沖縄で酒といえば「泡盛」のこと。これはごく最近のことで、宮古島では
泡盛よりも洋酒が飲まれていた。いつのまにか泡盛が主流になった。
沖縄でもっとも古く伝統ある酒は「ウンシャク酒」
口噛み酒ともいわれ、これが本来の沖縄の酒だと伝えられている。
今から600年前、嵐で琉球に漂着した朝鮮人が書き残している。
その酒は濁った酒で、米を水につけてやわらかくし、女性が口で噛んで
グチャグチャにした後吐き出して容器に入れて、それを3日間おくと
出来上がり。唾液に含まれる酸素を利用して米を発酵させる酒で
アルコール度数は低かったようだ。
中国側の記述では、この酒は琉球で「米奇(ミキ)」とよんでいたようである。
つまり「御神酒」であった。
グチャグチャと噛んでいたのは神様に支える巫女さんで
この酒は主に神事に使われていた。
泡盛はシャム(タイ)などの東南アジアからもたらされて外来の酒が元に
なったと考えられている。
泡盛はタイ米の黒麹菌からしか作ることはできない。
宮古島では神事が多く、ごく最近まで口噛み酒が作られていた
といわれている。その伝統が途絶えたわけではない。
この酒は形を変えて現在に受け継がれている。
それが沖縄の飲料である「ミキ」である。
沖縄の自動販売機でよく見かけるので、一度飲んで見てください。