泊。
我慢していたアルコールはビールもワイン3本も一気になくなりましたとさ。
散文&長文を読んでくださってありがとうございます。
私ではなく、がんばった仲間に祝福のクリックをお願いします。
TOPの写真はレース翌日の北海道新聞地方版。
写真の75番はトップランナーではありません。すいません関係ないのに目立って・・・・
僕自身も、KENさんのエールを頂いて非常に力になりました。
今回の遠征で後悔しているのは、大会翌日に見た道新がオホーツク版だった事だけです(笑)
また一緒のレースの際には、お声を掛けさせて頂きますね(^^)
残り少ない北海道のシーズンですが、お身体に気をつけて、頑張ってください(^O^)/
まぁ色々ありましたが自業自得ですので(笑)
そちらはこれからがシーズンですよね。羨ましいです。
次は別府でお会いすることになるのかなぁ。
宜しくお願いします。(^-^)