
友情やご縁というものを大切にされるお人柄なんだろう、
親父が亡くなったあとも、帰郷するたびにお参りにきてくれる。
この A さんが、江戸城再建プロジェクトというのに
深く関わっておられる。
教科書風になるが、
江戸城天守閣は、明暦3年(1657年)の「明暦の大火」によって消失し、
その後、今日に至るまで350年間、ついに再建されることはなかった。
皇居東御苑には、その焼失した寛永期天守閣の台座が、いまも遺されている。
権力の象徴ともいうべき天守閣を、なぜ幕府は再建しなかったんだろう。
おそらく幕藩体制も安定期を迎えていて、
平和な時代には無用な長物だという平衡感覚が当時の幕閣にはあったかと思われる。
幕府は大火後、天守閣再建よりも、むしろ江戸のまちの防火対策に心をくだいた。
むろん A さんたちは、権威の象徴として天守閣を再建しようとしてるんじゃない。
平成の御代の閉塞感をブレイクスルーする起爆剤に、と考えているようだ。
小難しくいえば、観光立国と平和のシンボルとして天守閣をとらえ、
後生への歴史の贈りものにしようとされている。
何かお手伝いをしたいと前々から思っていたんだけど、
僕にはそんな力はない。
この度、PR のためのピンバッジを作製することを耳にした。
そこで、桐箱を提供させていただいた。
ちっぽけな桐箱など、
江戸城再建という壮大な夢の前では、毛ほどの力にもならないだろう。
それでも、A さんのご厚情に少しでも応えられてたらいいのだけど…。