鳴き声以外はすべて食す!というくらい豚肉文化な沖縄。
沖縄では炒め煮のことを「イリチー」という。
イリチーは沖縄料理の代表的なものであったが、最近ではほとんど
つくられなくなった。もともとは豚の血を使ったことから
「イリチー」という。
昔は年の暮れになると正月用の豚をつぶす行事があった。
肉は塩漬けにして保存がきくが、保存のきかない血はすぐに
血イリチーにして神仏に供えた。
また、生誕祝いや法事用の料理としても用いられた。
まず、豚の血は固まっているので手で細かくほぐす。
ボールに豚の血と千切り大根と味噌を入れてよく混ぜる。
鍋に油を熱してボールの中味を入れて豚の血が赤から黒に
変わるまでよく炒める。豚の三枚肉、キクラゲ、カマボコなどの具材を入れて
さらに炒めて塩で味を整えて出来上がり。
豚の血は料理以外にも使われる。
一本釣りで使う元縄(糸)のことを方言で「アカナー」(赤縄)という。
この縄を豚の血でグツグツと煮込んで赤く染める。
釣り糸だけでなく網も豚の血で染める。
オジィいわく豚の血で染めることで魚から見えなくなるそうだ。
比べてみたことがないのでホントかどうかはわからない。