ろくびー

山中清隆 作品日記
Kiyotaka Yamanaka

呼子の港町とナベヅル

2017-12-23 14:31:36 | 佐賀

「呼子の港町とナベヅル」 透明水彩画 佐賀 A3(420×297) 2017年作 個人蔵


今日ご紹介いたしますのは、
九州スケッチ旅行の思い出の作品です。



佐賀県の唐津から海沿いに上っていくと加部島に挟まれた呼子の港町があります。

小さな港町ですが、とても新鮮な生きたイカを食べれることで有名だそうで、
あちこちにイカが干してありました。

残念ながらそのことを知らず、またお腹をこわしていたので食べていません。

港町から少し離れたところに展望公園があったので登りましたら
素敵な呼子の町がまじかに見えたので、これはありがたいと気に入ってスケッチをいたしました。

昼からでしたが、木の陰もあってとても心地よかったです。

少しはなれたところで波が打ち寄せて砕けるあのザバーっていう音や、
船が見えたあと、遅れて聞こえてくるディーゼルエンジンのドッドッドッとなる音なんかが
とてもここちよくて、スケッチならではの喜びを楽しみました。

頭の上のけっこう近くの距離から、どこか聞き覚えのあるような、
でも聞いたことのない鳥の声がクワーガラララー クワーガラララーと、
突然どさりと落ちてくるように聞こえました。

見上げると大きな鶴の群れで、海からきれいなV字型の編隊で飛んできていて、
それから少し乱れながら呼子の上昇気流にのっかろうと旋回しているところでした。



クワーガラララー クワーガラララーなんていいながら
トンビみたいにくるくるまわって高くに上ってから内陸目指して飛んでいきました。

それはどうやらナベヅルの群れで、
今まさに日本への冬越しのために大陸から渡ってきているところだったのです。

そんな光景に出会えてとて嬉しく幸せです。

結局この日に3回ほどナベヅルの群を見ることが出来ました。
そして夕暮れに渡ってきたその最後の群れを絵に描きい入れています。

あまりにも嬉しくて興奮した私は、
その夜も翌日も、呼子でたまたま出会う人全てにそのことを話しましたら
誰も見たという人が無く、またここが上陸ポイントになっていることにも驚いていました。


私はそこで思いました。

このナベヅルのように

きっと
人の幸せや喜びもまた
どこかに不意に飛んできていて
そのことになんとなく気が付いて
それを見ようとした人にだけ

幸せとして
見えるものなんだろうな~




コメント
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