3月7日中国新聞天風録より
サイクリングで人気の瀬戸内しまなみ海道は「橋の美術館」とも呼ばれる。尾道と今治を結ぶ7橋のどれが一番絵になるかと問われれば、小ぶりの大三島橋を挙げたい。幅300メートルの海峡をひとまたぎするアーチは簡素にして優美。しかも安定感がある
アーチ橋は古代ローマで広まった。弓形の構造は上から圧縮する力が働いて固く締まる。そんな造形の力学が落ち着いた曲線美を生み出す。地元では、木材を用いた岩国の錦帯橋がさきがけだろう。新顔のデビューも相次ぐというから楽しみだ
来月20日に開通するのは三原市本郷町の広島空港大橋だ。橋を下から支える長さ380メートルのアーチは国内最長。遠くからだと谷間に架かる銀色の虹のよう。谷底から見上げると天空のオブジェである
そこから南西に約40キロ。呉市の音戸瀬戸に来月24日、工場で造られた深紅のアーチが取り付けられる。第2音戸大橋だ。こちらは橋をつり下げるタイプで国内4番目の全長280メートル。初代との競演が見ものだ
橋を架ける時は通常、両岸から相方を目指してアーチを伸ばす。それぞれの岸の地盤が堅固なことも大前提だ。つい頭をよぎるのは与野党が激突するねじれ国会のことだ。国民生活の安定のため、両岸からアーチを伸ばすことはできないか
以上
残り写真 椿・白梅




サイクリングで人気の瀬戸内しまなみ海道は「橋の美術館」とも呼ばれる。尾道と今治を結ぶ7橋のどれが一番絵になるかと問われれば、小ぶりの大三島橋を挙げたい。幅300メートルの海峡をひとまたぎするアーチは簡素にして優美。しかも安定感がある
アーチ橋は古代ローマで広まった。弓形の構造は上から圧縮する力が働いて固く締まる。そんな造形の力学が落ち着いた曲線美を生み出す。地元では、木材を用いた岩国の錦帯橋がさきがけだろう。新顔のデビューも相次ぐというから楽しみだ
来月20日に開通するのは三原市本郷町の広島空港大橋だ。橋を下から支える長さ380メートルのアーチは国内最長。遠くからだと谷間に架かる銀色の虹のよう。谷底から見上げると天空のオブジェである
そこから南西に約40キロ。呉市の音戸瀬戸に来月24日、工場で造られた深紅のアーチが取り付けられる。第2音戸大橋だ。こちらは橋をつり下げるタイプで国内4番目の全長280メートル。初代との競演が見ものだ
橋を架ける時は通常、両岸から相方を目指してアーチを伸ばす。それぞれの岸の地盤が堅固なことも大前提だ。つい頭をよぎるのは与野党が激突するねじれ国会のことだ。国民生活の安定のため、両岸からアーチを伸ばすことはできないか
以上
残り写真 椿・白梅



