あの震災から10年が過ぎました。
その間、創造的復興を掲げて市民の皆さんとともに神戸の街の建て直しを進めてきました。
その結果、神戸市の財政は、復旧・復興の資金として2兆円程度の借金が発生し、その返済が現在ピークを越えたとはいえ硬直的な財政を余儀なくされ、将来への投資に充分資金を回すことができない状態が続いてきました。
その間に時代は大きく様変わりし、まず深刻な問題が、人口減少社会と本格的少子高齢社会の到来です。
2007年問題と言われるように、わが国は2年後に人口が減少へと転じるのと同時に団塊の世代が定年を迎えます。
このことにより労働力人口の減少による税収等の減少、高齢化による福祉関連支出の大幅増加という傾向がこれまで以上に加速します。
つぎに、グローバル化です。
著しい情報化の進展とともに、国内外の都市間競争は今後ますます激しさを増すものと思われます。
もうすでに神戸でしか手に入らないものはほとんどなくなってしまいました。
国際的な魅力や競争力をもたない都市は必ず衰退するという認識のもとで、神戸のアイデンティティを早急に確立しなければなりません。
また、日本経済は総じて回復基調にあるといわれています。
しかし、それは東京を中心とする関東圏の話であり、名古屋博覧会が開催された中部圏でのことであります。
神戸のまちの経済状況は、いまだあの震災の傷跡・ダメージが深く残り、中小の会社や商店は、まだまだ深刻な状況にあります。
そのようななかで、いよいよ本年2月16日に神戸空港が、開港します。
この神戸になくてはならない都市装置を神戸市民の皆さんが有効に活用して、全国からたくさんの方々にお越しいただき、神戸のまちの賑わいづくりの一翼を担うことが期待されています。
そして、神戸空港を起爆剤として、人・物・情報が飛び交う神戸経済の活力源として、有効に活用していかなければなりません。
次に、環境問題であります。
地球温暖化をはじめとする環境問題は、21世紀に人類が克服しなければけない最大の問題であり、環境に負荷をもたらす現在の経済社会活動は必ず全般的な見直しが求められてきます。
環境問題については、残念ながら神戸市は先進都市とは言えず市政全般に見直しが必要であります。
また、人々の意識も大きく様変わりしてきました。
量から質へ、画一的な目標から個性の追求へと価値観の変化、多様化が進み、拡大・成長を基調とした社会から安定・成熟型の社会へと移行し、それに伴い、人々のニーズは、安全・安心や健康・生きがいといった基礎的な価値がこれまで以上に重視される世の中になってきました。
このように、時代が大きく変化しようとしている現在、神戸では復旧・復興などにより失われた10年を取り返すと同時に、激動の時代を先取りした諸制度の整備を行う必要があります。
神戸にとってこれからの数年間は、将来に向けた市民生活の充実と都市としての持続的発展を決するかけがえのない時期を迎えています。
このような時代認識をしっかり持って、めまぐるしく変化する時代に対応し、市民ニーズを的確に把握して、神戸市政運営に携わらねばならないと肝に銘じて活動してまいります。
今後とものご支援をお願い申し上げます。
平成18年1月3日
神戸市会議員 大井としひろ
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