世界最大の二枚貝は「オオジャコ」巨大なシャコガイである。
日本では石垣島でギネス級のものがたびたび発見されている。
平成4年に発見されたものは、先端部分が25センチほど欠けていたが、
それでも殻の長さが1mを超えて重さは322キロもあった。
ギネス記録では昭和31年、同じく石垣島で発見された333キロが
最高であるから欠けていなければ記録を更新していただろう。
しかし残念なことに、これまで発見されたオオジャコは
すべて死んだものばかり。このときのものも専門家の鑑定では
約4千4百年前に死んだ貝と推測されている。
こういうシャコガイは、地球の平均気温がもっと高かったころに、
八重山近海に生息していたものの残骸であると考えられている。
オオジャコがこのように大きく成長するのは、サンゴと同じように、
体内に大量の褐虫藻を飼っているから。
オオジャコはプランクトンも栄養としているが、半分はこの褐虫藻の
光合成のよって作られる有機物を栄養としている。
褐虫藻はこれらの光を利用して、光合成を行い、その結果としてできる
有機物のほとんどをオオジャコに与えている。
つまりオオジャコは体内に大規模な「食料生産施設」を持っているので、
あの巨大な殻を作り出し大きな身体を維持することができる。
沖縄では絶滅されたとされているが、1mを超えるシャコガイを
何度か見たことがある。船に持って上がることができないので、
今も宮古島のどこかの海底でひっそりと生きているだろう。