国が解決責任を負うべき約7割の被害者と、それ以外の3割の被害者を選別し、
未提訴者も含め計30億円を原告側が設立する財団に支払う
…という内容。
骨子案の8億円からは大幅増額していて、
舛添大臣曰く「事実上の全員救済」として提示したが、原告団はこれを拒否。
あくまでも全員一律救済の政治決断を求め、和解協議を中止する意向を表明した。
春夏秋冬 SION 価格:¥ 2,500(税込) 発売日:2004-03-24 |
僕は、親父を4年ほど前に亡くした。
直接の死因は呼吸器系の疾患だったが、その病根は C 型肝炎だった。
亡父の肝炎は薬害じゃなかったと思ってるけど、
この和解協議、どうしても原告団の方に肩入れをしてしまう。
一連の原告団の主張と国側の対応をみていると、どっちが国家なのかわかんない。
僕は、商売人だからか、
「事実上の全員救済」ならいいじゃないか
と、思わなくはない。
けど、原告団は逡巡なく和解案を一蹴した。
今回、原告団がこの和解案を拒否したのは、肝炎患者だけじゃなく、
今後も発生するかもしれない他の薬害患者のために、
司法をこえた政治決断の道筋をつけ先鞭をつける役割を担おうとしているからだ。
国家の定義を「国民の生命・財産を守る機構」とするならば、
原告団の主張こそ国家そのもだといえるのではないだろうか。
今回の和解案に失望した原告団の代表のひとりが、記者会見で、
泉谷しげるの名曲 「春夏秋冬」のリリックの一部を引用して、
その無念さを表現していたのには胸が締めつけられる思いがした。
「今日ですべてが終わる。今日ですべてが報われる。と、思っていたけど、みんなゴメンね」
季節のない街で、原告団の闘いは続いていく。
春夏秋冬
季節のない街に生まれ
風のない丘に育ち
愛のない家を出て
愛のない人にあう
人のために よかれと思い
西から東へ かけずりまわる
やっとみつけた やさしさは
いともたやすく しなびた
春をながめる 余裕もなく
夏をのりきる 力もなく
秋の枯葉に 身をつつみ
冬に骨身を さらけ出す
今日ですべてが終わるさ
今日ですべてが変わる
今日ですべてが報われる
今日ですべてが始まるさ