コブリのひげをひっぱりながら…

ある日 上肢局所性ジストニア と診断され
 とうとう愚痴り相手の猫もいなくなった
  元小動物臨床獣医師の独り言

「局所性動作特異性ジストニア」とか「課題特異性ジストニア」とか

2024年02月29日 | 書痙:上肢局所性ジストニア

毎日 長文が続きます

ジストニアという病気や ソレを発症したワタシに関心のない方には

時間の無駄にしかなりませんコトを 先に申し述べます

 

本日 うるう日の木曜日 

風は収まるモノの お天気下り坂 とのこと

そして 世界希少・難治性疾患の日 

ワタシの病は「難治性」ですが 

平たく言って 「命の危険がない」 ので ほったらかし に されてます

どうぞ みなさまにはたのしいことがたくさんありますように!

そして 毎日笑顔がありますように!

それでも花粉は飛ぶので 緩まずに

見つけましょう

イイことみっつ!

 

さて ここから先は 転載ではなく 自分のコトを自分の言葉で説明します

 

「職業性ジストニア」 とか 「局所性動作特異性ジストニア」 とか

ややこしい 「専門用語」 が出てきています

実は 全部 同じ構成で使われていて

ジストニア という括りでは ほぼ同じ意味なんすけど 混乱するので

自分の病名とともに 解説します

 

ワタシの病名は

「上肢局所性ジストニア」 コレ 業界用語あるある で

「用語」を「連ね」て特徴を表現しようとする典型なので 「分解」 します

まず 「上肢」 コレは下肢の対語で 「手・腕」のこと

名称は立位で決めるので ヒトでは「上にある肢」だから「上肢」

(ちなみに 四つ足動物では 立位で前にあるから「前肢」)

つまり 頸(くび)でも足でもない 「上肢」に症状が局在する の意から

「上肢局所性」 そして 「筋肉の緊張・弛緩(緩めること)がコントロールできない病」 ってことで 「ジストニア」 

 

この診断書は 別目的で書かれたモノが手元に返ってきたのですが

中程に 「書字困難および手指野巧緻的運動障害に胎脂る治療効果には限界・・・」(原文まま) とあります

コレは「誤変換」のまま提出されちゃったモノと思われ おそらく

「書字困難および手指の巧緻的運動障害に対する治療効果には限界・・・」

というのが 正しい文言でしょう (返ってきちゃうワケだわ・・・)

そして 合併症などについても 上肢以外に症状があるようなことは書かれていません

また ご自身が発症した ピアノ演奏を愛した 神経内科医の青嶋氏が

昨日2月28日(水)にアップしたインタビュー の途中で 

「局所性動作特異性ジストニア」 について触れられていて

コレも分解すると 「局所性」 「動作特異性」 とに分かれます

青嶋氏が答えているように

「ピアノやギターでは指、バイオリンでは指や腕、(中略)、

というように、演奏時に酷使される部位に多種多様な症状が現れます」

つまり 症状は 「指」 という 「局所」 に現れ

かつ 「ピヤノやギターを奏でる」 という 「動作に限定した特異性」 がある という意味です

演奏に 「指」 を酷使する 「ピアノやギター」 では 

「指」 が 思うように動かなくなりやすいが

「ペダルを踏む」 という「指以外」 かつ「ピヤノやギター」 という「動作」では、問題になりにくい、というわけです

次に ワタシを診断して頂いたドクターに言われているのは

「課題特異性ジストニア」 コレも分解すると 「課題」 「特異性」 です

「ピアノを奏でる」 という 「課題」 に対して 症状 

つまり 「ピアノでは指が思うように動かず 奏でる事が出来ない」 けれど

「ドラム」 という 「課題」 には 問題がない ということ

コレが 「課題特異性」 説明が似てきたでしょ?

ワタシの場合 上肢局所性であり かつ 

生活全般にわたる あらゆる所に 「課題」 がある

従って 今度はコレを繋げて

「手指を使う 生活全般のあらゆるシーンで症状が出る」 と 言われました

ソレを 「ワタシ語」 に翻訳すると 

「何をやらせて」 も 「タダの不器用なジジイ」 にしか 「見えない」 だろうけど 

ワタシは 医学的に立派な 「ジストニア患者」 となります

また ドクターには 「発症は 遅くても20代」 とも言われ

遡れば 高校時代には 自己流ながらギターで

アルハンブラ (音出ます) まで

ピアノは 洟垂れの頃には ブルグミュラー25

貴婦人の乗馬 (音出ます)  まで

そして 娘が大学へ進学するまで 数年は ふたりで連弾も弾いてました

最後の頃は しんどかったですけどね・・・

大学では 緻密な作業が連続する電子顕微鏡を使って

論文を書いて 学会発表していましたし

臨床に当たっては 指先だけの感覚で勝負する場面の連続 でした

考えれば 洟垂れの頃から 手指を酷使して来た んですね・・・

ドラマーの山田氏のように ワタシが 「最初に違和感を感じた」 のは

外科処置の用語で 「糸で(を)結ぶことを結紮(けっさつ)」 と言いますが

コレに違和感を感じ 「下手になった」 「年を食う(高齢になる)ってのは こういうことなのか?」 でした

時間と共に 「右手に箸 左手にレンゲ で ラーメン喰おうとすると

箸で麺がたぐれない レンゲが震えてスープが飲めない」 といった

「課題」において症状が出るようになり 

更に「課題」が広範囲に増え、書字不安定 から 

金釘流( 折れ曲がった釘のように、細くてひょろひょろしたり、妙に曲がった下手な字をあざけっていう語)を経て 

書字困難へと・・・

そうやって 自覚症状(課題)が増え 悪化していったのですが

当時は 自分でも 「出来る-出来ない」 の 区別がワカリマセンから

「仕事をする」 に当たって 「自分の手指では失敗するかもしれない」

という 恐怖から 「逃げ腰」

ひいては 「逃げ癖」 がついて 「やらずに済まそう」 と 画策するようになり

そんなコトすりゃ 飼い主さんにはバレバレで・・・

かといって 「見た目には わかりにくい」 と同時に

下手に口にすりゃ 出来る仕事まで減ってしまう不安にかられ

そして 誰にも相談できず する相手もいないまま

「最後の手段」 を決断するに致ります

右手も左手も 同じように不自由なので 選択肢は他に無く

「廃業」です

今では包丁は研げません が 切れる包丁なら 刺身は引けます

でも キャベツの千切りはできません

ドライバーをネジのアタマに合わせるには苦労しますが

思い通りとまでは行かずとも ピンセットは使えます

ですが 10年前は 「両手に水を溜め 顔を洗う」 という 「課題」 で

「両手に水が溜められなかった」 のですから

ある意味 当然の結論でした

 


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