宮古島は、標高差の少ない地形から、面積的に近い石垣島や
西表島と比べて生物相は単純で、固有種もさほど多くはない。
しかし、亜種を含めると特産の昆虫はかなりの数に上がる。
中でも特異なのは方言でクスブンと呼ばれる黄金虫類である。
夜に農道を車で走っていると怪しげな光が、まるで人魂のように見える。
その正体は畑に設置されている「誘殺灯」である。
2020年頃から黄金虫類のアオドウガネが異常発生し、
関係機関の調査によると2020年誘殺灯で捕獲した成虫は1012万9260匹で、
1000万匹を超えた。
アオドウガネ被害はサトウキビの根が幼虫に食害されて起こる。
被害が大きくなるとサトウキビの立ち枯れする。
誘殺灯を設置した駆除作業で一時期は減少傾向にあったが、
20年頃から異常発生し3年連続で1000万匹を超えた。
誘殺灯を90基増設して、現在、島内には1800基で駆除を続けているそうだ。
サトウキビ被害の他でも、夜に農道を車やバイクで走っていると
ライトの灯りに向かって黄金虫が突き飛んでくる。
ときには石が飛んでくるほどの衝撃で事故の原因にもなっている。
車に傷が付いたりするので、夜はできるだけ農道を走らないようにしている。
以前漁師仲間の一人が頭に包帯を巻いてきた。
昨日の夜まで普通に海に潜っていたのに「どうしたの?」と聞けば、
「海からの帰りに特攻隊にやられた。」という。
黄金虫が飛んできて縫うほどの怪我をしたそうだ。
カナブン、黄金虫のことを特攻隊と呼んでいる。
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きじむな
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