宮古島には川が無いと言われているが、
「崎田川」という川がある。
今から300年前の1727年に編纂された宮古島の史書
「雍正旧記」には崎田川に架かる池田橋の存在が記されている。
宮古島唯一の川に架かる池田橋は琉球王朝時代平良にむかう
幹線道路に架けられた橋であると伝えられている。
史書「雍正旧記」には
「池田橋、南北20間、横3間、高さ9尺5寸村北ノ潟陸原ニあり」という
記録が残っている。
昔、加那浜と呼ばれるこの一帯はひどい湿地帯で、潮が満ちると
着物の裾をからげ歩いたと伝えられており、
20間は約36m、3間は約5、4m 、9尺5寸は2、85mの池田橋は
当時の人々の暮らしを助けた。
石橋造りでは日本最古の橋だという説もあるが、
長崎の眼鏡橋がその100年前1634年ということなので眼鏡橋の方が
最古の石橋である。
橋の話はさておき、崎田川の源流を「ピサガー」という。
与那覇湾に流れ込んでいるが、川の全長は約900mしかないので
地元でも川という認識がない。
水が湧き出す源流には崎田川緑地公園として整備された公園がある。
池間橋をイメージしてトラバーチンで囲われ、
市民の憩いの場として整備されたがおそらく地元の人でも
知っている人の方が少ないだろう。
ピサガーから溢れ出る水は、昔からどんなに干ばつになっても
水の流れが尽きることはないと言われており、
澄んだ水がコンコンと湧き出ている。
川伝いに行けば源流に辿り着けるのだが、途中に製糖工場があって
川をつたうことができない。
ピサガーの源流があまり知られていない理由のひとつだろう。
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