作家の小川洋子さんが未来に残したい文学遺産を毎週1作品ずつ紹介する番組で、
番組では、小川さんがその作品からインスパイアされた楽曲がオンエアされている。
普段、この ML にはゲストはこないんだけど、
今朝の放送では、なんと!佐野元春が特別にゲスト出演していた。
今週フィーチャーされた作品は J.D. サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』で、
なるほど、小川さんが佐野さんに特に出演をオファーしたんだろう。
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僕などの稚拙な鑑賞力では、主人公ホールデン・コールフィールドは、
大人の世界のインチキを見抜く反抗的で混乱した精神の持ち主にしかみえないんだけど、
佐野さんや小川さんには、むしろ優しすぎる繊細な少年というイメージのようだ。
番組中、佐野さんが絶妙な表現でホールデンのことを解説していた。
「ホールデンは、都市に住むトム・ソーヤやハックルベリー・フィンだ」
目から鱗が落ちる思いがした。
トムやハックの舞台が大自然だったのに対して、
ホールデンのそれは猥雑な都市だっただけだ
というのだ。
ティーンの男の子特有の冒険心というものが双方ともにあり、
不思議なものを不思議に感じて行動を起こすという部分も共通している。
この視点で、もう1度『ライ麦…』を読みたくなった。
来週の ML にも佐野さんがゲスト出演するらしい。
来週は、どの作品が紹介されるのだろう?
ベタなところでは、ヘルマン・ヘッセの『車輪の下』あたりだろうか?
もしくは、アレン・ギンズバーグやジャック・ケルアックなどのビートニクの特集かもしれない。