干し柿
これはエッセーではありません。歯切れの悪いレシピだす。2015年は柿の当たり年だったんじゃないかな。例年2年に一度しか多くの実をつけない我が家の貧弱な柿の木が、気張って昨年に続いてたくさんの実をつけた。それから友達の家に行き、二本の大きな柿の木から百個位取って貰ってきた。大きな脚立に乗って取り放題、それでもまだ半分以上残っている。持参したトランクとリュックに一杯に詰め、ヒーヒー言って持ち帰った。せっかくの大漁、たくさんの獲物を持ち帰ったのに、カミさんはブーブー怒る。こんなに持ってきてどーすんの。魚を釣り過ぎた時もそうだ。もう冷蔵庫に入んないからね。茨城の海で40cmほどの高級魚ホウボウを30匹ほど釣って持ち帰った時も怒られた。ホウボウだぞ、ソーダガツオや夏のサバとは訳が違う、といっても泣く子とカミさんには勝てぬ。
それはさておき、百個の柿を食いきれないから、最初から半分は干し柿にする積りだ。かん違いしている人が多いのだが、干し柿はシブ柿からだけ作るのではない。普通の甘い柿からでも干し柿は作れる。干し柿にすると甘さは倍増する。すこぶる甘いが、不快な甘さではない。
干し柿はひもで吊るすのだから、縛り付けるヘタがあると便利だ。ヘタを残すには、柿の実を採る時にくるくる回して取るのではなく、ハサミでカットする必要がある。それでもヘタが取れちゃった柿があるよね。自分はヘタの近くに爪ヨージを2本斜めに差して、それにひもを結びつけた。ヨージは干し柿が完成して取り込む時に外せば良い。半分以上刺しておけば、途中でヨージが外れる事は無い。
干し柿作りはひたすら皮むき、後で食べる時の事を考え出来るだけ皮を残さない。皮をむいてオレンジ色の裸になった柿ちゃんを、熱湯をわかした大なべに入れる。イヤーン、熱いわ。表面がちょっと白ちゃける。これは熱湯消毒だから少しの間だけで良いのだ。
その後はひもに縛る。ヤメテと逃げる柿子を捕まえ、縛って吊るしあげる。どうだ、痛いか?おっと興奮して目が釣り上がってしまった。この縛る作業は結構面倒なものだ。気をつけないとひもが絡まり、柿がくっついて柿団子になってしまう。柿同士は離して吊るさないとカビが生える原因となりかねない。後は風に当てて干して完成を待つだけだ。
最短10日位、2週間も吊るせば大丈夫。固くて日持ちが良いのを望むなら、もっと長く吊るしてもよい。途中で1,2回吊るした柿子をモミモミすると、食べる時に柔らかくなってよろしい。セクハラではありません。自分は潔白です。あと焼酎かウィスキーを消毒として、霧吹きに入れて柿子たちに吹きかけるのも良い。まあやらなくても大丈夫だが。自分は10月中旬~下旬にかけて9日間干した。時期的にはまだちょっと早い。寒くなってからの方が良いのだが、11月上旬は秋の長雨で外に干せなかったね。タイミングが難しいんだ。取り込んだ干し柿は、一個づつラップで包み、たくさん出来たら冷凍庫で保管すると良い。自然解凍すれば風味は変わらないし、長期に保存出来る。
自分は9日間しか干さなかったので中はジュクジュク、甘くてとても美味しい。50個位作ったが、直ぐに食べてしまいそうだ。