この2年間、少し温暖な晩夏に行われていたウェールズ・ラリーGBが、ふたたび冷たい風雨が肌を刺す冬季開催となる。12月は、雨が降って路面がマッドになる可能性が非常に高く、ともすれば凍ることさえあり得る。ホストシティのカーディフ近郊、南ウェールズの森林を走るルートは、テンポよく流れるような高速ステージから成っているが、これらのステージは、一度雨が降れば世界一スリッパリーな路面に変貌する。
かつてRACラリーとして知られていたラリーGBは、世界で最も古いラリーのひとつだが、その歴史の中で、ラリー自体に起こった数多の変遷を反映してきた。英国国内ラリーとしての全盛期、ルートはイングランド北東部、スコットランド、湖水地方、イングランド北西部、ミッドランド地方を含み、国中にわたっていた。しかし、やがてラリーGBは、よりコンパクトで観戦のしやすいイベントへと変わっていった。とはいえ、このイベントには現在でも、熱狂的でラリーに詳しいスペクテーター(観客)が、自分たちのヒーロー、特に英国人ドライバーを応援しようと大挙してやってくる。
カーディフも近くのスウォンジーも、近年の大きな改革を経て繁栄する大都市で、ヨーロッパ有数のコスモポリタンな場所。ここをスタートしたマシンは、南ウェールズの丘や森林の中でタイムを競う。カーディフにはサッカーやラグビーの国内試合決勝や国際試合の多くが行われるミレニアム・スタジアムがあって、ここがラリーのスタートとフィニッシュ、そして観客の目の前でマシンが直接対決するスーパーSSの会場となり、イベントの目玉となる。
公式サイト: www.walesrallygb.com (英語)