ろくびー

山中清隆 作品日記
Kiyotaka Yamanaka

イタリア風景画「アカデミア橋」ヴェネチア2017年 水彩画

2018-11-28 19:37:09 | ヴェネチア

「アカデミア橋」 透明水彩画 A5(210×148)2017年作 イタリア・ヴェネチア 個人蔵


アカデミア橋は1933年に仮設として架けられた木製アーチ橋でしたが、

あまり美しくて評判がよかったので、その外観の木製を残し、

鉄製の橋に架け替えられて今に至っています。


木製であることの軽やかさと、弓のように大きく湾曲したそのしなやかな姿が

大運河にじつにぴったりとおさまっていて、この場所になくてはならない存在となっています。


スケッチをしたのはCampo S,Vioという大運河に面した広場で、

ここから見るアカデミア橋が迫力があってかっこいいので、

近くを通れば足を運び、よくスケッチをしました。


「アカデミア橋」の別のスケッチはこちら


だれしも

憧れの人とか

憧れの思いとか

憧れの風景とかあると思うのですが、



このアカデミア橋にも

やっぱり憧れの人がいてまして、

ほんとは人ではなく運河のきらめく輝きなのですが、

アカデミア橋にとっては恋い焦がれている存在なので、

恋しい人になります。


一度でいいから、あのきらめく運河の輝きにふれてみたい

一度でいいから、あのきらめく運河の輝きに手を入れてすくいあげてみたい

手の中ではしゃいでくれるだろうか

手の中で輝いてくれるだろうか


いつもそんな思いで見つめて

ものすごく身近にいてるのですが、

どうしてもふれることはできないのです。


なぜならアカデミア橋は、橋の使命として、

その自慢んの長い両足を両岸にまたいでふんばっていますし、

その自慢のたくさんの手は、人が落ちないように手すりとして全部上に向かって伸ばしていますから

まったく四六時中、手足を出せずに自由がないのです。


だからいっそ

くちて落ちてしまえば、運河のきらめく輝きの中へ飛び込めるではないかと思ったりするのですが、

がんらい丈夫にできていますし、みんなに修理され、感謝され、大事にされていることを

けっして忘れませんから、やっぱり今日も橋として頑張っているのです。


運河はそんなアカデミヤ橋の切ない思いを知ってか知らないでか

今日もキラキラと輝き

休むことなく流れ

いろんな物語を運んでくれています。






















そういえば

先日、動物園で見た

クロエリセイタカシギが


自慢の長い足をかわいらしく伸ばし

自慢の黒い翼をほんの少し広げて


キラキラと輝く子どもたちの目に映り

愛らしく見せてくれていました。

コメント
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