ザックリいえば、国民一人あたりに1万5千円をお恵みくださる、というアイデアだ。
さらにひと言で言い表すならば、バラマキ政策といえる。
この定額給付金について、いま与党で問題になってるのが、
高所得者 -金持ち- にもわたす必要があるのか?
子育て家庭や高齢者に手厚くすべき
という「所得制限」について。
ある意味、もっともな意見だと思う。
この定額給付金は、形を変えた減税だという。
ならば、税金未払いのひとに給付金を渡していいのだろうか?
この政策は多くの矛盾を孕んでいる。
アメリカ素描 (新潮文庫) 司馬 遼太郎 価格:¥ 740(税込) 発売日:1989-04 |
話は変わるみたいだけど、
いま、司馬遼太郎の「アメリカ素描」という紀行文を読んでいる。
時にはラフに、時には精緻に、時には激しく、そして時には切なく、
司馬さん独特の視線で、20年前ほどまえのアメリカ社会を自在に切りまくっている。
当時、日本はバブルだったんだろう。
司馬さんは、土地神話に根ざしたバブル景気の破綻を見事に予言している。
さらに驚くことに、
ウォール街を訪れた司馬さんは金融工学の危うさを直感し、
過剰な投機について警鐘を鳴らしている。
もちろん司馬さん自身は新聞の証券欄を1度も読んだことがないし、
証券に携わっているひとをけっして卑下などしていない。
つまりは、サブプライム問題やリーマン・ショックすら予言していた。
司馬さんは、メディアや時代の気分などに左右されない、
裸の瞳 -Naked Eyes- を持っていたとしか思えない。
今後、さらなる不況が僕たちを襲うだろう。
僕も、経営者として、苦しいジャッジを下すこともあるに違いない。
愚かであれ、賢明であれ、Naked Eyes で判断することを心がけたい。