夜の農道を車で走っているとネオンに照らされた怪しい光が見えてくる。
畑の中にところどころネオンの街が現れたようなところがある。
沖縄本島では冬の風物詩として観光スポットとしても定着した
電照菊を栽培している。
電照菊とは、夜にたくさんの電球で菊に光を当てて、出荷時期に合わせて
開花を調整する栽培方法である。
菊は強い光を当てられて、昼間と錯覚して懸命に成長しようと頑張っているわけ。
宮古島ではそれほど大きく広くはないが、沖縄本島では広大な電照菊畑が
観光スポットとして有名である。
まるで光の絨毯を敷き詰めたようで美しいそうだ。
宮古島ではところどころで電照菊栽培が行われている。
もともとは本土で始められた電照菊栽培であるが沖縄では1974年頃から
始まったそうだ。沖縄の花き生産は菊が80%を占めている。
洋ランやストレリチアなどの南国らしい花々も生産されているが、
小菊生産量は全国1位。菊切花全体でも愛知県に次ぐ2位。
冬に消費される小菊のほぼ全てが沖縄から出荷されている。
沖縄では、他の地域が寒い3月でも菊花に適した気温となっているので、
電球で光を当てるという工夫によって、今でも年々生産量が増えているそうだ。
県外での菊の需要が増加する新年に合わせて9月〜12月にかけて夜の菊畑が
ライトアップされる。沖縄本島では読谷村、うるま市、国頭村、伊江島などで
電照菊の夜景が見られる。
宮古島では久松や上野村あたりの畑でこの時期に見ることができる。