旅とエッセイ 胡蝶の夢

横浜在住。世界、50ヵ国以上は行った。最近は、日本の南の島々に興味がある。

庭にコブラが!

2021年08月16日 09時36分31秒 | エッセイ
庭にコブラが!

 ミャンマーで日本語教師をしていた時、3ヶ月経ってビザの更新でバンコクへ行った。6ヶ月や一年のWorking Visaも取れるんだが、逆に高くなる。ヤンゴン~バンコクの飛行機代は1万円前後だから、骨休めを兼ねてタイに行った方がよい。
 自分は、約30年振りにバンコク在住の親友に会った。彼はタイ人の奥さんを貰い、主に報道カメラマンとして過ごしてきた。年賀のメールなどでは連絡を取っていたが、実際に会う機会はなかった。
 
 久しぶりに訪ねたバンコクは、まるで知らない街のように変貌していた。20代の中頃、タイには半年住んでいたのだが、今のバンコクはヤンゴンより東京に近かった。物価も驚くほど高い。ああ、こんな街になったのか。日本にあるチェーン店の食堂がほとんどどれもあり、味も変わらないが、水まで有料(ペットボトル)だった。

 高架の電車は便利だが、料金は高い。日本から直接来ればそうは思わないだろうが、ヤンゴン在住の自分には驚くほど高い。街角のお寺に参拝する人々などは昔と変わらないが、半世紀前のイメージで来た自分には、どこかよそよそしい。

 タイでは、タバコが毒物のように扱われている。パッケージは、癌患者の肺の中とかこれでもかと気持ち悪い写真が使われている。コンビニのタバコは、レジの後ろの鍵付きの簡易シャッターの中に劇薬のように収められていた。

 泊まったホテルも入り口が一つで、やたら管理の厳しい変なビジネスホテルだったが、ヤンゴンの生活に無い3つのものがあった。温水シャワーとエアコンとTVだ。町の散策を終えると、ホテルの部屋に籠った。極楽じゃー。

 翌日、友人が奥さんと一緒に車で迎えに来てくれた。30年振りに友人に会った。おー、懐かしい。お互いに年を取ったな。奥さんの方が昔と変わらない。彼女は、日本語は聞く方は分かるが、ほとんどしゃべれなくなっていた。でもとても素敵な年の取り方をしていた。

 友達の家に行った。30数年前に来て泊まっているのだが、全く記憶が戻らない。近所も変わったのかな。断片すら出てこない。しょうーもない事は、いくらでも覚えているんだが。彼の家で半日、昔話をして過ごした。お互い、全然違う時空。時間を過ごしてきたんだな。

 芝の庭を見ていると、友人が言った。『この庭には4頭の飼い犬が埋まっているんだ。』『もう犬は飼わないの?』『うん。あそこの隅に埋めた犬の最期が忘れられなくて。』

 或る日、庭にコブラが入ってきた。バンコクではそう珍しくはない。とくに雨期によく出てくる。犬は友人のまだ小さな子供を守ろうと、コブラに吠え掛かり立ち向かった。格闘の末、犬はコブラを食い殺したが、自身も噛まれた。友人夫妻は、急いで犬を病院に車で運んだが、毒の廻りが速く助からなかった。

 悄然と帰宅した友人夫妻が、死んだコブラを捨てようとすると、隣人が気の毒そうに言った。『すみませんが、そのコブラを頂いてもよろしいですか?』
食べっちゃったそうだ。命がけで子供を守った犬の死後、友人は再び犬を飼う気になれなかった。


東京オリンピックTV観戦 - 続

2021年08月12日 13時19分09秒 | エッセイ
東京オリンピックTV観戦 - 続

〇卓球
 ミマ、パーンチ!混合ダブルス、伊藤美誠と水谷隼の金メダルは、オリンピック前半戦のハイライトとなった。ついに、ついに中国の牙城を崩した。卓球、悲願の金メダルだ。阿部兄弟の同日金は予想出来たが、卓球の金は予想外の大殊勲。実はこのダブルス、準々決勝のドイツ戦で終わっていたかもしれない。11点でセットが終わる卓球で、9対2、10対6に追い詰められ、7度ものマッチポイントを握られてからの大逆転。
 さすがに弱気になった美誠を水谷が励まし、絶対絶命のピンチを乗り切った。これで行けるんじゃないか?見ている方もその気になってきた。伊藤美誠もそう思ったらしい。これでメダル、いや優勝までいける。この準々決勝は試合として、話題になった。決勝戦の中国チームは、フルセットでリードされると、明らかに男性の方がひるんで墓穴を掘った。

 勢いに乗った女子は、団体で銀。伊藤は個人でも銅。男子団体は、韓国を破って銅メダルを獲得した。平野美宇、石川佳純、張本、丹羽一人一人が記憶に残る活躍をした。

〇スケートボード
 柔道は勝ち続けていたが、ハンドボール、水球、男子バスケット、ホッケーと敗退が続き、女子サッカーのなでしこは振るわず、7人制ラグビーも駄目だった。男子サッカーはメキシコを破り、フランスに4対0で快勝したが、カヌーの羽根田は10位に終わった。男子バレーは敗退し、女子バレーも韓国戦にフルセットの逆転負けを喫した。韓国のキャプテン、キムヨンギョンは格好良かった。彼女もこれで引退か。寂しくなるね。話は多少前後するよ。

 そんな中でスケボーが始まった。男子の堀米雄斗がストリートで金メダルを取った。翌日、日本列島が沸き立った。女子ストリートで、13歳の西矢椛が金メダル。19歳の中山楓奈が銅メダルを取ったのだ。これ、面白いのか?よく分からない競技で、解説はヤバイ、ヤベー、チョーヤッベーしか言わない。しかし転んでも、フィリピンの選手はニコニコしているし、西矢が高得点を取ると、2位のブラジル娘(まだ子供)が駆け寄ってハグをする。他の競技では見られない光景だな、これは。少なくとも、不良の遊びとは言えない。流行るぜ、スケボー。
 西矢椛は大阪娘で、コメントにボケをかます。「金メダルはどのくらい重たいですか?」「1トン」練習場のオーナーは、あの椛が、あの椛が最年少の金メダル?と驚き、大阪の街に号外が配られた。
「予選と決勝の間に、中山選手と話をしていましたね。何を話していたのですか?」「ラスカルの話」えっ?ラスカルって何?歌手のラスカル?それともアライグマ・ラスカル?翌朝のインタビューまで、日本中が?アライグマ・ラスカルの主題歌の話だった。

 次にパークが始まったが、こちらは迫力があって面白い。女子の試合は、日本人3人が決勝に進み、19歳の四十柱さくらが540(一回転半、540度の宙返り技)を2連発して金メダル。12歳の開心那が銀メダル。母親が日本人の英国のスカイ・ブラウンが、3回目最後の試技に成功して銅メダルとなった。スカイ・ブラウンは、半年前に頭蓋骨骨折の重傷を負っている。表彰台に上った3人は、とても仲良し。海外の大会では、スカイ・ブラウンが日本語の通訳を買って出るそうだ。
 こうなると俄然、解説も力が入る。四十柱さくら、夏に桜満開!12歳の開心那、真夏の大冒険、さあx回目の試技に入ります。
 予選一位、ランキング一位の岡本碧優は、最終演技で540を決め見事な演技だったが、最後にボードを360度廻して着地する大技に失敗して転倒。悔し涙で顔が歪む岡本の元へ、選手が駆け寄ってハグし肩車をして、彼女の勇気ある挑戦をみんなで称賛する。最後にあれに挑戦しなくても、2位か3位には入れたのを、他の選手はよく知っている。
 これは他の競技では、見たことのない情景だった。岡本選手の勇気に乾杯!

〇フェンシング・エペ団体、他
 ウェイトリフティングで安藤美希子が、最後の試技で持ち上げて銅。トランポリンの女子は、決勝で失敗。ゴルフの松山英樹はメダルに届かず、テニスの大坂なおみ は格下に負け、ジョコビッチに当たった錦織 圭は仕方がない。アーチェリー男子は団体と個人で銅。よくやった。

 サーフィンはなかなか見ごたえがあった。台風が近づいて波が迫力ある。五十嵐カノアが銀。都築有夢路が銅。五十嵐の決勝戦は、良い波に乗れず不発に終わったが、準決勝で見せた波の頂点で360度回転する大技は素晴らしかった。これでサーフィンの未来は明るい。

 ボクシング女子の入江聖奈の金メダルは、予想外の喜び。他にもボクシングは男女で銅メダルを取った。入江はマンガの影響でボクシングを始めた。カエル大好きという変わり種。今回西矢椛にも負けない濃いキャラクターだ。ボクシングは大学で辞めます。ゲーム会社に就職したいな。

 そしてフェンシング。フルーレよりエペの方が、競技人口が多いんだ。足の裏まで、どこに当たっても得点になるエペは確かに分かりやすい。決勝戦は終始リードしたから、安心して観戦できた。団体で金。相手にエースに新人を当てると、彼が活躍してポイントを取るという理想的な展開だった。キャプテンは会社から報奨金一億円を貰って、手が震えたという。

〇解説
 北島康介を始め、過去の活躍した選手が続々と登場した。冬のオリンピックの上村愛子まで出てきた。やたらと選手に同調して、そこだ、行け。下がるな、前に出ろ。かと思うと、卓球のおじさんのように実に分かりやすく解説してくれる人もいる。後になるが、空手の型では丁寧だがちょっと煩かった。解説要らないから、黙って見させて。

 卓球の解説に出てきた平野 早矢香 さんは、別人のように綺麗になっていた。解説も素敵。これだから女は分からない。野獣と呼ばれた柔道の松本薫は、模擬人形を使って実に分かりやすくて面白い実演解説を行い、見違えた。福原愛ちゃんまで出てきたが、家庭争議は大丈夫?

 ★ 元メダリストのコメンテーターの好感度
第1位 吉田沙保里(レスリング)第2位 高橋尚子(マラソン)
第3位 松本薫(柔道)  
4位以下は岩崎恭子さん(競泳)や、野村忠宏さん(柔道)、竹下佳江さん(バレーボール)など。

〇レスリング
 いよいよ始まった、レスリング。川井姉妹の金。向田真優と乙黒拓斗の金。文田健一 、銀。屋比久翔平 、銅。金メダル5個の大健闘。しかし圧巻だったのは、女子50kg級の須崎優衣。決勝まで一点も取られずに全てテクニカルフォール勝ち。今まで一度も外国人選手に負けていないという。
 決勝戦の中国人選手は開始1分半、後ろを取られ足首を持たれてクルリ。今度は反対側にクルリ、クルリ、クルリ。アっという間に、何も出来ずに終わった。汗もかかずに負けた。レスリングは、ポイントを争う競技だけではないのね。
 驚異的な速さと強さ。彼女は一度は代表から漏れた。主流・名門の志學館出身者ではなく、早稲田の学生だ。須崎は阿部詩、大野将平に勝るとも劣らない、今大会の格闘技チャンピオンに違いない。

〇空手
 寸止めの組手は、どれがポイントかはっきりしなくてつまらない上に、日本人選手は負け続けた。男子の銅メダル一個に終わってしまった。選手はエジプト、サウジ、トルコ、アゼルバイジャン、カザフスタンとかイスラム諸国が多かった。

 型は面白かった。清水希容は永遠のライバル、スペインのサンドラ・サンチェスに負けたが、そもそもこれは点数をつける必要があるのか。黙って見ているだけで美しい。凛として気迫あふれる。男子の喜友名 諒の迫力、目力は凄い。改めて良いものを見せてもらった。
 型を始めて見た人には大変なインパクトを与えたことだろう。これで空手を始める子供たちも増えるんじゃないかな。

〇クライミング
 今回で引退する野口 啓代と、怪我をおして出てくる野中 生萌。野口銅、野中銀を分け合った。金メダルのスロベニアのヤンヤ・ガルンブレト は一人圧倒的な強さを見せた。仲の良い三人の長身美女が揃った表彰式は見ごたえがあった。
 野口さんのボルダリングの冴えた技術が見られなかったのだけが残念だ。

〇陸上
 短距離陣はリレーを含めて全滅。メダルは男子競歩だけだった。でも男子ハードルや女子幅跳びで世界新記録が生まれ、男子100mではイタリアの選手が優勝した。コロナで苦しんだイタリアは競歩でも金メダルをゲットした。良かったね。いつもアメリカ、ジャマイカじゃあつまらない。走り高跳びでは、同率の二人が金メダルを分け合い、話題になった。
 100mの予選で、飛び出した中国の選手がそのまま一位でゴールに駆け込み、アジア人初の9秒83を記録した。そして三千m障害で三浦龍司 が7位入賞。三浦は予選では、自己ベストで2位に入った。
 陸上女子10000メートルでは、廣中璃梨佳選手が自己ベスト更新の7位。女子1500m田中希実は、日本記録に迫る3分台の記録で8位!中距離の未来は明るい。

〇その他の競技
 もちろん野球。韓国・アメリカを破り全勝で金メダル。侍ジャパン、稲葉監督万歳。良いチームでした。

 シンクロナイズドスイミング改めアーティスティックスイミング。残念、デュエットもチームもウクライナに及ばず4位。鬼の井原監督の神通力もここまでか。デュエットの新人の子の顔が、緊張で引きつっていた。

 自転車競技のBMX。面白くて迫力あるが、日本人は活躍しない。

 最終日の女子自転車トラック。梶原悠未が銀メダル。よく頑張った。

 女子ゴルフの稲見萌寧 が銀メダル。何日にも渡って露出の多い競技だった。一時は3位も危うかったが、最終ホールでは首位に迫る頑張りを見せた。

 男子サッカーは期待以上の4位。準決勝スペイン戦で延長まで持ち込んだのは、よく頑張った。

 馬術障害。硫黄島で戦死した陸軍大佐、バロン西と愛馬ウラヌスが1932年のロサンゼルスオリンピックで優勝して以来の4位入賞だそうだ。当時馬術は、オリンピックの花形競技だった。
 
〇女子バスケットボール
 今大会、最大の番狂わせと言える。もちろん自分にとってだが。ケガでエースを欠いた日本チーム。最大の武器は3ポイントシュートだ。ベルギー戦は痺れた。残り15秒。ハヤシの3ポイント、逆転。守り切ったー。とはいえ、最後に放ったベルギーのシュートが入っていれば負けていた。
 準決勝のフランス戦は、後半20点差が付く快勝。余裕の観戦で、こういうのも良いものだ。ところが、日本語を話すおじいちゃんコーチは、点差を離れて猛烈に檄を飛ばして叱りまくる。
 162cmの町田 瑠唯のアシスト、3ポイント。3ポイントシュートは、全ての選手が放ち、約5割の確率だ。デカいと思えるオコエ桃仁花でも182cmだ。彼女は楽天のオコエ瑠偉 の妹なのだ。馬瓜エブリンも181cm。俺と数cmしか変わらない。周りが小っちゃいんだ。キャプテンの高田真希は185cmあるが、外国チームと比べれば小さい。でも日本チームは走る、走る。守る、守る。こういうバスケットもあるんだな。勇気をもらった学生も多いことだろう。これは、なでしこジャパンのワールドカップ優勝に次ぐ快挙と言ってよい。

 それにしても町田選手は、見るたびに顔が変わる。いるんだよね、こういう女の人。町田さんは、化粧をしている訳でもないのに。



東京オリンピックTV観戦

2021年08月11日 10時18分52秒 | エッセイ

東京オリンピックTV観戦

 終わっちゃった、オリンピック。TVにくぎ付けの2週間だった。女子バスケのベルギー戦に興奮して、置いたメガネを踏んずけて壊してしまった。今は、祭りの後の虚脱状態だ。
 無観客で、ホームの日本には残念だったが、お構いなしの快進撃。

〇柔道
 井上康生監督率いる柔道日本。金メダル9、銀2(団体戦を含む)、銅1の快挙。こんなに強い日本チームは初めて見た。初日の高橋直寿は、技のキレは今一つだったが、よくトップバッターの役割を果たしてくれた。
 女子の渡名喜風南。彼女のファイティングスピリットも印象深い。今まで一度も勝てなかったウクライナの長身美女ビロディドを延長戦で破った。
 そして二日目。出てきた、阿部兄弟。詩は圧倒的に強かった。決勝戦で勝った後の彼女の喜びようは尋常じゃあなかった。畳をバンバン叩いてガッツポーズ。一二三お兄ちゃんは、決勝戦の試合後に落ち着いた態度を見せ、格好良かった。
 そして女子70kg級の新井千鶴の準決勝。相手はROC(ロシア)のタイマゾワ。登場したタイマゾワを見てぶっ魂消た。右目の上がボコっと腫れあがって、お岩さん状態なのだ。ボリューミーな栗色の髪は、噴水のように頭の上に盛り上がっている。反対側から見ると綺麗な顔をしている。
 タイマゾワは受けが強く組みあいの中で倒れない。寝技をかけると、抑え込みに入るがスルリと抜ける。また抑え込み。解けた。またまた抑え込み。袈裟固め、崩れ上四方、寝技の名手新井が次々と技をかけるが、3-4秒で逃げるタイマゾワ。ウナギか?延長戦に入っても決着はつかない。
 延長戦も10分を過ぎ、新井は疲れて立ち上がるのに、膝に手をかける。寝技が駄目なら関節技。腕ひしぎ十時固めに入ると、タイマゾワは顔をしかめる。ギブアップか?どうだ。マイったはしていないが、タイマゾワのあまりの苦痛顔を見た審判は一本を宣告した。すると私はGive upしていない。タイマゾワの猛烈な抗議に、一本は取り消されて試合再開。おかしいだろ。今の十字固めは、完全にきまっていた。
 待ったが入ると、タイマゾワはボワっと髪を顔の前に落とし、ゴムで留める。これを何度も行うのは、彼女も相当疲れているんだろう。関節技でも仕留められないのなら、締めるしかない。新井は寝技に持ち込み、送り襟締めを掛ける。タイマゾワが大人しくなった。なんと失神したのだ。目を閉じて眠るように気を失った。試合で始めて見た。本戦を含め、16分41秒の死闘であった。タイマゾアは敗者復活戦に勝ち、銅メダルを獲得した。
 団体戦で再び、新井対タイマゾワ戦が行われたが、ここは新井が寝技で抑えた。この時のタイマゾワは、目の上のたん瘤は消えていたが、片目パンダのように目の周囲を真っ黒くしていた。日本戦以外では活躍していた。
 大野将平はやはり強かった。初戦の投げは、模範演技のスローモーションのように豪快に決まった。ウルフ・アロンの初戦も、相手を摑んでぶん回して下にした。見事な横捨て身投げだった。女子の浜田尚里、曽根輝も強かった。
 団体戦では、意外にもフランスに負けたが、3年後にパリでリベンジだ。

〇競泳
 期待のエースが不発で、ダークホースの大橋悠依が2つの金。男子200mバタフライで本多灯が銀。大橋は大変な美人だし、TV界が放っておかないだろうな。彼女の活躍が無ければ、競泳は大変なことになっていた。

〇バトミントン
 桃田が不発。女子の奥原も山口茜もメダルには届かなかった。ナガマツペアも負けた。女子ダブルスのフクヒロペアが登場する。ギョとした。広田の脚に大きな黒いプロテクターが巻かれている。大丈夫なのか、広田。フクヒロペアは勝ち進むが、惜しくも準々決勝で中国チームに敗れた。試合後に、心配そうに歩み寄り声を掛ける中国ペアの姿が良かった。

 そんな中、やってくれたのが混合ダブルスのワタガシペアだった。逆転で勝利して銅メダルを勝ち取った。抱き合う二人。やっぱハグは男女でなくちゃね。この二人、結ばれるんか?「全て先輩のおかげです。」「勇大君と組めて良かった。」

〇ソフトボール
 13年前の上野の連投、とか言ってもよく見ていなかった。今回じっくり見たが、結構危ない時もあった。メキシコ戦では、あわや逆転負けか。そこに現れたのが、20歳のポニーテールの左腕投手、後藤希友。ノーアウト1.2塁。1アウト満塁の絶対的なピンチを、バッタバッタと三振で抑える。ここぞという時になんと頼もしい新人。その後藤もアメリカ最終戦では、緊張で青ざめ呼吸を忘れている。1アウト2塁。痛烈な打球が三遊間に。
 ここで凄いプレーが起きた。リプレーを見るまでは、何が起きたのか分からなかった。打ったアメリカのバッターは目を見開いて唖然とした。打球に飛びついた藤田は、取れなかったが手首に当てた。フライになった球をレフトの選手がキャッチして2塁に送球。飛び出していたランナーは戻れずにアウト、ダブルプレー。
 アメリカも負けてはいない。7回、ソフトボールの最終回の表に、藤田のホームランを飛び上がってもぎ取り、意地を見せた。アメリカ最後の打球はキャッチャーフライで我妻が捕球した。1.2.3秒くらいだったが、我妻は、皆がベンチから走り出すのを視界に入れ、ここで落としたらどうしようと思ったそうだ。
 13年経って、また敗れたアボット投手の横顔が寂しそうだった。解説の宇津木さんは、アボットたちに教わって日本は強くなったんだ、言っていました。

〇体操
 団体は僅差の銀。橋本大輝が個人と鉄棒で金2つ。按摩で萱が銅。内村さんの落下は驚いたが、大技の後でせめて良かった。若い選手の活躍で、体操の将来は明るい。
 おっと、女子・床で村上茉愛の銅メダルは快挙でした。