茶道の創始のころの抹茶碗の研究に
生涯を捧げている方がおられる。
そのご先祖は室町時代に渡来し、事実、抹茶碗を作陶した。
先日、ご機嫌伺いにお邪魔した。
ことのほかお喜びいただいて、2時間ほど持論を伺う僥倖を得た。
茶道の起源、「井戸茶碗」や「楽茶碗」などの土や工法などについての
精緻な見解を拝聴した。
時代としては、やはりご先祖が来朝された室町時代中期のころだ。
非常に興味深い話だったのだけど、
僕の室町時代についての知識が乏しく、半分も理解できなかった。
説明の中に、夢窓疎石、春屋妙葩、義堂周信、絶海中津などの
禅僧の名がでてきた。
聞いたことがある名前だが、どんな人物だったか朧気だ。
来週、再訪するにあたり、少し勉強してみようと思っている。
司馬遼太郎さんだったと思うが、
「私たち(現代の日本人)は室町の子といえる」
と、何かに書いておられた。
床の間など、いま日本建築とよんでるのは室町末期に完成した書院造であり、
歌舞伎や日舞の源流といえる能狂言もこの時代におこり、
茶道や華道もこの時代を源流としている。
さらに行儀作法や婚礼の儀式なども、
室町幕府が定めた武家礼式が原典となっている。
なのに、義務教育で、この時代のことはあまり教わらなかった。
いま、室町時代について効率よく知識を得られる、
言うなれば怠け者に都合のいい書籍を探しているのだけど、
なかなか巡り逢えない。
「室町の子」としては、自分の原形みたいなものを見つけたいと思う。
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