海に潜っていると「クォ~ン クォ~ン」となんとも淋しそうな、
せつないような声が聞こえてくる。
この時期に回遊してくるクジラの鳴き声。
沖縄近海には、冬にザトウクジラが回遊してくる。
ザトウクジラは、夏にロシアやアラスカなどの冷たい海で餌を食べて、
冬に沖縄や小笠原などの暖かい海で繁殖、子育てをする。
沖縄でザトウクジラを観察できるホエールウォッチングは、
冬の風物詩として有名だ。
ホエールウォッチングのベストシーズンは、毎年12月下旬から4月上旬まで。
高い確率でザトウクジラを目の前で見る事ができるそうだ。
残念ながら宮古島ではホエールウォッチング専門にしているようなところはない。
船で走っていると潮を吹き上げたりときにはジャンプするクジラを
見ることはある。それは宮古島では珍しいことであるが、クジラの鳴き声は、
この時期にはよく聞く。
クジラの鳴き声は低い音から高い音までさまざまな音が組み合わされた旋律が
繰り返されることから「ザトウクジラのソング」と呼ばれている。
ソングを歌うクジラは専門家の間では「シンガー」と呼ばれているそうだ。
このソング(鳴き声)はオスだけが歌い、交尾や出産、子育てが行われる
地域でしか聞くことができないため、メスへの求愛の歌ではないかと
いわれている。クジラの鳴き声は4月頃まで聞こえてくる。