団地内の桜は もう散ってしまったけれど
裏通りはまだ頑張っていた。
春なのに何となく
この儚い気持ちは何なのか。
友人たちが次々と 天の風になって
空を飛び回っているのが
心のどこかで
羨ましいと思っているのか
自分でもわからない。
ただ 岩に張り付いた花びらの一つ一つが
かつて私を成長させてくれた
友人・先輩・職場の同僚・先生のように思えて
胸が熱くなるひとときだった。
そして何となく
「私たちの分も長生きしろよな。
来年もここで逢おう」
そう言われたような気がした。
「きっと私は
皆さんがこの世に残して逝った命の
かけらを繋ぎ合わせて
生かしてもらってるのだ」と気がついて
再び胸がじ~んとなった。