「和食(日本人の伝統的な食文化)」が登録された。
むろん日本人として誇らしく喜ばしいし、
登録に向けた活動に取り組んできた人びとの労をねぎらいたい。
TPP で何かと農産品の間税問題が喧しい昨今、
日本食材の輸出増加という有形の実利もあるかもしれない。
しかし、現代の日本人で(とりわけ自分自身がそうなのだけど)
一汁三菜のスタイルで食事している人などほんの一部にちがいない。
子ども達のみならず、いまや大人でも
ファストフード、ハンバーグ、カレー、パスタを好物にあげる人が多い。
報道によると、ユネスコへの提案書では、
和食を「自然を尊重する日本人の精神を体現した食に関する社会的慣習」と位置づけた上、
(1)正月や田植えなど年中行事との密接な関わり
(2)四季や地理的多様性による新鮮な山海の幸
(3)自然をあらわした美しい盛り付け
などを特色に挙げていた。
いや、これ崩壊してるよね。
そもそも「和食」の定義とは何だろう?
広義に解釈すれば、ラーメンもカレーライスもナポリタンも餃子も和食といえる。
けど、日本側の申請者もユネスコも、これを了としないだろう。
一汁三菜どころか、お膳に料理をのせて食べることさえ稀。
そもそも一般家庭には、そのお膳すらないのでないだろうか?
さらに言えば、お箸をきちんと使える日本人も減っているにちがいない。
クドクドととりとめなく書き連ねてきたけど、
この世界遺産登録は、日本人が和食を見つめ直す契機になれば
さらに意義深いものになると思う。
かく言う僕自身が深く反省すべきだし、
自戒の意味を込めてこのエントリーを綴ってみた。
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