真剣道外伝★無端晟輝の残日録

真剣道・基道館宗師範の残しておくべき余談集

形の科学 2

2019年09月23日 | 稽古のヒント

先日 萬重關塾長からのLINEで「口伝」について質問があった。

私は時節というコトバを使用して、花が咲く、時が満ちる、水があふれる、成り行きを説明した。

昨夜の虎乱洞稽古で、師範と名が付く人々に水差しを配布し終わった。

 

大事なことを説明するのを忘れていたのを、ダーリンが今日つぶやいていた。

 

水は汲みおいて、落ち着かせる、そうするとおいしくなる。

いい形の容器が必要となる。 

もちろん、ニンゲンにとっても水にとっても。

 

そのための容器であり、水道管で高圧にさらされ、やっと届いた水にしばし休息を与えるのが目的だ。

高圧の水道管や、急速濾過のための塩素投入は水にとり大きなストレスで、形が壊れているだろう。

修行者にとっても意味不明のおかしな型は余計にストレスがたまるに違いない(笑)

戦前の日本の水は神戸なり、横浜なりで船に積み込んで赤道を通過しても腐らなかったそうだ。

その話もダーリンがしていた。

「この水でご飯を炊くと腐りません」

なるほどね。

 余談だが、私が政治に興味を抱き行動したのは、一つには水道がでたらめになったのを気付いたため。

また、ポストハーベストという言葉を封印されていることに目がいったため。

 

日々のストレスにさらされて、やっとの思いで稽古に出てこられた人にも、型という大きな安心を感じてほしい。

そして、その型が身に付き、うまくなったら(美味・上手)もう一度その型がなんであるのかを自分に問うといいだろう。

 

自分自身のために、修行に向かう。

それは、名利栄達、段でもなければ優勝でもない。

そういうところから、遠いところにある高い志が我々の目指すところだ。

 

口伝は、時節が到来したら、それがどんな時にでもそっとお伝えしよう。

 

水差しはそこに水を入れただけで、部屋の波動を整えてくれるという。

居合者はそこにいるだけでピリピリとした緊張、鋭い眼光、きびきびとした態度。何よりも後悔しない果断。

それを「通過」してこその円熟だろう。

 

どうやら私には縁がない項目だ。


形の科学

2019年09月20日 | 稽古のヒント

萬重關塾塾では木曜日の19時から稽古が行われている。

この和泉市鶴山台信太中学体育館をお借りしての稽古会は実に35年間にわたり継続されてきたものだ。

 

塾長の御子息 零風初段がこのところめっきり腕を上げてきて、遠目にもしっかり座っているのが見えた。

近づいて、観察すると掟通りの抜きつけができている。

感心して今度は、正座の「テスト」をやってみた。

註 テストとは正座をしたとき肩を押したり、背中を押したりして動かないか確かめる。どこかに偏りがあると簡単に動いてしまう。一方丹田に気が落ち着き、どこにも凝りがないときは動かない。 正しい姿はすぐさま「どの方向にでも動ける」という意味合いだ。

 

堺市からきている新会員Nさんも勘がいい方で、入門直後とは思えない進捗を示していた。

 

先ごろ手に入れたアラジンポットの話を塾長とした。

 

何でも、そこにゴールドでプリントされている模様がいいらしい。

 

この水入れは、形で室内の波動を整えるといわれている。

もちろん中の水の形が整って他に波及するということだ。

 

中身が整えば外にも波及できる「容器」人間にも当てはまるだろう。

ヒトの場合,威儀威容ばかりでなく、想念こそ重要であることはもちろんだ。

 

これを塾長と、浮雲師範有城さんにプレゼントしようと用意している。

 

 

ちなみにわが家用に買ったこの水入れ2個並べるとあら不思議。

お互いが協力し合って水が格段においしくなった。実に柔らかくなんとも形容のしようがないおいしさだ。

あれは、伊勢に行ったとき名水100選のうちのどこかで飲んだような・・・・・

 

波動は整えるのが良い、勝手な形ではなく正しい「形」に入って中から自分で整えてゆくのが早い。

 

人生は短いし有限だ。真剣道基道館で行こう!

 


袋撓

2019年09月06日 | 稽古のヒント

稽古の道具はいろいろあるが、打ち合いに適している(剣術系の稽古)はやはり袋撓だろう。

先日の月影会で壊れているそれを見かけたので修理のため持ち帰った。

 

 

本来は8ピースに分割した竹を使用するのだが、こちらは「お安くできる方法」

 

 

 

リサイクルなどで、子供用の竹刀を売っている。剣道に入門したが、いやになった子供が使っていたのだろう。

アタリさえないのがある。

 

私は、3.2くらいがちょうどいいからうまく調達出来たらうれしい。

 

 

強く打ち合う基道館では、バキと折れてしまうのだが、袋があるから安全だ。

これは、木刀では危ない(約束なしですれすれで撃ち合ったりする場合)に使用する。

 

折れた竹刀は節のところを利用して「目釘」を作る。

骨までしゃぶる(笑)利用法である。

 


新規会員募集について

2019年04月28日 | 稽古のヒント
熱血で、がんがん行く!
それもよし、けれど基道館の案内には次のようなふんわりしたのがあります。

師範たちはキリリとして生きているけれど、それを他者に押しつけたりしない。
初心の方はおっかなびっくりが普通。



見学に来た人のコースです

120分 ゆったりと時間を取り
① 立ち方座り方(案外知らない人がいます)
② 礼法 
③ 呼吸法  (丹田呼吸法)
④ 心を鎮め、自分と向き合う
⑤ 木刀を持ってみる、構えてみる、振ってみる
⑥ 簡単な業をやってみる

一ヶ月の無料体験がありますので、その間に師範や居合との相性を考えてみてください



★基道館初心者体験カリキュラム(平均的です)

各人に合わせて順番や時間が変化します、これを仏教では「対器説法」といい、わかりやすく言うと、オーダーメイド(相手に合わせる)講座です。

1回 120分 (休憩含む)

① 立ち方、座り方、歩き方。
②呼吸法→丹田呼吸法
③正座の仕方
④心を落ち着かせるところの自覚(丹田とはどこ?)
⑤自分というものの自覚
⑥さあ、木刀を持って構えてみましょう。五行の形
振ってみましょう(あれ、身体は案外操縦が難しいのに気が付きます)
⑦道具は真剣に扱えば難しい
⑧業を習います、うまくできなくともOK、簡単な業ほど、実は奥行きが深い。
それがカルチャーショックです(笑)

一般の方はディレクトシステムが西洋体育(スポーツ)ですから仕方ないでしょう。
それを、「型にはめる」という日本武道に接近遭遇する面白い経験がここにあります。

ここには根性論もガッツもありません。
ただ、スラスラとした生き様を示す師範があなたの熱意に手を添えるだけです。


生の力→業の力→心の力

2019年04月21日 | 稽古のヒント
多くの方は腕立て伏せが毎日100回で1年経てばその分「強く」なれると考えているでしょう。

もちろん筋力は努力により増強します。

これを生の力と規定し話を進めます。


昨日も日根野イオンのカルチャー教室に顔を出し、師範の一水さんの指導を拝見していた。



来る4月29日の昭和節には日根野駅からほど近い神社で奉納演武会を行うので、ポスターを貼っていたら、それを見た方がイオンに見学のこられた、









その方と「統合」について実験をした

事前に心身統一四大原則の基道館流解釈を説明し、「正しい姿勢とは」と認識してもらい、「不動」の正座を体得してから始めた実験です。もちろん正座からいきなり蹴りが出るのも見てもらいました(笑)


私の指導は、心身統一居合道=真剣道だとご理解してもらい、どんどんと進めてゆく。



手首を捕まれる実験

見学者の男性は、見ただけでも屈強で、芯もしっかりしている。そこらのあやふや男ではない。

私は手首をもたれても「業」で返せるけれど、ここは「生」の力で対抗する。身動き不能



次に、ボールを両手で挟んで持つ。そして先ほどの状況を再度行う。
ハンドボールは実験に好都合な大きさで、それを持つだけで生の力でも大きく作用し、男性はあちこちに振り回される体験をした。

私「実はこれは統合の実験です、ボールを持つことにより両手首がシンクロしています、1mmも違わず時間も違わずあなたが持った私の手首が回りました。その威力を体験してもらいました」

生の力でも「業」が加わることにより大きな威力を出す。


楽しんでいただけたかしら。



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さて、今日は虎乱洞稽古、無維庵師範が奉納演武の四方払いをすることに決まり、みんなで拝見した。

たった4本のやりなれた業が、どれほど重たいか、無維庵師範は身にしみたそうで、その後しばらくは疲れていた。


ソレはいい事だと思います。

世の中には1000本抜いたとかいう自慢があるけれど、4本でどっと疲れる業を行える技量があるという事の証明です。
腕を上げたなあと感服しました。


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正武堂堂

基道館の令和の御代スローガンが立ち上がりました。


正しい武は確実に実を結び人間性を高めてゆく、その実力は侵しがたいものとなる。


今夜無維庵師範、不完庵師範代と押し合いをしました。
予想通り私は押されてしまいました。

それでいい、出藍の誉れといい、弟子が師匠を超えることが「ええこと」です。

体幹はできた、次は何だろう?