MAK127SPとNeptune-C Ⅱを用いた直焦点撮影（２）

（１）MAK127SPとNeptune-C Ⅱを用いた直焦点撮影概要
　・撮影対象
　　金星[16]
　　木星[17-19]
　　土星[20-23]
　・機材
　　望遠鏡：Sky-Watcher MAK127SP 1500mm F12[1-4]
　　ファインダ：AstroStreet 8x50mm 90°正立像ファインダ
　　イメージセンサ：Player One Neptune-C Ⅱ（SONY IMX464 1/1.8型 2712x1538 2.9μm）[5-6,8]
　　フィルタ：Player One IR850nm 1.25″ IR-Pass Filter[7,8]
　　架台：ポルタ経緯台
　・画像処理
　　パソコン：WindowsノートPC（Core i5 2.30GHz 、8GB、240GB-SSD）
　　イメージキャプチャ：SharpCap4.0[9]　撮影時間：約20秒（約900フレーム）、aviファイル
　　スタック処理：AS!3(AutoStakkert!3)[10]　取り込みフレームの品質上位50%をスタック
　　Wavelet処理：RegiStax6[11-12]　AS!3からの出力画像（tif）をWavelet処理
　　後処理：ImageMagick[13]　bmp→jpg変換、トリミング処理

（２）金星、木星、土星の近赤外光での撮影結果（上が北）

・金星

2021-11-28　16:49　金星（等級：-4.9、視半径：18.6"）[14]
Neptune-C Ⅱ, MAK127SP 1500mm F12 （IR850）
Neptune-C Ⅱ, Gain 20, Exp. 8.0ms, WB(B=50 G=0 R=50), ROI 1920x1080, RGB24
※カラーイメージセンサを近赤外光（波長850nm帯）のモノクロモードで使用するため、WBを上記の通りに設定した
※金星付近をトリミング（640x480）
金星の満ち欠けは確認できるが、金星の模様は、確認できなかった。

・木星

2021-11-28　17:20　木星（等級：-2.3、視半径：19.3"）[14]
Neptune-C Ⅱ, MAK127SP 1500mm F12 （IR850）
Neptune-C Ⅱ, Gain 300, Exp. 16.6ms, WB(B=50 G=0 R=50), ROI 1920x1080, RGB24
※カラーイメージセンサを近赤外光（波長850nm帯）のモノクロモードで使用するため、WBを上記の通りに設定した
※木星付近をトリミング（854x480）
木星の模様、および、ガリレオ衛星（イオ、エウロパ）が確認できる。

・土星

2021-11-28　17:35　土星（等級：0.7、視半径：8.0"）[14]
Neptune-C Ⅱ, MAK127SP 1500mm F12 （IR850）
Neptune-C Ⅱ, Gain 400, Exp. 16.6ms, WB(B=50 G=0 R=50), ROI 1920x1080, RGB24
※カラーイメージセンサを近赤外光（波長850nm帯）のモノクロモードで使用するため、WBを上記の通りに設定した
※土星付近をトリミング（640x480）
土星の模様と環が確認できる。

・口径：127mm
・ドーズの分解能：0.91"
・イメージセンサ分解能：0.80"相当
（イメージセンサ画素ピッチ：2.9μm）
・倍率（FOV）：x257（0.17°）

（３）まとめ
MAK127SPに、近赤外光フィルタIR850を装着したNeptune-C Ⅱ（近赤外光領域において感度あり）を取り付けて、金星、木星、土星の直焦点撮影を試みた。
イメージキャプチャにShapCap4.0を用い、また、撮影データのスタック処理、Wavelet処理に、それぞれ、AS!3、RegiStax6を用いた。
日没直前の明るい星空においても、近赤外光で観察することで、それぞれの惑星（金星、木星、土星）の良好な画像が得られた。

参考文献：
(1)Maksutov Cassegrains
(2)マクストフカセグレン式望遠鏡-Wikipedia
(3)Sky-Watcher-Wikipedia
(4)Sky-Watcher Global Website
(5)Neptune-C II USB3.0 Color Camera (IMX464)
(6)SONY IMX464LQR
(7)S-series IR850nm 1.25″ IR-Pass Filter
(8)Player One - Cameras and Astrophotography
(9)SharpCap
(10)AUTOSTAKKERT!
(11)RegiStax6
(12)RegiStax-Wikipedia
(13)ImageMagick
(14)今日のほしぞら
(15)Stellarium-Web
(16)金星-Wikipedia
(17)木星-Wikipedia
(18)ガリレオ衛星-Wikipedia
(19)Galilean Moons of Jupiter
(20)土星-Wikipedia
(21)土星の環-Wikipedia
(22)土星の衛星-Wikipedia
(23)Saturn's Satellites
(24)MAK127SPとNeptune-C Ⅱを用いた直焦点撮影-goo blog
(25)渡邉 耕平 著、”電視観望実践ガイドブック Ver 1.1”、サイトロンジャパン発行、2021年11月17日第二版発行
(26)NEPTUNE-C IIで月と惑星撮影
(27)NEPTUNE-CIIでスタッフが惑星撮ってみました
(28)Player Oneの新CMOSカメラでの電視観望-ほしぞloveログ
(29)ASI290MCで惑星撮影 (その7) ― IR850nm Pass Filter
(30)ASI290MCで惑星撮影 (その4) ― 1.25″ UV/IR Cut Filter
(31)近赤外で系外銀河
(32)カラーカメラでの近赤外撮影～撮れるの？撮れないの？
(33)赤外線-Wikipedia
(34)赤外線天文学-Wikipedia
(35)Venus Section of ALPO-Japan-Latest