SIDEWALK TALK

東と西

Higashitonishi先日の出張のとき、旅の友に1冊の本を駅で購入した。

対談集 『東と西』

司馬遼太郎さんの対談集で、
対談相手は、アルヴィン・D・クックス、開高健、李御寧、
桑原武夫、エドウィン・O・ライシャワー… and more 。
タイトルが示すとおり、洋の東西を問わず、
ユニーク(独特)かつ精緻な日本史観をもった論客たちとの対談が悠々と繰りひろげられている。


まだ読破してないけど、
「多様な中世像・日本像」
と題された、網野善彦氏との対談パートはとくに興味深かった。


話は多岐にわたっていて、さまざまな視点から日本の中世を浮かび上がらせてるんだけど、
「中国と日本には、文章語と口語が二元的に古くからある」
という仮説には目から鱗が落ちる思いがした。


中国のことは知らないが、
江戸時代以前、九州人(薩摩人)と東北人(津軽人)では言葉が通じなかったに違いない。
でも文章語となると、この僕ですら、どちらの古文書も読むことができる。
これは謡(能楽)や浄瑠璃の功績らしい。


中国も同じらしく、
福建語と広東語は通じなくても、文書ならば共通ということらしい。
同じ文章を、福建人は福建語で、広東人は広東語で、北京のひとは北京語で読むことができるそうだ。
科挙の試験もそれぞれの言語で学習していた、と網野氏は検証されてる。
僕は、これは秦の始皇帝の政策によるものだと思うが、もちろん素人の当てずっぽうだ。


まだそこまで行き着いてないけど、李御寧(イ・オリオン)氏との対談もたのしみだ。
司馬さんの朝鮮半島に対する感覚は平明だから、
李氏との「日韓論」は抜き差しならない内容になっているに違いない。


またクックス氏との対談に触れて、ノモンハン事件についての本を読みたくなった。
僕には若いころからこの欲求が常にあるんだけど、未だにフィットする本に巡り逢っていない。

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