前回のブログに記した遊星號のアリガタ化[17]によって使用しなくなったAstroStreetアリガタプレート[18]を、コルキットスピカのアリガタ化に利活用した。
また、アリガタ化したコルキットスピカ[1-2]を用い、土星[3]の直焦点撮影を試みた[12-16]。
さらに、Windows環境において、RegiStax6[4-5]を用いて、撮影画像4枚(jpeg)のスタック処理、および、Wavelet処理[6-7]を試みた。
ここで、RegiStax6の処理を行う際に必要となる画像フォーマット変換等は、ImageMagick[8-9]を使用した。
(1)コルキットスピカのアリガタ化
コルキットスピカのアリガタ化は、次の自由雲台を追加購入し、AstroStreetアリガタプレートに取り付ける方法で行った[19]。
・ベルボン Velbon QHD-33 [自由雲台]
アリガタ化したコルキットスピカを、ポルタ経緯台に取り付けた状態の写真を次に示す。
※自由雲台は、OLYMPUS E-PM2の1/4インチカメラネジに取り付けた。
(2)土星の撮影
OLYMPUS E-PM2とコルキットスピカを用いた土星の撮影例(As Is)を、次に示す。
2020-04-30 4:23 土星(等級:0.6、視半径:8.5")[10]
OLYMPUS E-PM2、コルキットスピカ 420mm F10.5
Sモード, ISO3200, 420mm x2(デジタルテレコン), F10.5, 1/20 sec, MF, 太陽光
コルキットスピカ・ホームページ[1]には、「とても! とても! 小さいのですが、「土星の環」まで見ることができます」との記載がある。
上記記載の通り、非常に小さい土星像が撮影できた。
しかし、「土星の環」は、そのままでは確認することは難しかった。
一方で、参考文献のブログ[20]には、同じコルキットで撮影したと思われる土星像が掲載されている。
そこで、「土星の環」の確認を目標に、次の画像処理を試みた。
(3)画像処理概要
・切り出し処理
土星の像は、画像の中央部に非常に小さく写る。
土星の画像情報を縮小せずにそのまま取り出すために、撮影画像(4608x3456)の中央部の640x480の領域を、そのまま切り出す処理を行った。
切り出し処理は、ImageMagickを用いた。
切り出し処理のコマンド例は、次の通りである。
magick convert 入力ファイル名 -gravity center -crop 640x480+0+0 出力ファイル名
・スタック処理、および、Wavelet処理
切り出した画像(ここではjpeg画像4枚)は、RegiStax6に読み込んだ後にスタック処理をデフォルト設定で行った。
その後のWavelet処理では、基本的にデフォルト値(Linear、Gaussian、Layer1,2、Contrast/Brightness)を用いたが、Layer3~6の設定値は、次の通りとした。
-Layer3、4、5、6のPreview値は、それぞれスライダで50、50、60、80程度に設定した。
-Layer3~6のDenoise値は、すべて0.3に設定した。
・bmp→jpeg変換
RegiStax6での処理後の出力画像は、bmp(ビットマップ)フォーマットである。
bmpからjpegへのフォーマット変換には、ImageMagickを用いた。
変換コマンド例は、次の通りである。
magick convert 入力ファイル.bmp -quality 100 出力ファイル.jpg
(4)画像処理結果
RegiStax6のAlign処理画面
RegiStax6のStack処理画面
2020-04-30 4:23 土星(等級:0.6、視半径:8.5")[10]
OLYMPUS E-PM2、コルキットスピカ 420mm F10.5
Sモード, ISO3200, 420mm x2(デジタルテレコン), F10.5, 1/20 sec, MF, 太陽光
※同じ撮影条件の4枚のjpeg画像を、RegiStax6でスタック処理のみ実施
RegiStax6のWavelet処理画面
2020-04-30 4:23 土星(等級:0.6、視半径:8.5")[10]
OLYMPUS E-PM2、コルキットスピカ 420mm F10.5
Sモード, ISO3200, 420mm x2(デジタルテレコン), F10.5, 1/20 sec, MF, 太陽光
※上記の処理後、Wavelet処理を追加して実施
・対物レンズ口径:40mm
・ドーズの分解能:2.90"[11]
・イメージセンサ分解能:3.68"相当[11]
(イメージセンサ画素ピッチ:3.74μm[11])
(5)まとめ
AstroStreetアリガタプレートを、コルキットスピカのアリガタ化に利活用した。
また、アリガタ化したコルキットスピカを用い、その分解能に近い視半径を持つ土星の直焦点撮影を試みた。
土星の撮影画像(jpeg画像4枚)に、RegiStax6の画像処理を行うことで、「土星の環」をかろうじて確認できた。
また、コルキットスピカは、小型軽量で非常に高性能である一方、取り扱い面では、特に直焦点撮影の際にはピント合わせがかなり難しいことが確認できた。
参考文献:
(1)コルキットスピカ
(2)コルキットの楽しみ方
(3)土星-Wikipedia
(4)RegiStax6
(5)RegiStax-Wikipedia
(6)ウェーブレット-Wikipedia
(7)ウェーブレット変換-Wikipedia
(8)ImageMagick
(9)ImageMagick-Wikipedia
(10)今日のほしぞら-国立天文台暦計算室
(11)望遠デジタルカメラの分解能-goo blog
(12)OLYMPUS E-PM2とコルキットスピカを用いた直焦点撮影-goo blog
(13)OLYMPUS E-PM2とコルキットスピカを用いた直焦点撮影(5)-goo blog
(14)OLYMPUS E-PM2とコルキットスピカを用いた直焦点撮影(8)-goo blog
(15)OLYMPUS E-PM2とコルキットスピカを用いた直焦点撮影(9)-goo blog
(16)OLYMPUS E-PM2とコルキットスピカを用いた直焦点撮影(11)-goo blog
(17)OLYMPUS E-PM2と遊星號を用いた直焦点撮影(5)-goo blog
(18)OLYMPUS E-PM2と遊星號を用いた直焦点撮影(3)-goo blog
(19)月と金星を撮影
(20)念願の土星!-goo blog
(21)コルキット・スピカで遊ぶ
(22)#コルキット twitter
(23)#コルキットスピカ Instagram posts
(24)観測所雑記帳
また、アリガタ化したコルキットスピカ[1-2]を用い、土星[3]の直焦点撮影を試みた[12-16]。
さらに、Windows環境において、RegiStax6[4-5]を用いて、撮影画像4枚(jpeg)のスタック処理、および、Wavelet処理[6-7]を試みた。
ここで、RegiStax6の処理を行う際に必要となる画像フォーマット変換等は、ImageMagick[8-9]を使用した。
(1)コルキットスピカのアリガタ化
コルキットスピカのアリガタ化は、次の自由雲台を追加購入し、AstroStreetアリガタプレートに取り付ける方法で行った[19]。
・ベルボン Velbon QHD-33 [自由雲台]
アリガタ化したコルキットスピカを、ポルタ経緯台に取り付けた状態の写真を次に示す。
※自由雲台は、OLYMPUS E-PM2の1/4インチカメラネジに取り付けた。
(2)土星の撮影
OLYMPUS E-PM2とコルキットスピカを用いた土星の撮影例(As Is)を、次に示す。
2020-04-30 4:23 土星(等級:0.6、視半径:8.5")[10]
OLYMPUS E-PM2、コルキットスピカ 420mm F10.5
Sモード, ISO3200, 420mm x2(デジタルテレコン), F10.5, 1/20 sec, MF, 太陽光
コルキットスピカ・ホームページ[1]には、「とても! とても! 小さいのですが、「土星の環」まで見ることができます」との記載がある。
上記記載の通り、非常に小さい土星像が撮影できた。
しかし、「土星の環」は、そのままでは確認することは難しかった。
一方で、参考文献のブログ[20]には、同じコルキットで撮影したと思われる土星像が掲載されている。
そこで、「土星の環」の確認を目標に、次の画像処理を試みた。
(3)画像処理概要
・切り出し処理
土星の像は、画像の中央部に非常に小さく写る。
土星の画像情報を縮小せずにそのまま取り出すために、撮影画像(4608x3456)の中央部の640x480の領域を、そのまま切り出す処理を行った。
切り出し処理は、ImageMagickを用いた。
切り出し処理のコマンド例は、次の通りである。
magick convert 入力ファイル名 -gravity center -crop 640x480+0+0 出力ファイル名
・スタック処理、および、Wavelet処理
切り出した画像(ここではjpeg画像4枚)は、RegiStax6に読み込んだ後にスタック処理をデフォルト設定で行った。
その後のWavelet処理では、基本的にデフォルト値(Linear、Gaussian、Layer1,2、Contrast/Brightness)を用いたが、Layer3~6の設定値は、次の通りとした。
-Layer3、4、5、6のPreview値は、それぞれスライダで50、50、60、80程度に設定した。
-Layer3~6のDenoise値は、すべて0.3に設定した。
・bmp→jpeg変換
RegiStax6での処理後の出力画像は、bmp(ビットマップ)フォーマットである。
bmpからjpegへのフォーマット変換には、ImageMagickを用いた。
変換コマンド例は、次の通りである。
magick convert 入力ファイル.bmp -quality 100 出力ファイル.jpg
(4)画像処理結果
RegiStax6のAlign処理画面
RegiStax6のStack処理画面
2020-04-30 4:23 土星(等級:0.6、視半径:8.5")[10]
OLYMPUS E-PM2、コルキットスピカ 420mm F10.5
Sモード, ISO3200, 420mm x2(デジタルテレコン), F10.5, 1/20 sec, MF, 太陽光
※同じ撮影条件の4枚のjpeg画像を、RegiStax6でスタック処理のみ実施
RegiStax6のWavelet処理画面
2020-04-30 4:23 土星(等級:0.6、視半径:8.5")[10]
OLYMPUS E-PM2、コルキットスピカ 420mm F10.5
Sモード, ISO3200, 420mm x2(デジタルテレコン), F10.5, 1/20 sec, MF, 太陽光
※上記の処理後、Wavelet処理を追加して実施
・対物レンズ口径:40mm
・ドーズの分解能:2.90"[11]
・イメージセンサ分解能:3.68"相当[11]
(イメージセンサ画素ピッチ:3.74μm[11])
(5)まとめ
AstroStreetアリガタプレートを、コルキットスピカのアリガタ化に利活用した。
また、アリガタ化したコルキットスピカを用い、その分解能に近い視半径を持つ土星の直焦点撮影を試みた。
土星の撮影画像(jpeg画像4枚)に、RegiStax6の画像処理を行うことで、「土星の環」をかろうじて確認できた。
また、コルキットスピカは、小型軽量で非常に高性能である一方、取り扱い面では、特に直焦点撮影の際にはピント合わせがかなり難しいことが確認できた。
参考文献:
(1)コルキットスピカ
(2)コルキットの楽しみ方
(3)土星-Wikipedia
(4)RegiStax6
(5)RegiStax-Wikipedia
(6)ウェーブレット-Wikipedia
(7)ウェーブレット変換-Wikipedia
(8)ImageMagick
(9)ImageMagick-Wikipedia
(10)今日のほしぞら-国立天文台暦計算室
(11)望遠デジタルカメラの分解能-goo blog
(12)OLYMPUS E-PM2とコルキットスピカを用いた直焦点撮影-goo blog
(13)OLYMPUS E-PM2とコルキットスピカを用いた直焦点撮影(5)-goo blog
(14)OLYMPUS E-PM2とコルキットスピカを用いた直焦点撮影(8)-goo blog
(15)OLYMPUS E-PM2とコルキットスピカを用いた直焦点撮影(9)-goo blog
(16)OLYMPUS E-PM2とコルキットスピカを用いた直焦点撮影(11)-goo blog
(17)OLYMPUS E-PM2と遊星號を用いた直焦点撮影(5)-goo blog
(18)OLYMPUS E-PM2と遊星號を用いた直焦点撮影(3)-goo blog
(19)月と金星を撮影
(20)念願の土星!-goo blog
(21)コルキット・スピカで遊ぶ
(22)#コルキット twitter
(23)#コルキットスピカ Instagram posts
(24)観測所雑記帳