『黒狗』の小屋

毎週、(金)に特撮作品の感想、(日)に漫画の感想を書いてます。

三大特撮感想(2024/1/28分)

2024-02-02 19:05:42 | 日記

ウルトラマンブレーザー

第21話「天空の激戦」は、ヤスノブさんをメインとして、「SKaRD」の絆がピンチを乗り越える事でグッと強まったストーリー展開でした。

次から次へと強力かつ厄介な能力を持ち合わせた怪獣が出現し、何かを隠している上層部としては頭が痛い日々が続いている。まぁ、その上層部の無茶振りで、余計な仕事を増やされるのが、現場なんだけど。今後、更に強い怪獣が出現しても被害を拡大させないために、アースガロンの強化が急がれていた。そして、今回、アースガロンに装備されたのが、空中戦用の翼。ますます、カッコよくなっていくな、アースガロン。

しかし、強力な装備を付けた分、訓練はより苛酷になっていくのが、世の常。搭乗員の安全は確保されるシステムにはなっちゃいるんだろうが、やっぱり、さすがに、マッハ9はえげつないって。アンリさんがスタミナお化けすぎる脳筋系美女なだけであって、ヤスノブさんだって、日々、鍛えているんだから、人並み以上の体力と頑強な体を持ち合わせている。それでも、人間、向き不向きっつーか、耐えられない負荷はある。マッハ9のGで意識が飛んだヤスノブさんは、決して、貧弱じゃないよな。とは言え、万が一に備えておきたい上層部が、ヤスノブさんをパイロットから外したのを、100%間違っている、と責めるのも、これはこれで違う。

パイロットから外された事はショックだが、決して、ここで不貞腐れたりしないのが、ヤスノブさんの立派な所。次のチャンスを掴んだ時、もう、失神しないように、と自分をとことんまで追い込んで、Gへの耐性を上げようとしているヤスノブさん、輝いてるわ。そんなヤスノブさんが、何とか戦っているプレッシャーを、何倍にもするような事態が発生。まぁ、怪獣にタイミングを考えろって文句を言うのは筋違いだろうが、ここで出るか、よりにもよって、デルタンダル。しかも、先の個体よりもデカい上に、光弾で爆撃してくるのかよ!?

ゲントの利かした機転(まぁ、揚げ足取りともいうが)で、アースガロンMod.3に搭乗したヤスノブさんとアンリさん。雪辱を果たすべく、二人は空を翔ける鋼の獣で、デルタンダルBへ立ち向かう。アンリが操縦、ヤスノブさんが射撃、と役割分担をきっちりと熟す事で、互角ギリギリの戦いを繰り広げられていた。そんな二人をサポートすべく、ブレーザーも参戦。しかし、まさか、大気圏内を突破する戦いになるとは。アースファイヤーによって、致命傷を負ったデルタンダルBが巻き添えにしてやろう、とアースガロンへ突っ込んでいきましたが、勝負がしっかりと付いた以上、ブレーザーが遠慮をする必要もない。引き際を弁えないデルタンダルBを、その勢いを利用して、一刀両断した所はスカッとしましたね。

 

王様戦隊キングオージャー

第46話「命の美しさを知れ」は、毎度のことながら、ストーリーの良い意味での重さに、体が芯から震えましたね。

表裏一体の代表格と言ってもいい「生と死」についてを、この時間に問われるとは思っていませんでした。人類全員が不死になる、それは、ある意味、医療従事者からしたら、嬉しい事でしょう。理不尽な理由で家族が引き裂かれる事は無くなるんですから。また、自分の無力さに打ちひしがれる医師もいなくなります。死者を蘇らせる事も可能のであれば、死に別れた大切な人との再会を望む人も多いのも確かです。

でも、それが、本当に、幸せなのか、と問われたら、迷ってしまうのが、人なんでしょうね。どうせ、死ぬんだから、どんだけ努力をしても無駄だ、と言う人はいます。そういう、つまらない、ダグデドに匹敵するクズは別にして、人間はいつか、死ぬ。だからこそ、最期に、自分の生き方は間違っていなかった、これだけの努力を積み重ねた上で、この終わり方を迎えるのなら、杭はない、と思えるように、全力で今を生きるんじゃないでしょうか。死ななくなったら、人間は、全力で生きる事を止めてしまいます。そうなったら、それは、果たして、人と言えるんでしょうかね。

医者でありながら、ありとあらゆる命を刈り取る力を継承したヒメノ様。猛毒を武器とする身ながら、老いず死なずの力を継承していたジェラミー。どちらも、家族と再会したい気持ちはあるし、今、生きている大切な仲間とずっと一緒にいたい気持ちもある。けれど、ヒメノ様は花は枯れるからこそ美しく、その種が新しい花を咲かす、これもまた美の形であると知っていますし、ジェラミーの中には、ギラたちと共に老いて、墓に埋葬されたいって願いもありました。ヒメノ様が一人で決めた一方で、ジェラミーがゲロウジームに弱音をポロリと吐き、優しい言葉をかけられた事で決断したのも印象的でした。

そして、ついに、ヒメノ様とジェラミーは、グローディへ再び、立ち向かいます。シュゴッドソウルを大量に摂取させられた事で動く屍と堕ちた存在、それが、グローディでした。不死、ではなく、既に死んでいるからこそ殺せなかったんですね。じゃあ、どう倒すか。鍵となったのが、ジェラミーが継承した「永遠の命」でした。死んでいる者に、新たな命を与えて、生き返らせたのならば殺せる。道理が通っています。しかし、ここでまさか、命を得て、生き生きとしたグローディが「神の怒り」を再び起こすとは・・・うーん、イイ引っ張り方をしてくれる。個人的に気になるのは、ダグデドは、どこの誰に大量のシュゴッドソウルを無理矢理に食わせて、グローディを生み出したんでしょう。

 

仮面ライダーガッチャード

第20話「微笑む天使、笑えぬ真実」は、とことん、スパナを曇らせる展開でしたね。彼が、仮面ライダーとして覚醒するためには必要な事だってのは、頭じゃ解っていますけど、そこまでせんでも、と思っちゃいました、観てて。

最初は、自分の方が、明らかに優れていて、何度も、力の差を見せつけられたのに、宝太郎は決して挫けず、自分を信じて、仲間を信じて、何より、ケミーを信じて、人間としても、仮面ライダーとしても成長し、今や、敗戦続きの自分を上回る強さを手に入れた。りんねの方も、目的の為に守っていた相手なのに、自分のルールを貫く強さを手に入れ、仮面ライダーマジェードへの変身を果たしたんですから、そりゃ、スパナとしちゃ、焦りが募っても、しゃあない。

そのタイミングで、嫌な事をしてくるのがグリオンなんだよな。「エンジェリード」で生み出したエンジェルマルガムの死者を蘇らせる力で、スパナと父母を再会させ、喜びに浸らせたところで、再び、父母をスパナの目の前で消し去って、絶望のどん底に叩き落とすって、悪役としての定石を守り過ぎだろ。

どうして、スパナが、いきなり現れた父母を偽者と決めつけず、逆に喜んでしまったのか。それは、スパナの師匠である鏡花さんが、グリオンへの憎しみ、両親を喪った哀しみ、そして、何も出来なかった自分への怒りで、自分自身を苦しめてしまうスパナを守るために、彼の記憶を消していたからだった。天才だからこそ、その才が、どれだけ危険で、制御するのが難しいか、を鏡花さんは知っており、同時に、スパナだったら、その才能を自分の意志で制御下に置ける、と信じていたに違いない。

そんな師弟の絆を踏み躙るグリオン、とことん、ゲスい。グリオンの思惑通り、心を憎しみに染められたスパナは、マッドウィールを取り込んで、ウィールマルガムに変貌してしまった。仮面ライダーは、己の悲しみを仮面で隠しているって設定持ちだからこそ、ウィールマルガムが仮面を剥がした意匠になっているのが印象的ですよね。果たして、スパナは、ここまで深い憎悪を、どうやって飲み込んで、自分の力に変えて、仮面ライダーとしての覚醒を果たすんでしょうか。個人的には、スパナを見下しながらも、何だかんだで、気になっている様子の、ラケシスが喝を入れてた事を契機にして、目が覚めたら最高じゃないかな、とは思ってますが。

 


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