KIMUKAZU blog

健康とiMacに関する情報
最近は天体観察と公園散策の情報

ポルタ経緯台のメンテナンス

2024-01-20 08:14:48 | 機材
ヤフオクで入手した中古のポルタ経緯台[1-3]のメンテナンスを行った結果を記す。
具体的には、微動ハンドルのアソビの調整を試みた。

(1)概要
 a.微動ハンドルのアソビの調整
  ・使用物品
   -六角レンチ(2mm)
   -カニ目レンチ


使用工具

(2)メンテナンス結果
 a.微動ハンドルのアソビの調整
  ・微動軸の側面にある止めネジを六角レンチで緩める
  ・微動軸のエキセントリックカラー(偏心留め環)をカニ目レンチで少し回転し、微動軸の中心と内部歯車(ウォームホイル)との距離を調整する
  ・微動軸を回し、アソビが目的どおりに調整できたか確認する
  ・最初に緩めた微動軸側面の止めネジを締めて、エキセントリックカラーが動かないよう固定する
  ・上記の調整を2箇所の微動軸に対して行う


止めネジを六角レンチで緩める様子


エキセントリックカラー(偏心留め環)をカニ目レンチで調整する様子

(3)まとめ
中古のポルタ経緯台のメンテナンスを試みた。
具体的には、微動ハンドルのアソビの調整を行い、使い心地を改善した。
今後は、メンテナンス後のポルタ経緯台を用いて、天体観察を行っていく。

参考文献:
(1)■ビクセン ポルタ経緯台 ガタが大きくなった時の対処法
(2)ポルタ経緯台を自分で修理
(3)ビクセン (企業)-Wikipedia
(4)カテゴリー 機材-KIMUKAZU blog
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Newスカイステージのメンテナンス

2023-11-09 06:09:26 | 機材
Newスカイステージにイメージセンサを取付けて電視観望を行う場合、イメージセンサによっては無限遠に合焦しないという課題があった。
そこで、上記課題解決のため、ヤフオクで入手した中古の屈折望遠鏡:Newスカイステージ[1-2]の主鏡セルについて改造メンテナンスを試みた。
ここでは、上記メンテナンス結果を記す。

(1)Newスカイステージのメンテナンス概要
 a.主鏡セルの改造

  主鏡セルの改造概要:主鏡セルの取付位置を副鏡側に約7mm短縮化
           ※バックフォーカス延長化
  主鏡セルを加工するため、次の工具を使用した。

  ・使用工具
   -ペン型ミニルーター:DREMEL FINO 2050[3]

(2)Newスカイステージのメンテナンス結果
 a.主鏡セルの改造
  ・主鏡セルの取り外し:鏡筒の3箇所の取付ネジを取り外し、主鏡セルを取り外す
  ・主鏡セルの削りだし部分のマーキング:マジック等で削りだし部分をマーキングする
  ・主鏡セルの加工:ペン型ミニルーターにやすりやカッターを取付け、削りだし部分を加工する
  ・主鏡セルの洗浄:加工後の主鏡セルを洗浄する[9]
  ・主鏡セルの取付:加工後の主鏡セルを鏡筒に取り付け、光軸調整を行う[10-11]


加工後の主鏡セル
※矢印部分を削りだした


主鏡セル取付後の鏡筒
※主鏡セルを削りだし加工した結果、主鏡セルがより鏡筒奥に設置できた(矢印部分)


メンテナンス後の試験撮影の様子
※イメージセンサ:Mars-C Ⅱを取り付けた場合でも、無限遠に合焦した

(3)まとめ
中古の反射望遠鏡:Newスカイステージの改造メンテナンスを試みた。
具体的には、主鏡セルを加工し、バックフォーカス延長化を試みた。
今後は、改造メンテナンス後のNewスカイステージを用いて天体観察(電視観望)を行っていく。

参考文献:
(1)New スカイステージ
(2)SKYWALKER SW-1PC/NEW SKYSTAGE取扱説明書
(3)DREMEL FINO(フィーノ)(2050-N/11)
(4)カテゴリー 機材-KIMUKAZU blog
(5)NewスカイステージとSV305を用いた直焦点撮影-goo blog
(6)Kenko New スカイステージ改 ノーマルからの変更点
(7)ASI294MC+76mmF3.7+AZ-GTi経緯台
(8)NEWTONYのバックフォーカスを延長するための主鏡セル改造と斜鏡大径化
(9)反射望遠鏡の主鏡をクリーニングする
(10)反射望遠鏡の光軸調整
(11)光軸の合わせ方
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都内の星空における電視観望の撮影条件(3)

2023-10-31 00:04:25 | 機材
(1)概要
 次の機材(IR850フィルタ使用)を用いた電視観望の撮影条件を検討した。

 ・撮影対象(アンドロメダ座)
  M31(アンドロメダ銀河)[15,16]
 ・機材
  望遠鏡:MILTOL 200mm F4[1-2]
  イメージセンサ:Player One Neptune-C Ⅱ(SONY IMX464 1/1.8型 2712x1538 2.9μm)[3-5]
  フィルタ:Player One IR850nm 1.25″ IR-Pass Filter[6]
  架台:AZ-GTi赤道儀化マウント[12] 恒星追尾モード、プレートソルブと同期[14]
 ・画像処理
  パソコン:WindowsノートPC(Core i5 2.30GHz 、8GB、240GB-SSD)
  イメージキャプチャ:SharpCap4.0[7] Live Stack(fits)
  画像解析:マカリ[8-9] 画像演算(左右反転、回転)、グラフ機能
  画像補正:ASTAP[10] 自動カラー補正、αδ grid処理、Deepsky annotation処理、fits→jpg変換
  画像処理:ImageMagick[11] トリミング処理、append処理

(2)スタック数と輝度ばらつきの測定
a.マカリを用いた輝度測定方法(グラフ機能)


上:マカリを用いた輝度ばらつき測定例
  ここでは、背景の(輝度ばらつき)=(輝度最大値 - 輝度最小値)とした
  上記の輝度ばらつきは、約2,000であった
下:天体(M31)の輝度測定例
  ここでの天体の輝度レベルは、約48,000であった

b.Gain固定、露出固定の場合の測定結果

M31の画像例
左 :Gain 460, Exp. 4s, StackedFrames= 15, Total Exp. 60sec
中左:Gain 460, Exp. 4s, StackedFrames= 45, Total Exp. 180sec
中右:Gain 460, Exp. 4s, StackedFrames= 75, Total Exp. 300sec
右 :Gain 460, Exp. 4s, StackedFrames=135, Total Exp. 540sec


スタック数と輝度ばらつき測定例
※輝度ばらつき(イメージセンサのノイズ成分に相当)は、スタック数の-1/2乗に比例していることがわかる[23]

c.総露出時間固定の場合の測定結果
総露出時間固定の場合に使用した撮影条件



M31の画像例
左からGain 460, 420, 380の場合の順で配置
※Gainの低い方が低ノイズの傾向がありそうである


スタック数と輝度ばらつき測定例
※総露出時間固定の場合は、ノイズに相当する輝度ばらつきは、ほぼ一定となった

d.都内の星空の輝度成分の推定

都内の星空の輝度成分推定値
※上記の測定結果より、都内の星空における、背景光、ノイズ、天体、それぞれの輝度成分を推定した
 都内の星空においては、背景光の成分は、IR850フィルタを使用すると、使用しない場合の約1/3程度に低減した[29-30]。
 IR850フィルタを使用しても、背景光の成分はノイズ成分より約6倍程度大きいため、イメージセンサ冷却によるノイズ低減効果は限定的と予想される。

(3)まとめ
MILTOL200mmとNeptune-C Ⅱを用いた電視観望(Electrically-Assisted Astronomy:EAA)の撮影条件を検討した。
その結果、都内の星空においては、次の撮影条件が有効と考えられる。
 ・背景光を低減するために光学フィルタ(IR850)を適用し、その効果を確認した。
 ・ノイズと同等レベルの暗い天体を撮影する場合は、スタック数を増やし、ノイズを低減する手法が有効である。
 ・暗い天体を撮影する場合は、必要以上にGainを上げず、露出時間を長めに設定したほうが、低ノイズの画像を得やすい。

参考文献:
(1)MILTOL 200mm F4レンズ
(2)テレスコープ 200mm F4レンズキット
(3)Neptune-C II USB3.0 Color Camera (IMX464)
(4)SONY IMX464LQR
(5)Player One - Cameras and Astrophotography
(6)S-series IR850nm 1.25″ IR-Pass Filter
(7)SharpCap
(8)すばる画像解析ソフト-Makali`i-配布サイト
(9)マカリ:Makali`i 超入門編(マニュアル)
(10)ImageMagick
(11)ASTAP, the Astrometric STAcking Program
(12)AZ-GTi赤道儀化マウント-goo blog
(13)WindowsPC環境におけるプレートソルビング(10)-goo blog
(14)WindowsPC環境におけるプレートソルビング(11)-goo blog
(15)アンドロメダ銀河-Wikipedia
(16)MILTOL200mmとNeptune-C Ⅱを用いた直焦点撮影(188)-goo blog
(17)WindowsPC環境におけるオートガイド-goo blog
(18)WindowsPC環境におけるオートガイド(2)-goo blog
(19)ASI462MCの”Gain”の数値はいくつで使うのが最も効率が良いか
(20)ASI462MCが、単位時間当たり最高のパフォーマンスを発揮するGain数値は!?
(21)惑星撮影の条件設定を考える(拡大率vsゲインvs露光)
(22)CMOSカメラのカタログ値の読み方
(23)実画像のノイズ評価(その1): 各ノイズの貢献度合-ほしぞloveログ
(24)実画像のノイズ評価(その2): 露光時間の決定-ほしぞloveログ
(25)実画像のノイズ評価(その3): 信号について-ほしぞloveログ
(26)ドライブレコーダーに搭載されているSONYのイメージセンサーごとの特徴
(27)渡邉 耕平 著、”電視観望実践ガイドブック Ver 1.1”、サイトロンジャパン発行、2021年11月17日第二版発行.
(28)渡邉 耕平 著、根本 泰人 監修、”月・惑星撮影 実践ガイドブック Ver 1.0”、サイトロンジャパン発行、2023年6月24日.
(29)都内の星空における電視観望の撮影条件-goo blog
(30)都内の星空における電視観望の撮影条件(2)-goo blog
コメント (2)
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都内の星空における電視観望の撮影条件(2)

2023-10-25 05:31:26 | 機材
(1)概要
 次の機材(QBPⅢフィルタ使用)を用いた電視観望の撮影条件を検討した。

 ・撮影対象(こぎつね座)
  M27(亜鈴状星雲)[15,16]
 ・機材
  望遠鏡:MILTOL 200mm F4[1-2]
  イメージセンサ:Player One Neptune-C Ⅱ(SONY IMX464 1/1.8型 2712x1538 2.9μm)[3-5]
  フィルタ:Quad BP フィルター Ⅲ[6]
  架台:AZ-GTi赤道儀化マウント[12] 恒星追尾モード、プレートソルブと同期[14]
 ・画像処理
  パソコン:WindowsノートPC(Core i5 2.30GHz 、8GB、240GB-SSD)
  イメージキャプチャ:SharpCap4.0[7] Live Stack(fits)
  画像解析:マカリ[8-9] 画像演算(左右反転、回転)、グラフ機能
  画像補正:ASTAP[10] 自動カラー補正、αδ grid処理、Deepsky annotation処理、fits→jpg変換
  画像処理:ImageMagick[11] トリミング処理、append処理

(2)スタック数と輝度ばらつきの測定
a.マカリを用いた輝度測定方法(グラフ機能)


上:マカリを用いた輝度ばらつき測定例
  ここでは、背景の(輝度ばらつき)=(輝度最大値 - 輝度最小値)とした
  上記の輝度ばらつきは、約2,000であった
下:天体(M27)の輝度測定例
  ここでの天体の輝度レベルは、約11,000であった

b.Gain固定、露出固定の場合の測定結果

M27付近のトリミング画像例(480x640)
左 :Gain 440, Exp. 4s, StackedFrames= 15, Total Exp. 60sec
中左:Gain 440, Exp. 4s, StackedFrames= 45, Total Exp. 180sec
中右:Gain 440, Exp. 4s, StackedFrames= 75, Total Exp. 300sec
右 :Gain 440, Exp. 4s, StackedFrames=135, Total Exp. 540sec


スタック数と輝度ばらつき測定例
※輝度ばらつき(イメージセンサのノイズ成分に相当)は、スタック数の-1/2乗に比例していることがわかる[23]

c.総露出時間固定の場合の測定結果
総露出時間固定の場合に使用した撮影条件



M27付近のトリミング画像例(480x640)
左からGain 440, 400, 360の場合の順で配置
※Gainの低い方が低ノイズの傾向がありそうである


スタック数と輝度ばらつき測定例
※総露出時間固定の場合は、ノイズに相当する輝度ばらつきは、ほぼ一定となった

d.都内の星空の輝度成分の推定

都内の星空の輝度成分推定値
※上記の測定結果より、都内の星空における、背景光、ノイズ、天体、それぞれの輝度成分を推定した
 都内の星空においては、背景光の成分は、QBPⅢフィルタを使用すると、使用しない場合の約2/3程度に低減した[29]。
 QBPⅢフィルタを使用しても、背景光の成分はノイズ成分より約10倍程度大きいため、イメージセンサ冷却によるノイズ低減効果は限定的と予想される。

(3)まとめ
MILTOL200mmとNeptune-C Ⅱを用いた電視観望(Electrically-Assisted Astronomy:EAA)の撮影条件を検討した。
その結果、都内の星空においては、次の撮影条件が有効と考えられる。
 ・背景光を低減するために光学フィルタ(QBPⅢ)を適用し、その効果を確認した。
 ・ノイズと同等レベルの暗い天体を撮影する場合は、スタック数を増やし、ノイズを低減する手法が有効である。
 ・暗い天体を撮影する場合は、必要以上にGainを上げず、露出時間を長めに設定したほうが、低ノイズの画像を得やすい。

参考文献:
(1)MILTOL 200mm F4レンズ
(2)テレスコープ 200mm F4レンズキット
(3)Neptune-C II USB3.0 Color Camera (IMX464)
(4)SONY IMX464LQR
(5)Player One - Cameras and Astrophotography
(6)Quad BP フィルター III
(7)SharpCap
(8)すばる画像解析ソフト-Makali`i-配布サイト
(9)マカリ:Makali`i 超入門編(マニュアル)
(10)ImageMagick
(11)ASTAP, the Astrometric STAcking Program
(12)AZ-GTi赤道儀化マウント-goo blog
(13)WindowsPC環境におけるプレートソルビング(10)-goo blog
(14)WindowsPC環境におけるプレートソルビング(11)-goo blog
(15)亜鈴状星雲-Wikipedia
(16)MILTOL200mmとNeptune-C Ⅱを用いた直焦点撮影(183)-goo blog
(17)WindowsPC環境におけるオートガイド-goo blog
(18)WindowsPC環境におけるオートガイド(2)-goo blog
(19)ASI462MCの”Gain”の数値はいくつで使うのが最も効率が良いか
(20)ASI462MCが、単位時間当たり最高のパフォーマンスを発揮するGain数値は!?
(21)惑星撮影の条件設定を考える(拡大率vsゲインvs露光)
(22)CMOSカメラのカタログ値の読み方
(23)実画像のノイズ評価(その1): 各ノイズの貢献度合-ほしぞloveログ
(24)実画像のノイズ評価(その2): 露光時間の決定-ほしぞloveログ
(25)実画像のノイズ評価(その3): 信号について-ほしぞloveログ
(26)ドライブレコーダーに搭載されているSONYのイメージセンサーごとの特徴
(27)渡邉 耕平 著、”電視観望実践ガイドブック Ver 1.1”、サイトロンジャパン発行、2021年11月17日第二版発行.
(28)渡邉 耕平 著、根本 泰人 監修、”月・惑星撮影 実践ガイドブック Ver 1.0”、サイトロンジャパン発行、2023年6月24日.
(29)都内の星空における電視観望の撮影条件-goo blog
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都内の星空における電視観望の撮影条件

2023-10-16 00:12:07 | 機材
(1)概要
 次の機材を用いた電視観望の撮影条件を検討した。

 ・撮影対象(こと座)
  M57(環状星雲)[15,16]
 ・機材
  望遠鏡:MILTOL 200mm F4[1-2]
  イメージセンサ:Player One Neptune-C Ⅱ(SONY IMX464 1/1.8型 2712x1538 2.9μm)[3-5]
  フィルタ:Player One UV IR-CUTフィルター[6]
  架台:AZ-GTi赤道儀化マウント[12] 恒星追尾モード、プレートソルブと同期[14]
 ・画像処理
  パソコン:WindowsノートPC(Core i5 2.30GHz 、8GB、240GB-SSD)
  イメージキャプチャ:SharpCap4.0[7] Live Stack(fits)
  画像解析:マカリ[8-9] 画像演算(左右反転、回転)、グラフ機能
  画像補正:ASTAP[10] 自動カラー補正、αδ grid処理、Deepsky annotation処理、fits→jpg変換
  画像処理:ImageMagick[11] トリミング処理、append処理

(2)スタック数と輝度ばらつきの測定
a.マカリを用いた輝度測定方法(グラフ機能)


上:マカリを用いた輝度ばらつき測定例
  ここでは、背景の(輝度ばらつき)=(輝度最大値 - 輝度最小値)とした
  上記の輝度ばらつきは、約2,000であった
下:天体(M57)の輝度測定例
  ここでの天体の輝度レベルは、約10,000であった

b.Gain固定、露出固定の場合の測定結果

M57付近のトリミング画像例(480x640)
左:Gain 360, Exp. 4s, StackedFrames= 45, Total Exp. 180sec
中:Gain 360, Exp. 4s, StackedFrames= 75, Total Exp. 300sec
右:Gain 360, Exp. 4s, StackedFrames=135, Total Exp. 540sec


スタック数と輝度ばらつき測定例
※輝度ばらつき(イメージセンサのノイズ成分に相当)は、スタック数の-1/2乗に比例していることがわかる[23]
 ノイズ成分と同レベルの暗い天体を撮影する場合は、スタック数を増やし、ノイズを低減する手法が有効と考えられる。
 スタック数を増加する場合は、総露出時間が長くなるので、オートガイド技術の適用検討が必要である[17-18]。

c.総露出時間固定の場合の測定結果
総露出時間固定の場合に使用した撮影条件



M57付近のトリミング画像例(480x640)
左からGain 460, 420, 360, 320, 280の場合の順で配置
※上記の撮影条件の画像を比較したが、それらの画質の大きな差異は見られない


スタック数と輝度ばらつき測定例
※総露出時間固定の場合は、ノイズに相当する輝度ばらつきは、ほぼ一定となった
 これは、Gainを下げ、露出を長くすることは、スタック数を増加するのと同等のノイズ低減効果を有することを間接的に示唆している[28]。
補足:
 使用したイメージセンサは異なるが、同じ時間をかけるなら、露出時間を長くし、Gainも極力下げた方がスタック枚数は少なくても画質は良くなるという報告もある[20]。

d.都内の星空の輝度成分の推定

都内の星空の輝度成分推定値
※上記の測定結果より、都内の星空における、背景光、ノイズ、天体、それぞれの輝度成分を推定した
 都内の星空においては、背景光の成分が最も大きく、ノイズ成分(輝度ばらつき)は、前者に比較してかなり小さい(約1/20)。
 すなわち、都内の星空において暗い天体を撮影するためには、背景光を低減することが最も効果的である。
 具体的な背景光低減手段は、光学フィルタ(QBPⅢなど)の適用が有効と考えられる
 一方で、イメージセンサ冷却によるノイズ低減は、都内の星空においては、その効果が限定的(ノイズ成分がそもそも小さい)になる。

(3)まとめ
MILTOL200mmとNeptune-C Ⅱを用いた電視観望(Electrically-Assisted Astronomy:EAA)の撮影条件を検討した。
その結果、都内の星空においては、次の撮影条件が有効と考えられる。
 ・ノイズと同等レベルの暗い天体を撮影する場合は、スタック数を増やし、ノイズを低減する手法が有効である。
 ・暗い天体を撮影する場合は、必要以上にGainを上げず、露出時間を長めに設定したほうが、低ノイズの画像を得られる可能性がある。
 ・背景光を低減するために光学フィルタ(QBPⅢなど)を適用することが有効と考えられる。

参考文献:
(1)MILTOL 200mm F4レンズ
(2)テレスコープ 200mm F4レンズキット
(3)Neptune-C II USB3.0 Color Camera (IMX464)
(4)SONY IMX464LQR
(5)Player One - Cameras and Astrophotography
(6)S-series UV IR-CUT 1.25″ Filter
(7)SharpCap
(8)すばる画像解析ソフト-Makali`i-配布サイト
(9)マカリ:Makali`i 超入門編(マニュアル)
(10)ImageMagick
(11)ASTAP, the Astrometric STAcking Program
(12)AZ-GTi赤道儀化マウント-goo blog
(13)WindowsPC環境におけるプレートソルビング(10)-goo blog
(14)WindowsPC環境におけるプレートソルビング(11)-goo blog
(15)環状星雲-Wikipedia
(16)MILTOL200mmとNeptune-C Ⅱを用いた直焦点撮影(182)-goo blog
(17)WindowsPC環境におけるオートガイド-goo blog
(18)WindowsPC環境におけるオートガイド(2)-goo blog
(19)ASI462MCの”Gain”の数値はいくつで使うのが最も効率が良いか
(20)ASI462MCが、単位時間当たり最高のパフォーマンスを発揮するGain数値は!?
(21)惑星撮影の条件設定を考える(拡大率vsゲインvs露光)
(22)CMOSカメラのカタログ値の読み方
(23)実画像のノイズ評価(その1): 各ノイズの貢献度合-ほしぞloveログ
(24)実画像のノイズ評価(その2): 露光時間の決定-ほしぞloveログ
(25)ドライブレコーダーに搭載されているSONYのイメージセンサーごとの特徴
(26)渡邉 耕平 著、”電視観望実践ガイドブック Ver 1.1”、サイトロンジャパン発行、2021年11月17日第二版発行.
(27)渡邉 耕平 著、根本 泰人 監修、”月・惑星撮影 実践ガイドブック Ver 1.0”、サイトロンジャパン発行、2023年6月24日.
(28)MAK127SPとNeptune-C Ⅱを用いた直焦点撮影-goo blog
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