a life

まぁ、覚え書き

やぎと少年

2007-11-20 | 日常

やぎと少年 

アイザック・バシェビス・シンガー 作
モーリス・センダック 絵
工藤幸雄 訳

岩波書店   

児童書 小学4,5年以上
  

まえがき  【そのまま抜粋  ひらがな多しで読み難い】

 過ぎ去っていく時間、その正体は何なのだろう、そう思って首をかしげるのは、子どももおとなも同じです。いちにちが、過ぎてしまったあと、その日はどうなるのか。わたしたちのきのうという日、楽しかったこと、悲しかったこともふくめて、その日はどこにあるのか。過去とそれにまつわるさまざまな気持ちを思い出すうえに役立ってくれるもの、それが文学です。物語する人にとって、きのうという日は、いつも身近にあります。それは過ぎ去った年月、何十年という時間にしても同じです。
 物語のなかでは、時間は消えない。人間たちも、動物たちも消えない。書く人にとっても、読む人にとっても、物語のなかの生きものは、いつまでも生きつづける。遠い昔におこったことは、いまもほんとうに存在する。
 そんな気持ちから、わたくしはこの本のお話を書きつづりました。実生活のなかでは、ここに書かれた人びとの多くは、もうこの世にはいません。でも、わたくしにとっては今も生きつづけている、そこで、わたくしの願いは、この人たちの知恵、奇妙な考え方、また時には、そのとんまぶりが読者の笑いを誘うことです。
 わたくしは、(おとなになる機会を持てなかったおおぜいの子どもたち)にこの本を献げます。あの子たちが、大きくなれなかったのは、ばかげた戦争、ざんこくな迫害が、町まちを荒らして、罪のない家族をめちゃめちゃにしたせいでした。みなさん自身が、お父さん、お母さんになったとき、自分の子どもばかりではなしに、世界じゅうの良い子どもたちみんなを、かわいがってほしい、わたくしは、そう願っています。

                               I・B・S


つくりものの天国
おばあさんのお話
ヘルムの雪
もつれた足とまぬけな花嫁
初代のシュレミール
悪魔のたくらみ
やぎのズラテー

訳者あとがき


はい。この、まえがきは、読書会の時にラボの大好きな先生が読んでくださり、本というもの、読書をするということは、こういうことなんだなぁと、ものすごく感動したものです。

物語もユダヤのお話で、死ぬことと生きることの違いに、センダックの絵がぴったり合って良いです。

シンガーについては、インディシ語(東ヨーロッパに住んでいたユダヤ人たちの共通語)の作家としてノーベル文学賞を受ける最後の作家。



コメント
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