東京オリンピックTV観戦 - 続
〇卓球
ミマ、パーンチ!混合ダブルス、伊藤美誠と水谷隼の金メダルは、オリンピック前半戦のハイライトとなった。ついに、ついに中国の牙城を崩した。卓球、悲願の金メダルだ。阿部兄弟の同日金は予想出来たが、卓球の金は予想外の大殊勲。実はこのダブルス、準々決勝のドイツ戦で終わっていたかもしれない。11点でセットが終わる卓球で、9対2、10対6に追い詰められ、7度ものマッチポイントを握られてからの大逆転。
さすがに弱気になった美誠を水谷が励まし、絶対絶命のピンチを乗り切った。これで行けるんじゃないか?見ている方もその気になってきた。伊藤美誠もそう思ったらしい。これでメダル、いや優勝までいける。この準々決勝は神試合として、話題になった。決勝戦の中国チームは、フルセットでリードされると、明らかに男性の方がひるんで墓穴を掘った。
勢いに乗った女子は、団体で銀。伊藤は個人でも銅。男子団体は、韓国を破って銅メダルを獲得した。平野美宇、石川佳純、張本、丹羽一人一人が記憶に残る活躍をした。
〇スケートボード
柔道は勝ち続けていたが、ハンドボール、水球、男子バスケット、ホッケーと敗退が続き、女子サッカーのなでしこは振るわず、7人制ラグビーも駄目だった。男子サッカーはメキシコを破り、フランスに4対0で快勝したが、カヌーの羽根田は10位に終わった。男子バレーは敗退し、女子バレーも韓国戦にフルセットの逆転負けを喫した。韓国のキャプテン、キムヨンギョンは格好良かった。彼女もこれで引退か。寂しくなるね。話は多少前後するよ。
そんな中でスケボーが始まった。男子の堀米雄斗がストリートで金メダルを取った。翌日、日本列島が沸き立った。女子ストリートで、13歳の西矢椛が金メダル。19歳の中山楓奈が銅メダルを取ったのだ。これ、面白いのか?よく分からない競技で、解説はヤバイ、ヤベー、チョーヤッベーしか言わない。しかし転んでも、フィリピンの選手はニコニコしているし、西矢が高得点を取ると、2位のブラジル娘(まだ子供)が駆け寄ってハグをする。他の競技では見られない光景だな、これは。少なくとも、不良の遊びとは言えない。流行るぜ、スケボー。
西矢椛は大阪娘で、コメントにボケをかます。「金メダルはどのくらい重たいですか?」「1トン」練習場のオーナーは、あの椛が、あの椛が最年少の金メダル?と驚き、大阪の街に号外が配られた。
「予選と決勝の間に、中山選手と話をしていましたね。何を話していたのですか?」「ラスカルの話」えっ?ラスカルって何?歌手のラスカル?それともアライグマ・ラスカル?翌朝のインタビューまで、日本中が?アライグマ・ラスカルの主題歌の話だった。
次にパークが始まったが、こちらは迫力があって面白い。女子の試合は、日本人3人が決勝に進み、19歳の四十柱さくらが540(一回転半、540度の宙返り技)を2連発して金メダル。12歳の開心那が銀メダル。母親が日本人の英国のスカイ・ブラウンが、3回目最後の試技に成功して銅メダルとなった。スカイ・ブラウンは、半年前に頭蓋骨骨折の重傷を負っている。表彰台に上った3人は、とても仲良し。海外の大会では、スカイ・ブラウンが日本語の通訳を買って出るそうだ。
こうなると俄然、解説も力が入る。四十柱さくら、夏に桜満開!12歳の開心那、真夏の大冒険、さあx回目の試技に入ります。
予選一位、ランキング一位の岡本碧優は、最終演技で540を決め見事な演技だったが、最後にボードを360度廻して着地する大技に失敗して転倒。悔し涙で顔が歪む岡本の元へ、選手が駆け寄ってハグし肩車をして、彼女の勇気ある挑戦をみんなで称賛する。最後にあれに挑戦しなくても、2位か3位には入れたのを、他の選手はよく知っている。
これは他の競技では、見たことのない情景だった。岡本選手の勇気に乾杯!
〇フェンシング・エペ団体、他
ウェイトリフティングで安藤美希子が、最後の試技で持ち上げて銅。トランポリンの女子は、決勝で失敗。ゴルフの松山英樹はメダルに届かず、テニスの大坂なおみ は格下に負け、ジョコビッチに当たった錦織 圭は仕方がない。アーチェリー男子は団体と個人で銅。よくやった。
サーフィンはなかなか見ごたえがあった。台風が近づいて波が迫力ある。五十嵐カノアが銀。都築有夢路が銅。五十嵐の決勝戦は、良い波に乗れず不発に終わったが、準決勝で見せた波の頂点で360度回転する大技は素晴らしかった。これでサーフィンの未来は明るい。
ボクシング女子の入江聖奈の金メダルは、予想外の喜び。他にもボクシングは男女で銅メダルを取った。入江はマンガの影響でボクシングを始めた。カエル大好きという変わり種。今回西矢椛にも負けない濃いキャラクターだ。ボクシングは大学で辞めます。ゲーム会社に就職したいな。
そしてフェンシング。フルーレよりエペの方が、競技人口が多いんだ。足の裏まで、どこに当たっても得点になるエペは確かに分かりやすい。決勝戦は終始リードしたから、安心して観戦できた。団体で金。相手にエースに新人を当てると、彼が活躍してポイントを取るという理想的な展開だった。キャプテンは会社から報奨金一億円を貰って、手が震えたという。
〇解説
北島康介を始め、過去の活躍した選手が続々と登場した。冬のオリンピックの上村愛子まで出てきた。やたらと選手に同調して、そこだ、行け。下がるな、前に出ろ。かと思うと、卓球のおじさんのように実に分かりやすく解説してくれる人もいる。後になるが、空手の型では丁寧だがちょっと煩かった。解説要らないから、黙って見させて。
卓球の解説に出てきた平野 早矢香 さんは、別人のように綺麗になっていた。解説も素敵。これだから女は分からない。野獣と呼ばれた柔道の松本薫は、模擬人形を使って実に分かりやすくて面白い実演解説を行い、見違えた。福原愛ちゃんまで出てきたが、家庭争議は大丈夫?
★ 元メダリストのコメンテーターの好感度
第1位 吉田沙保里(レスリング)第2位 高橋尚子(マラソン)
第3位 松本薫(柔道)
4位以下は岩崎恭子さん(競泳)や、野村忠宏さん(柔道)、竹下佳江さん(バレーボール)など。
〇レスリング
いよいよ始まった、レスリング。川井姉妹の金。向田真優と乙黒拓斗の金。文田健一 、銀。屋比久翔平 、銅。金メダル5個の大健闘。しかし圧巻だったのは、女子50kg級の須崎優衣。決勝まで一点も取られずに全てテクニカルフォール勝ち。今まで一度も外国人選手に負けていないという。
決勝戦の中国人選手は開始1分半、後ろを取られ足首を持たれてクルリ。今度は反対側にクルリ、クルリ、クルリ。アっという間に、何も出来ずに終わった。汗もかかずに負けた。レスリングは、ポイントを争う競技だけではないのね。
驚異的な速さと強さ。彼女は一度は代表から漏れた。主流・名門の志學館出身者ではなく、早稲田の学生だ。須崎は阿部詩、大野将平に勝るとも劣らない、今大会の格闘技チャンピオンに違いない。
〇空手
寸止めの組手は、どれがポイントかはっきりしなくてつまらない上に、日本人選手は負け続けた。男子の銅メダル一個に終わってしまった。選手はエジプト、サウジ、トルコ、アゼルバイジャン、カザフスタンとかイスラム諸国が多かった。
型は面白かった。清水希容は永遠のライバル、スペインのサンドラ・サンチェスに負けたが、そもそもこれは点数をつける必要があるのか。黙って見ているだけで美しい。凛として気迫あふれる。男子の喜友名 諒の迫力、目力は凄い。改めて良いものを見せてもらった。
型を始めて見た人には大変なインパクトを与えたことだろう。これで空手を始める子供たちも増えるんじゃないかな。
〇クライミング
今回で引退する野口 啓代と、怪我をおして出てくる野中 生萌。野口銅、野中銀を分け合った。金メダルのスロベニアのヤンヤ・ガルンブレト は一人圧倒的な強さを見せた。仲の良い三人の長身美女が揃った表彰式は見ごたえがあった。
野口さんのボルダリングの冴えた技術が見られなかったのだけが残念だ。
〇陸上
短距離陣はリレーを含めて全滅。メダルは男子競歩だけだった。でも男子ハードルや女子幅跳びで世界新記録が生まれ、男子100mではイタリアの選手が優勝した。コロナで苦しんだイタリアは競歩でも金メダルをゲットした。良かったね。いつもアメリカ、ジャマイカじゃあつまらない。走り高跳びでは、同率の二人が金メダルを分け合い、話題になった。
100mの予選で、飛び出した中国の選手がそのまま一位でゴールに駆け込み、アジア人初の9秒83を記録した。そして三千m障害で三浦龍司 が7位入賞。三浦は予選では、自己ベストで2位に入った。
陸上女子10000メートルでは、廣中璃梨佳選手が自己ベスト更新の7位。女子1500m田中希実は、日本記録に迫る3分台の記録で8位!中距離の未来は明るい。
〇その他の競技
もちろん野球。韓国・アメリカを破り全勝で金メダル。侍ジャパン、稲葉監督万歳。良いチームでした。
シンクロナイズドスイミング改めアーティスティックスイミング。残念、デュエットもチームもウクライナに及ばず4位。鬼の井原監督の神通力もここまでか。デュエットの新人の子の顔が、緊張で引きつっていた。
自転車競技のBMX。面白くて迫力あるが、日本人は活躍しない。
最終日の女子自転車トラック。梶原悠未が銀メダル。よく頑張った。
女子ゴルフの稲見萌寧 が銀メダル。何日にも渡って露出の多い競技だった。一時は3位も危うかったが、最終ホールでは首位に迫る頑張りを見せた。
男子サッカーは期待以上の4位。準決勝スペイン戦で延長まで持ち込んだのは、よく頑張った。
馬術障害。硫黄島で戦死した陸軍大佐、バロン西と愛馬ウラヌスが1932年のロサンゼルスオリンピックで優勝して以来の4位入賞だそうだ。当時馬術は、オリンピックの花形競技だった。
〇女子バスケットボール
今大会、最大の番狂わせと言える。もちろん自分にとってだが。ケガでエースを欠いた日本チーム。最大の武器は3ポイントシュートだ。ベルギー戦は痺れた。残り15秒。ハヤシの3ポイント、逆転。守り切ったー。とはいえ、最後に放ったベルギーのシュートが入っていれば負けていた。
準決勝のフランス戦は、後半20点差が付く快勝。余裕の観戦で、こういうのも良いものだ。ところが、日本語を話すおじいちゃんコーチは、点差を離れて猛烈に檄を飛ばして叱りまくる。
162cmの町田 瑠唯のアシスト、3ポイント。3ポイントシュートは、全ての選手が放ち、約5割の確率だ。デカいと思えるオコエ桃仁花でも182cmだ。彼女は楽天のオコエ瑠偉 の妹なのだ。馬瓜エブリンも181cm。俺と数cmしか変わらない。周りが小っちゃいんだ。キャプテンの高田真希は185cmあるが、外国チームと比べれば小さい。でも日本チームは走る、走る。守る、守る。こういうバスケットもあるんだな。勇気をもらった学生も多いことだろう。これは、なでしこジャパンのワールドカップ優勝に次ぐ快挙と言ってよい。
それにしても町田選手は、見るたびに顔が変わる。いるんだよね、こういう女の人。町田さんは、化粧をしている訳でもないのに。