SIDEWALK TALK

「New Age」考

Visitorsきのう苗場のロックフェスで、
佐野元春がアルバム『VISITORS』の再現ライヴをおこなった。
早いもので、今年がリリース30周年の節目にあたるらしい。
リリース直後は「戸惑い」と「称賛」に評価が二分されていたが、
僕はどちらかといえば「戸惑い」派だった。


戸惑っていた僕だけど、すんなり受け入れられた曲もあった。
「Visitors」「Sunday Morning Blue」
そして、今回考察してみる「New Age」だ。


この楽曲のテーマ(or モチーフ)は、何なのだろう?
僕はずっと疑問に思ってきた。
1980年代の米国で制作されたことから察して、
New Age Movement(ニューエイジ運動)の影響があるんじゃないだろうか?
と、ずっと独り合点していた。


この運動がいうところの「ニューエイジ」には、「新しい時代」の他に、
「新しい世界」「新しい思想」が含意されている。
「ヨハネの黙示録」にこの表現があり、
キリスト教徒の一部の宗派が採用している「千年思想」が背景にあると言われている。


教科書(神学)ふうにいうと、
神と悪魔の戦いが千年続き、最後に神が勝利して、
新しい世界(New Age)がやってくるというものだ。
基本的には、伝統的な教えの中から、古くて役に立たない教えを廃し、
真の意味での教えを明らかにしようという運動である。


New Age Movement について述べるとキリがないんだけど、
以下のように、功罪が相半ばしている。
ニューエイジは、ラディカルな社会運動と結びつきやすく、
環境運動やフェミニズムの進化に好影響を及ぼしたが、
反面、カルト宗教を生み出す素地になりやすいといったマイナス面がある。


僕は、佐野さんが New Age Movement について
コメントをしているのを聞いたことはない。
けど「New Age」は、この運動の影響を受けてつくられたような気がしていた。
New Age Movement は、60年代のカウンターカルチャーをその直接の起源とする。
当時のカウンターカルチャーだったヒップホップ・カルチャーの渦の中で、
佐野さんがこの運動を表現したのだと確信めいたものもあった。


けれど、この考察は僕の思い違いだった、
ファン誌「Café Bohemia」2014 夏 Vol.134 に、
「New Age」について佐野さん自身の言葉で述べられている記事が載っていた。


憂鬱か甘美か一言では言えない複雑な未来に思いを馳せて作った曲


詳細はここでは触れないが、僕のひねくれた考察とは真逆の
もっとロマンティックな衝動で書かれた曲だということがわかった。
長年の澱が落ちたような感覚があって、
僕は今まで以上に「New Age」という曲が好きになった。

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