(1)CUSTOM-80MとSV305を用いた直焦点撮影概要
・撮影対象
リゲル[19]
シリウス[20]
・機材
望遠鏡:CUSTOM-80M 910mm F11[1-4](ヤフオクで入手:中古)
ファインダ:6x30ファインダー(FIELD 8°)
イメージセンサ:SVBONY SV305 CMOSイメージセンサ(SONY IMX290 1/2.8型 1920x1080 2.9μm)[5-8]
架台:ポルタ経緯台
・画像処理
パソコン:WindowsノートPC(Core i5 2.30GHz 、8GB、240GB-SSD)
イメージキャプチャ:SharpCap4.0[10] 撮影時間:約60秒(1000フレーム)、aviファイル
スタック処理:AS!3(AutoStakkert!3)[11] 取り込みフレームの品質上位50%をスタック
Wavelet処理:RegiStax6[12-13] AS!3からの出力画像(tif)をWavelet処理、傾き補正処理
後処理:ImageMagick[14] bmp→jpg変換、リサイズ処理、トリミング処理、GIFアニメ合成
画像解析:マカリ[15-16] レベル調整機能、対数表示機能、グラフ機能
(2)CUSTOM-80MとSV305を用いた直焦点撮影結果

2023-02-22 20:28 リゲル
SV305, CUSTOM-80M 910mm F11
Gain 300, Exp. 66.6ms, WB(B=122 G=128 R=286), 1920x1080, RGB24, FrameCount=1000, Duration=66.678s
※リゲル部分を2倍に拡大しトリミング(640x480)

マカリのグラフ機能(輝度分析)画面例
※リゲルAの中心から約14ピクセルの位置(離角:約9.2")にリゲルBの輝度のピークが確認できる

2023-02-22 20:05 シリウス(上が北)
SV305, CUSTOM-80M 910mm F11
Gain 300, Exp. 33.3ms, WB(B=0 G=128 R=0), 1920x1080, RGB24, FrameCount=1000, Duration=43.922s
※アクロマート[38]の色収差[39]の課題を軽減する目的で、WBをG成分のみとした
※シリウス周辺の8等星(画面右上に1つ、画面下に1つ、合計2つ)が確認できるようにマカリでレベル調整を実施
※星図と比較し、傾き補正を実施[32]
※シリウス部分とその周辺の8等星付近をトリミング(800x600)

シリウス部分を2倍に拡大し、トリミング(640x480)

2023-02-22 20:19 シリウス(上が北)
SV305, CUSTOM-80M 910mm x2(デジタル処理) F11
Gain 300, Exp. 16.6ms, WB(B=0 G=128 R=0), 1920x1080, RGB24, FrameCount=1000, Duration=43.900s
※露出を変えてシリウスを撮影。さらに、上記と同様にレベル調整および傾き補正を実施
※シリウス部分をトリミング(640x480)

シリウス(上が北)とシリウスBの計算軌道
上:上記の露出を変えて撮影したシリウス画像2枚をGIFアニメに合成
対物レンズや鏡筒に依存する光条は動くが、シリウスBは動かないのでシリウスBを特定できる
中:マカリのグラフ機能(輝度分析)画面例
下:2023年のシリウスBの計算軌道[32]
※シリウスBの計算軌道と撮像画像を比較
※シリウスBの期待される位置に、シリウスB星(離角:約11.9"=約18ピクセル、位置角:約62.5°)が確認できる
・対物レンズ口径:80mm
・ドーズの分解能:1.45"
・イメージセンサ分解能:1.32"相当
(イメージセンサ画素ピッチ:2.9μm)
・倍率(FOV):x243(0.35°)
(3)まとめ
CUSTOM-80Mに、SV305を取り付けて、直焦点撮影を試みた。
都内の星空において、リゲル、シリウスの撮影を試みた。
シリウスについては、シリウス周辺の8等星を手がかりに星図との比較による傾き補正(上が北)を行った。
撮影した画像をマカリで分析した結果、リゲルBとシリウスBが確認できた。
参考文献:
(1)
ビクセン (企業)-Wikipedia
(2)
天体望遠鏡、買いました-うららkaブログ版
(3)
ビクセン カスタム80M
(4)
機材紹介-Star Stars
(5)
SV305デジアイピースの使用方法
(6)
SVBONY SV305 取扱説明書
(7)
Svbony SV305 Camera FAQ
(8)
IMX290NQV-SONY
(9)
SVBONY CLSフィルター 1.25インチ光害カットフィルター 天体観察 天体撮影
(10)
SharpCap
(11)
AUTOSTAKKERT!
(12)
RegiStax6
(13)
RegiStax-Wikipedia
(14)
ImageMagick
(15)
すばる画像解析ソフト-Makali`i-配布サイト
(16)
マカリ:Makali`i 超入門編(マニュアル)
(17)
今日のほしぞら
(18)
Stellarium-Web
(19)
リゲル-Wikipedia
(20)
シリウス-Wikipedia
(21)
連星-Wikipedia
(22)
カテゴリー 恒星(b)-KIMUKAZU blog
(23)
遊星號とSV305を用いた直焦点撮影(9)-goo blog
(24)
CUSTOM-80MとSV305を用いた直焦点撮影(4)-goo blog
(25)
リゲル-天体写真ギャラリー
(26)
二重星(Double Star)-阿南市科学センター/天文館 - 冬の二重星
(27)
シリウスBにご注目 - 阿南市科学センター / 天文館 blog
(28)
Sirius B-西はりま天文台
(29)
シリウスの伴星Bを観測するチャンス到来!-EYEBELL
(30)
シリウスの伴星 観測好機-おさのフォト日記
(31)
観察報告の集計-シリウスBチャレンジ
(32)
観察しよう-シリウスBチャレンジ
(33)
恒星-NAOJ
(34)天文年鑑2023年版、天文年鑑編集委員会 編、発行所 誠文堂新光社、2022年11月28日発行、pp.192-193、pp.356-359.
(35)山田 卓 著、肉眼・双眼鏡・小望遠鏡によるほしぞらの探訪<<新装版>>、発行所 地人書館、2017年4月15日新装版第1刷、pp.303-315.
(36)
シーイング-Wikipedia
(37)
The Pickering Seeing Scale
(38)
アクロマート-Wikipedia
(39)
色収差-Wikipedia
(40)
フラウンホーファー線-Wikipedia