きつねゆりセカンドハウス

きつねゆりは「グロリオサ」の和名です。
あの方の復帰を願いながら、
ぶつぶつつぶやいています(o'.'o)

コリアンタイム

2021-04-09 13:09:09 | 韓国のこと

「コリアンタイムとは何か」
20年ほど前にソウルへ取材に行ったとき、ロッテホテルのロビーで
よく人と待ち合わせをした。
そのとき、来る人がほとんど30分くらい遅れてくる。
理由はきまって「渋滞がひどくて」。
私(康熙奉)は笑って相手を迎えたが、腹の中はイライラしていた。
当時、ソウルの渋滞は名物だった。
道路は混んでいるのが当たり前であった。
そうであるならば、待ち合わせをしている以上、
渋滞を見越して早めに出掛けるのが常識であろう。
それなのに、いつもどおりにのんびり出掛けて、
時間に遅れたら渋滞を理由にしている。
「なるほど。これがコリアンタイムか」
そう納得するしかなかった。
韓国の書き手に原稿を依頼したときも、イライラすることが多かった。
締め切りを守らない人が多すぎるのだ。
催促の連絡をすると、プツリと行方不明になる。
何度も催促して、ようやく連絡が取れると、
「いやあ、伯父さんが亡くなってねえ」と古典的な言い訳が返ってくる。
「締め切りを守るという概念が希薄なんだな」
そう考えるしかなかった。
ただ、日本が時間にうるさすぎるのかもしれない。
世界中を旅行したわけではないが、
日本ほど時間に厳しい国は他にないのではないか。
待ち合わせに5分遅れたら、もう携帯電話に問い合わせの連絡が入っている。
そんな経験が何度もある。
社会全体が「時間を守ろう」という意識でがんじがらめになっている。
旧暦が便利な農耕社会では、なにごとも時間どおりにならなかった。
それだけに、悠長に時が来るのを待つ習慣が根づいた。そ
れがコリアンタイムの本質かもしれない。
いちはやく旧暦を捨てた日本は、季節感が合おうが合うまいが、
暦の通りに動かざるをえなかった。
それに日本的な細かさが加わって、
時間にきっちりするようになったのではないか。

とはいえ、韓国も確実に変わってきた。
相変わらず、時間に遅れた理由を「渋滞」になすりつけているのは、
50代以上かもしれない。
 若い人たちは、中年以上の世代に比べると、
時間をきっちり守るようになってきた。
そこには、携帯電話の普及が大きく関係しているに違いない。
なんでも情報を瞬時に得られる時代だ。
「待ち合わせに遅れないために何時に出掛ければいいか」は
携帯電話が教えてくれる。そこまで情報が行き届いているのに、
あえて時間に遅れようとする人は少ないだろう。

社会からも、おおらかさが失われつつある。
若者の失業率は高く、大学を卒業しても正社員に就けない人が多い。
そんな時代に、のんびりコリアンタイムで生活していたら、
多くのチャンスを失うことになってしまう。みんな必死なのである。
考えてみれば、コリアンタイムが許された時代は、
人々の気持ちにゆとりがあったのかもしれない。
かつてはなかったのに、今の韓国では割り勘が増えている。
なんでも、きっちりするようになってきた。時間も同様である。
「渋滞」はもう理由にできないのだ。

確かに韓国に行くと、ガイドはいつも遅れて来た気がする。
日本人が、時間きっちりに行動するのは、
待つ人への「おもいやり」といえるのでは・・・・

実は、わが町にも「〇〇〇町時間」があって・・・
遅れてくるのは普通なのです。
それは、まだおおらかさがあるということだろうか・・・

今朝、雪が降りました・・・
満開の桜に雪・・・
不思議な光景でした。
積もるほどではありませんでしたが、
桜も人間もさむ~い!