2023年11月10日、日本経済新聞は『岸田首相、自衛隊明記に意欲 改憲巡り「論争に終止符」』を配信した。
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岸田文雄首相(自民党総裁)は10日、国会内で開かれた憲法改正に関するイベントに出席し、憲法への自衛隊明記に意欲を示した。「国民の命や暮らしを守るために必要不可欠な自衛隊を明確に位置付けることは違憲論争に終止符を打ち、国の姿勢を示すために大切な課題だ」と強調した。
首相は国会や内閣の緊急事態対応について「緊急事態の中にあっても、国民の代表である国会の権能を維持し、国を支える備えをしていくのは大切だ」と話した。
参院の合区の解消については人口減少と都市部への人口集中を念頭に、「一票の重みに関する憲法上の考え方を整理し、地域の民意の適切な反映と投票価値の平等の調和を図っていくのは重要な考え方だ」と述べた。
イベントは学生団体が主催し、大学生などが参加した。首相は「憲法改正は最終的には国民による判断が必要であり、国民の理解を深めていくことが極めて重要だ」と訴えた。
自民党は自衛隊明記のほか、国会や内閣の緊急事態対応、参院の合区解消、教育の充実の4項目の改憲案を掲げる。首相は総裁任期中の憲法改正への意欲を示している。
……』
岸田首相は所得減税政策で大失敗したことで内閣支持率は右肩下がりとなり、その底も見えない。そこで打ち出したのが、自由民主党の岩盤政策である「憲法改正」であった。自由民主党=保守=改憲とすることで政権基盤を安定させようとしたのである。
ところが自由民主党は、実は保守とは無関係の売国政党であることが、既に、巷では常識化しつつある。自由民主党=保守と考える選挙民は、自由民主党の嘘を見抜けない周回遅れの旧守層なのである。
そもそも、日本の政権与党である自由民主党は、アメリカ軍が朝鮮戦争終結まで安定して日本に駐留できるようにすることと、自衛隊をアメリカ軍の指揮権下で第二次朝鮮戦争及び台湾海峡危機の際に海外派兵が可能となるように憲法を改正することを目的としてCIA資金で結党した政党である。CIAが自由民主党結党を進めたのは、当時の社会党が第一党となった場合に日本政府と「行政協定」や「国連軍地位協定」を締結してせっかく朝鮮戦争を継続できるように法整備を進めてきたことが、政権交代ですべて見直しとなってしまう懸念があったからである。そのためアメリカはCIAを窓口として、強力な与党を整備するとともに、野党を分裂させて政権与党を目指すことのないようにさせることにした。
それから70年。
岸田首相が言うように「昭和27年以来、アメリカに売払った国家主権がないままで憲法改憲を行う」ことは日本が永遠にアメリカの従属国となってしまう売国政策の極みなのだ。また、この自由民主党の憲法まで売飛ばす政策に賛同する公明党、国民民主党、日本維新の会及びそれを支える文化人は完全に売国政策幇助であって、その責任を厳しく追及されることになる。
日本は、国家主権を取り戻したのちに、赤でも白でも、存分に論議すべきであって、今行う論議ではない。今やるべきことは、自由民主党を政権の座から引きずり下ろすことであって、政権を維持させることではない。
そして盤石に見える自由民主党であるが、実は崩壊開始の兆候はすでに表れている。
自由民主党が政権を維持することができた要因は統一教会を選挙に利用してきたことであった。その自由民主党が、本年、統一教会解散命令をもとめたことで、自由民主党を支えてきた選挙手法は崩壊してしまった。
つまり、安倍政権下で大量の水増し議員を生み出したのだが、それら議員は、統一教会の支援なくして自力で勝ち残るものはきわめて限られている。その典型が、「ツボ」議員、神田憲次議員であろう。どのみち再選はあり得ない。それと同様に他の水増し議員も同様である。
自由民主党=保守を信じる議員も選挙民も、本当の地獄の底を見るのはこれからなのだ。
(2023年10月21日) 『「自由民主党は売国政党だ!」と絶叫するジャーナリストが現れた ―国際政治アナリスト伊藤貫氏の主張―』
(2023年01月06日)『昭和27年締結「行政協定」からみた岸田内閣総理大臣訪米の目的 -台湾有事に参戦させられる自衛隊-』
(2022年11月24日) 『自民党総裁と統一教会が連携して行った選挙運動』
以上(寄稿:近藤雄三)
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