SIDEWALK TALK

都市のハックルベリー

好きな FM プログラムのひとつに、「 Melodious Library 」という番組がある。
作家の小川洋子さんが未来に残したい文学遺産を毎週1作品ずつ紹介する番組で、
番組では、小川さんがその作品からインスパイアされた楽曲がオンエアされている。


普段、この ML にはゲストはこないんだけど、
今朝の放送では、なんと!佐野元春が特別にゲスト出演していた。
今週フィーチャーされた作品は J.D. サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』で、
なるほど、小川さんが佐野さんに特に出演をオファーしたんだろう。


The Catcher in the Rye The Catcher in the Rye

 J.D. Salinger
 価格:¥ 670(税込)
 発売日:1991-05-01



僕などの稚拙な鑑賞力では、主人公ホールデン・コールフィールドは、
大人の世界のインチキを見抜く反抗的で混乱した精神の持ち主にしかみえないんだけど、
佐野さんや小川さんには、むしろ優しすぎる繊細な少年というイメージのようだ。


番組中、佐野さんが絶妙な表現でホールデンのことを解説していた。

「ホールデンは、都市に住むトム・ソーヤやハックルベリー・フィンだ」


目から鱗が落ちる思いがした。
トムやハックの舞台が大自然だったのに対して、
ホールデンのそれは猥雑な都市だっただけだ
というのだ。


ティーンの男の子特有の冒険心というものが双方ともにあり、
不思議なものを不思議に感じて行動を起こすという部分も共通している。
この視点で、もう1度『ライ麦…』を読みたくなった。


来週の ML にも佐野さんがゲスト出演するらしい。
来週は、どの作品が紹介されるのだろう?
ベタなところでは、ヘルマン・ヘッセの『車輪の下』あたりだろうか?
もしくは、アレン・ギンズバーグやジャック・ケルアックなどのビートニクの特集かもしれない。

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コメント一覧

mf >> morinomoto さん
  
http://www.kiribako.net/
  
こんにちは!
中1でサリンジャーとは、早熟ですね。
全編を通して一人称で綴られていて、
友だちの話を聞いてるような気安さがあるから、
中1でも問題ないのかもしれませんね。
僕の場合、読み返すためには、まず本の在りかを探さなければ…
mf >> daisymoon さん
  
http://www.kiribako.net/
  
daisymoon さんが佐野さん関連のことを忘れるなんて…
めずらしいこともあるもんですね。
僕も忘れてたんですが、幸運にも偶然きくことができました。
  
daisymoon さんもおそらくご存じの
子ども時分のエピソードなども披露していて、ウケをとってましたよ。
サリンジャー関連では『ゾーイとフラニー』にも触れて、
『ライ麦…』同様、妹が登場することで親近感を覚えてたなど、
語っておられました。
morinomoto
こんにちわ^^
http://ameblo.jp/joenjoyu-2008/
こんにちわ^^
わたしも『ライ麦~』を読み返したくなりました。
息子が中学1年のときに読み、小説の世界観がガラリと変わったらしく
以来、本は息子の部屋が定位置なのですが貸してもらいます笑。
daisymoon
わぁ~、忘れてた。
わぁ~、忘れてた。
昨日から娘の好きなグループのコンサートのことやいろいろですっかり頭から消えていました。
でもここで内容がわかり良かったです。ありがとうございます。
元春らしいな~と。。。来週は忘れないようにしないとっ。
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