北関東の宮彫・寺社彫刻(東照宮から派生した宮彫師集団の活躍)

『日光東照宮のスピリッツ』を受けついだ宮彫師たち

・柴又帝釈天 帝釈堂胴羽目【第5面】-彫刻師 石川銀次朗(二代信光)

2024年03月24日 | 総論 
第五面の胴羽目 「法華経説話:多宝塔出現」 石川銀次朗作 (縦 127㎝、ケヤキの一枚板)
 帝釈堂後面4枚の胴羽目は、中央の2枚が、少し幅が短めになる。

題材は、『法華経』巻第四 見宝塔品第十一「宝塔出現」


上部中央 多宝如来が宝塔とともに地中から出現して空中に浮かんでいる。

 周囲は会衆



 多宝如来


下部 宝塔如来を拝む人々


刻銘  「二世信光改八十翁 石川銀次朗作」


・模型彫刻(大客殿廊下) 

 同刻銘 「昭和六年(1931)八月 石川銀次郎作 七十九翁」  完成品の前年(10枚の胴羽目はおおむね1年以内の製作期間であった)


・手水屋  銀次朗の刻銘の彫物はなし

・石川銀次朗(二代石川信光)
 嘉永五年(1853)頃の出生。父は弥勒寺音八。石川流本家四代 朝光の弟の石川三之助信光(初代信光)に男子がなく、音八の子 銀次朗が娘婿として石川信光家に入る。
 第三面の作者 三世信光(三五郎)は銀次朗の孫(娘の子)になる。

・参考資料
『帝釈天題経寺建造物調査報告書』(葛飾区教育委員会発行、令和四年)
『帝釈堂 法華経説話彫刻』 (帝釈天題経寺発行)
『甦る「聖天山本殿」と上州彫物師たちの足跡』(阿部修治、2011年)

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